Spotify、アーティストへの支払いやロイヤリティに関するサイト「Loud&Clear」にて2023年度最新レポートを公開

ビジネス レポート

Spotifyは3月19日、アーティストへの支払いやロイヤリティに関する情報を解説するウェブサイト「Loud & Clear」にて、2023年の調査結果をまとめた最新版のレポートを公開した。「Loud & Clear」は、2021年により健全で多様性のある音楽業界の実現を目的に開設され、アーティストや業界関係者、そして世界の音楽ファンに向けて透明性の高い情報を提供している。

Spotifyは、2023年に音楽業界に対する単一小売業者からの年間支払額として過去最高となる90億ドル以上を支払った。この金額は過去6年間でおよそ3倍に増加しており、Spotify創業以来の累積支払額である480億ドルの大部分を占めている。さらに、過去2年間でおよそ40億ドルを作詞・作曲家を代表する出版社や演奏権管理団体、著作権管理団体に支払い、CDや販売が主流だった2001年と比べ、収益が2倍以上増加したとしている。

また、収益規模のそれぞれ(年間1,000ドルから1,000万ドルまで)において、アーティストの数は2017年以降およそ3倍に増加。この数字はSpotifyだけで生み出された収益を表しており、他のサービスや収入源からの収益を考慮すると、これらのアーティストは録音音源全体でおそらくこの収益の4倍を生み出し、さらにコンサートチケットやグッズからの追加収益も得たと予測した。

なお、Spotifyだけで少なくとも1万ドルを生み出した6万6,000人のアーティストのうち、すべての録音収入源で4万ドル以上を稼いでいるであろうアーティストの半数以上は、英語が第1言語ではない国の出身だった。英語以外の言語では、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語、フランス語、そして韓国語がトップ集団を形成。2023年はヒンディ語、インドネシア語、パンジャブ語、タミル語、そしてギリシャ語が大きく伸長した。

さらに、DYIアーティストやインディペンデントレーベルと契約するアーティストのカタログは、2023年にSpotifyで生み出された全収益の半分を初めて占めた。総額はおよそ45億ドルとなり、2017年から4倍増加。これはインディーズが1年で単一の小売業者から得た最高額となる。

2023年にSpotifyで少なくとも100万ドルを生み出したアーティストの多くは一般的に知られた名前ではなく、ヒット曲を要することなく大きな成功を収めた。また、80%のアーティストは、Spotifyのデイリーグローバルソングチャートのトップ50に入る曲を持っていなかったとのこと。

成功を収めるアーティストが増えるに伴い、アーティストを目指す人々も増加。2023年には1,000万人以上がSpotify上に少なくとも1曲を配信したが、そのうち800万人は、配信曲数が10曲未満、500万人以上は自身の全楽曲の総再生回数が100回未満だった。なお、生計の一部を最もストリーミングに頼っているのは、プロとして活動する22万5,000人の新進アーティストとなっている。

Spotifyは、新進アーティストやプロとして活動するアーティストが、毎年継続的に収益を得られるよう支援することに注力している。2017年に少なくとも1万ドル以上を生み出したアーティストの5人中4人は、前年も少なくとも同等の収益を生み出しており、2017年に1万ドル以上を生み出した2万3,400人のアーティストのうち約半数は、2023年に5万ドル以上を生み出し、おそらくすべての録音収益源から合計20万ドルを超える収益を得ているとした。

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