2001国際放送機器展 -Inter BEE 2001-

インタビュー スペシャルインタビュー

スペシャル05Inter BEEintertitle2

  スペシャル05Inter BEEinterbee2 プロオーディオ/映像・放送機器の展示イベント「2001国際放送機器展 -Inter BEE 2001-」が去る11月14日〜16日までの3日間にわたり、千葉・日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催された。
 今回で37回目を迎えるこのイベントは国内外のトップレベルの機材を一堂に集め、ひろく放送関係者を対象に、国際的な技術交流、広範な需要開拓の場としてビジネスチャンスを提供している。数多くのブースでの展示の他、海外からプレゼンターを招いたシンポジウムも同時開催され、盛況をみせていた。今回はプロオーディオ機器の会場である展示ホール3を中心に注目製品をピックアップし、各企業の担当の方にお話を伺った。

取材:エフ・ビー・コミュニケーションズ株式会社
レコーディングエンジニア 徳毛伸一

 

株式会社イーブイ アイ オーディオ ジャパン

スペシャル05Inter BEEevi2

イーブイアイオーディオ営業本部販売促進部の尾崎隆行さんオススメの注目製品はMidasのLegend3000。この製品の最大の特徴は、メインとモニターに各EQセクションが独立して搭載されていること。auxセンドが12個ついており、個別にフォールドバックまたはFOHエフェクトセンドとして使用できるので、自由に割り当てられる。また価格も従来のMidasの製品よりも抑えられていてお求めやすくなっているとのこと。
http://www.eviaudio.co.jp/

 

ATコミュニケーションズ株式会社

スペシャル05Inter BEEatc

ATコミュニケーションズのブースの注目製品はスウェーデンのメーカーSWE-DISH SATELLITE SYSTEMS社製のスーツケース衛星システム「SWE-DISH IPT SUITCASE」。セールス・マネージャーの吉澤高明さんにお話を伺った。大きさは手荷物ほどながら最大2Mbpsのライブ・リアルタイムIP伝送が可能で、世界中のどこからでも(過酷な条件下でも!)ブロードバンドコンテンツを発信することができる。また大きさも名前の通りスーツケース並で、総重量も35kg以下、5分以内でセットアップができ、ソフトウェアの遠隔アップグレードができるなど移動性、操作性にも優れている。(写真は可搬型送信アンテナ「SWE-DISH FLY-AWAY 150K」)
http://www.bizsat.jp/

 

オーディオ・プロセッシング・テクノロジィ株式会社

スペシャル05Inter BEEapt

ATコミュニケーションズと同じブースで展開していたオーディオ・プロセッシング・テクノロジィ。こちらも、これからのネットワーク時代を見据えた製品リアルタイム音声コーデック「WorldNet Milano」を出展。 セールス・マネージャーの土井 豊さんによると、エンハンスドAPTチップ内蔵しており、シンク機能、ISDN接続ポートを4つ装備。ワールドワイド対応ターミナルアダプタを内蔵しており、次世代ネットワークに対応した製品になっている。
http://www.codecsystem.com/

 

ゼネラル通商株式会社

スペシャル05Inter BEEzeneral

ゼネラル通商はAMS Neveのポストプロダクションスタジオ仕様デジタルコンソールLogic 7を出展。Logic 2の後継機種で、同シリーズの良さを受け継ぎながらも、新たに24bit/96kHzに対応しており、7.1チャンネルのサラウンド・モニタリングを装備してある。またclassic 1081 remote HAも同時出展しており、1ラック12チャンネル実装の19インチ4Uサイズで、最大16ラック/192チャンネルまで可能。88型のアンコールオートメーションシステムのウィンドウズ上からリモートコントロールできる。
http://www.gentrade.co.jp/

 

ソニー株式会社/ソニーマーケティング株式会社

スペシャル05Inter BEESONY4

今年ソニーは映像・放送関連機器部門の場所のみでの出展だったが、ブースの一角にプロオーディオ機器コーナーが設置されており賑わいをみせていた。コーナーの中心にディスプレイされていたのはデジタルコンソールDMX-R100。去年も出展されていたが、ソフトウェアがバージョンアップされ、処理速度の向上が図られていた。他にもマイク、プロセッサーなど周辺機器も多数出展され、デジタル放送時代に合わせた映像と音の融合に力をいれていた。
http://www.sony.co.jp/

 

ソリッド・ステート・ロジック・ジャパン株式会社

スペシャル05Inter BEEssl

Inter BEEで日本初披露となったデジタルコンソール「A Plusシリーズ」。クライアント・サービス部チーフエンジニアの原田 崇さんにA Plusシリーズの特徴を聞くと、従来のAシリーズの放送用、レコーディング用に加え、サラウンド・システムなどのポスト・プロダクション用と3つのマーケット別に分けられ各分野用に機能をカスタマイズしてあり、A PlusシリーズはAシリーズと比較して、CPUがバージョンアップされたことにより処理速度も速くなっているとのこと。フェーダーなどのコンソール部分の操作性は従来のSSLのアナログコンソールと変わっておらず、デジタルコンソールが初めてのSSLユーザーも安心して使用できる。
http://www.solid-state-logic.co.jp/

 

