Spotify、ラッパーのRBXから提訴 ドレイクが不正再生で利益得たと主張
ラッパーのRBXとして知られるエリック・ドウェイン・コリンズ氏は11月2日、Spotifyを相手に集団訴訟を起こした。Spotifyが「大規模な不正ストリーミング」を防止できず、合法的なアーティストに「甚大な経済的損害」をもたらしたと主張している。
カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提出された訴状には、特定のアーティストの再生回数を人為的に水増しするボットが、他のアーティストの報酬を減らす仕組みに焦点を当てている。Spotify史上初めて1,200億回再生を突破したドレイクの再生数について、2022年1月から2025年9月にドレイクに帰属した約370億回のストリーミングが「偽物で、広範なボットアカウントネットワークによる仕業のように見える」と強調した。
Spotifyは「係争中の訴訟についてはコメントできない」とした上で、自社は「業界全体が直面する人工的なストリーミングの問題から、いかなる利益も得ていない」と述べた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「Spotifyにドレイクの件でラッパーのRBXが代表して集団訴訟。これだけ読むと頭が混乱するが、RBXらはSpotifyで1260億(Chartmaster)を超えるドレイクの総再生数はボットを使った水増しであり、この結果、他のアーティストたちが受け取るべきであった売上が減ったということで集団訴訟を起こした。Spotifyはざっくり言うと総売上を総再生数で割って個別の再生数をかけたものをアーティストに支払っているため、ボットを本当に放置していたのならこの主張も筋が通る。一方でSpotifyなど音楽配信業者はボットを使ったストリーミング詐欺の被害者でもあり、常識的に考えると意図的に放置する立場ではない。どういうことなのか、今後の行方を見守りたい」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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