Z世代、音楽消費でプレイリスト重視 英BPIのリスニング習慣レポート

英国レコード産業協会(BPI)は6月12日、Z世代の文化・音楽消費に関する報告書を公開。18〜25歳の英国在住者500人に、音楽のリスニング習慣を尋ねた。
・音楽は不可欠
音楽は、起床から仕事、勉強、レジャーに至るまで、ほぼ全ての活動で消費されている。
・音楽は雑食
多くは、個々のジャンルに傾倒するよりも、ムードや感情を優先する傾向。新曲だけでなく、懐かしさや安心感を強く呼び起こすカタログも評価されている。Z世代の嗜好は、音楽が生活の中でどのような位置付けにあるか、インターネットで何を見ているか、友人や家族に何をすすめられたかによって形成される。
・歴史や背景が嗜好を形作る
他文化にオープンな一方で、英国出身者や地元アーティストを支持する声もある(言語習得のためフランスの音楽を聴く、ビデオゲームやアニメとのつながりで日本の音楽を聴くなど)。
・プレイリストが重要
多くは、コラボレーションを通じて友人とつながることを可能にするプレイリストの柔軟性を好む。アルバムが表現する創造性も尊重。
・発見は絶え間ない
ストリーミングサービスのプレイリストから、短編動画、ビデオゲームやテレビ番組、映画まで、ありとあらゆる方法で音楽を発見する機会を得ている。仲間同士で推薦し合うことが、社会的な絆を形成する。
・アーティストとファンのつながりを理解することが重要
多くが、アーティストの考え方に共感したり、自分自身を表現していると感じたりすれば、より親近感を持つ一方で、アーティストと作品を切り離して考えることは全くできないと回答。家族の嗜好が、アーティストに対する深い親近感を形成するのに役立つ。
・生演奏は強烈な印象を与える
初めてコンサートに行った時の思い出は、永続的な感情的影響を与える。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「イギリスのZ世代の音楽の聴き方。起きてから寝るまで音楽を聴き、シーンに合わせて聴くのでジャンルは固定されてない。アニメやゲームから日本の音楽を聴くなど多文化にオープン。友だちとコラボできるプレイリストが好まれる一方、アルバムの創造性も重視。アーティストのストーリーに共感できるかがファンになるかを決める。家族の嗜好にも影響を受けるなど、日本のZ世代にも共通するものが多い。日本でもZ世代で人気の楽曲やアーティストが最近、レポートで出たが他の国と比較して法則を見出すのも大事だと思ったのでピックアップした」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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