英国、新進アーティストが減少 音楽輸出額が過去最高でも
原盤音楽市場が成長を続けている英国だが、かつて一世を風靡したミュージシャンが黄金時代を迎えている半面、新進アーティストはグローバルチャートで苦労しているーー。音楽データ分析ツールを手がけるChartmetricが2月19日に公表したレポートからこのような実態が明らかとなった。
2015年には世界トップ10のアーティストの半数を占めていた英国アーティストだが、2025年現在、グローバルチャートにランクインしたのはわずか5組で、Spotify上位10組に入ったのはローラ・ヤングだけだ。
米国と英国のアーティスト上位50組のキャリアステージの比率を見ると、その差は歴然。Chartmetricのグローバルデジタルアーティストランキングで、英国でベテランアーティストが14組ランクインしているのに対し、米国ではマイケル・ジャクソンのみにとどまる。
米国だけでなく、プエルトリコや韓国、コロンビアと比べても新進アーティストの割合が低い。
業界の専門家は、英国の新進アーティスト不足について、ベテランミュージシャンの活躍に加え、ストリーミング・プラットフォーム(DSP)の編集プレイリストで米国出身アーティスト楽曲の比率が多いこと、ポップアーティストの減少、小規模会場の閉鎖によるライブ活動の減少など、複合的な要因を指摘している。
(文:坂本 泉)
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