JVCケンウッド、23年4月~12月期は事業利益42.8%の大幅増

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JVCケンウッドは2月1日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。

当第3四半期連結累計期間における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の販売が、前期に引き続き非常に好調に推移したことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業、エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業の販売が堅調に推移したことなどから、全社では前年同期比で約198億円増(8.0%増収)となる2,672億5,800万円となった。事業利益(同社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としている)は、増収となったことなどから、前年同期比で約48億円の大幅増(42.8%増益)となる160億1,500万円となった。営業利益は、事業利益は大幅な増益となったものの、前期は第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したことなどから、前年同期比で約45億円減(23.2%減益)となる149億8,200万円となった。税引前四半期利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約44億円減(22.8%減益)となる149億3,200万円となった。当第3四半期連結累計期間における親会社の所有者に帰属する四半期利益は、税引前四半期利益が減益となったことなどから、前年同期比で約46億円減益(29.6%減益)となる109億2,200万円となった。

モビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約4億円増(0.3%増収)となる1,488億円、事業利益は同約12億円減となる30億7,300万円となった。なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約16億円が含まれており、この為替ヘッジによる影響を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっている。OEM事業は、国内で用品の販売が堅調に推移したことや、欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が、前期に引き続き好調に推移したことなどから、前年同期比で増収となった。アフターマーケット事業は、主に米国の大手量販店の在庫調整にともなう販売減の影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となった。テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーなどのテレマティクスソリューション関連商品の販売が減少したことから、前年同期比で減収となった。為替ヘッジによるマイナス影響に加え、アフターマーケット事業及びテレマティクスサービス事業が減収の影響を受けたことから、OEM事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で減益となった。

セーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約179億円増(34.5%増収)となる699億円、事業利益は同約68億円増となる132億9,300万円となった。無線システム事業は、米国を始めとする海外市場において販売が非常に好調に推移したことなどから、前年同期比で約171億円の大幅増収となった。業務用システム事業は、JVCケンウッド・公共産業システムで、鉄道など社会インフラ市場が回復傾向となったことなどから、前年同期比で約8億円の増収となった。無線システム事業が大幅増収により大幅増益となり、業務用システム事業も増収により損益が改善したことから、セーフティ&セキュリティ分野全体でも、前年同期比で大幅増益となった。

エンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約3億円増(0.6%増収)となる419億9,500万円、事業利益は同約6億円減となる1億8,600万円の損失となった。なお、メディア事業の業務用カメラ事業は今年度の市況などを考慮して業容を縮小することとし、これにともない当第3四半期連結会計期間に構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上した。この損失引当を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっている。メディア事業は、前期第1四半期連結会計期間に実施した生産移管にともなう生産減の影響からプロジェクターの販売は回復したものの、業務用カメラなどの販売が減少したことなどから、前年同期比で約14億円の減収となった。エンタテインメント事業は、コンテンツビジネスの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約17億円の増収となった。エンタテインメント事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、メディア事業において減収の影響に加えて、業務用カメラ事業の構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上したことから、エンタテインメントソリューションズ分野全体では前年同期比で減益となった。

2024年3月期の業績予想について、当第3四半期連結累計期間については、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業が堅調に推移したことなどから、全社では想定を上回る実績となった。第4四半期連結会計期間についても、世界情勢がますます緊迫化する中で、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)やセキュリティ対策として無線システムの堅調な需要が見込まれるものの、国内自動車メーカーの生産・販売減や能登半島地震による影響が不透明であることなどから、2023年10月31日に公表した2024年3月期通期連結業績予想を据え置いた。

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