株式会社タイムロード

スペシャル05Inter BEEtime

タイムロードの注目製品はGenexのADコンバーターGXA8とDAコンバーターGXD8。44.1kHzから96kHzのサンプリングレートに対応した24bit8chコンバーターだ。また、従来の8ch/16bitレコーダーに2ch/24bit録音・再生が可能なbit-splitエンコーダー/デコーダーを搭載、Pro Toolsにも対応しており、機能面も充実している。ブースではlake「Theater Phone」のサラウンドモニターヘッドフォンシステムのデモンストレーションなども開催されていた。
http://www.timelord.co.jp/

 

タックシステム株式会社

スペシャル05Inter BEEtacsys2

タックシステム代表取締役の山本隆彦さんに目玉製品を紹介してもらった。今回、11月から販売を開始したMilleniaの新製品である「Twin Topology シリーズ」コンプリート・シングルチャンネル・レコーディング・システムSTT-1 “origin” 。1台にHA、4bandパラメトリックEQ、コンプレッサー/リミッターなどの機能の他に、ピュアクラスAオールディスクリートによるFETソリッドステート回路とチューブ回路の両方を搭載している。他にも同シリーズの2ch4band パラメトリック・イコライザーNSEQ-2、2ch コンプレッサー/リミッターTCL-2 “Twincom”や、マスタリングプロセッサーWAVES L2なども出展されており人気を集めていた。
http://www.tacsystem.com/

 

デジデザイン・ジャパン/アビッドジャパン株式会社

スペシャル05Inter BEEdigi

今年のデジデザインのブースはポスト・プロダクションに焦点を絞り、ブース内のステージではトップ・エンジニアによるデモンストレーションなども開催、多くの人を集めていた。フィールド・マーケティング・マネージャーの松中康夫さんに今年のオススメを伺うと、先日のバージョンアップでビデオ・サポートが強化されたPro Tools 5.1.3。これを中心に、周辺機器や新しいプラグ・インなどを出展。また映像・放送関連機材部門のAvidブースでは、Unity MediaNetに映像ワークステーションとPro Toolsを接続したデモンストレーションを行っていた。
http://www.digidesign.co.jp/

 

日本マランツ株式会社

スペシャル05Inter BEEmarantz

日本マランツのブースではスタジオモニターアンプ「PA01」「PA02」を展示。業務機器開発部の加藤秀樹さんが、熱く詳細を語ってくれた。PA01は空冷式のアンプだが、PA02は温度や出力に応じて速度可変を行うマルチスピードクーリングFANシステムを搭載している強制空冷式を採用しており、最大で700Wの出力を実現している。実際に内部を見せてもらったが、予想より大きめのFANに驚いた。他に業務用スピーカーMZ-S01、オールインワン放送システム「PAC770」、CD/MDコンビネーション「PMD380」などの新製品を出展していた。

 

株式会社フェアライトジャパン

スペシャル05Inter BEEfair2

営業部の小島孝史さんにフェアライトジャパンのブースの注目製品を伺うと、今回のInterBEEで世界初披露となるDREAM Satellite/Station/Consoleの3機種をプッシュ。実際にブースは途切れることなく人気を集めていた。DREAMシステムは24bit/96kHz、マルチ・チャンネル/マルチ・フォーマット、大規模なスタジオからプライベート・スタジオまで幅広く対応している。またエディットやトランスポート機能をホイールの近くに集中させることによって、片手でコントロールでき、操作性を飛躍的に向上させている。小島さんに実演してもらったが、そのイージーオペレーションは他社の製品ではなかなか味わえないもので、フェアライトならではの存在感を出していた。
http://www.fairlight.co.jp/

 

ヤマハ株式会社

スペシャル05Inter BEEdm2000

今回プロオーディオ部門で最も広いブースだったヤマハ。そのブースの半分を占めていたのは、先日発表されたデジタルプロダクションコンソール「DM2000」。多くの人が詰めかけその注目度の高さがうかがえた。PE営業部PA国内推進室の赤松幹夫さんにDM2000はO2Rの後継機種と考えていいのか質問したところ、後継機種というよりはO2Rの上位機種と位置づけているとのこと。実際に機能面でも24bit/96kHz対応で入力数もO2Rの2倍以上の96を確保(O2Rは40)している。またProTools、Nuendoに対応しており、それらをDM2000のパネル上からリモートコントロールでき、サラウンド・プロダクション向けの機能も多く盛り込まれている。
http://www.yamaha.co.jp/product/proaudio/

 

同時開催イベント

11月14日(水)
◇国際シンポジウム(映像) 13:00〜16:00
「モーショングラフィックスによる最新映像表現」

11月15日(木)
◇パネルディスカッション(放送人の会協力イベント)11:00〜13:00
「ミレニアムの放送〜私が創るドキュメンタリー〜」
◇国際フォーラム(社団法人 日本民間放送連盟併催イベント)15:30〜17:30
「欧州等におけるデジタル放送の最新事情」

11月16日(金)
◇国際シンポジウム(音響)13:00〜16:00
「デジタル放送に見る5.1ch音声制作」

★オーディオデモルーム開設
11月14日・15日の2日間、音響プレゼンターの5.1chマルチチャンネル作品の一部を上映。

★第38回民放技術報告会
11月14日〜16日
主催・運営:社団法人 日本民間放送連盟

関連タグ

オススメ