神奈川・横浜みなとみらいに2万席の音楽アリーナ「Kアリーナ横浜」が竣工

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ミュージックテラス外観

ケン・コーポレーションとKアリーナマネジメントは、神奈川・横浜みなとみらい21地区で推進してきた大規模複合開発「Kアリーナプロジェクト(街区名称:ミュージックテラス)」が、7月31日に竣工したと発表した。

ミュージックテラスの核となる「Kアリーナ横浜」は、“すべては「音楽」を楽しむために”をコンセプトに掲げる、音楽に特化した大型アリーナで、9月29日に開業する。

音楽に特化したアリーナにふさわしい、業界トップクラスの演出機器を完備。今回のプロジェクトでは、ソニーマーケティングが音楽に特化したエンタテインメント空間を演出するために、高精細LEDビジョン、ハイクラススピーカーおよび舞台照明を含む舞台特殊設備の設計、システム構築、納入までの一連のシステムインテグレーション業務を担った。

舞台映像設備では、アリーナ内の全体を撮影するリモートカメラ「BRC-X1000」、アリーナ後方の観客へのフォローに使用するアッパーサービスビジョン(幅約3.5m、高さ約2m、4面)、アッパースタンド最前列のリボンビジョン(横約62.5m、高さ約1m)などを設置しており、加えて、アリーナ各所から接続した持込機材などの多様な映像素材をコントロールルームに設置したライブプロダクションスイッチャー「XVS-G1」に接続することで、12G-SDIに対応したルーティングシステムから上記ビジョン、各所モニターなどへ送出し迫力ある映像演出を実現している。また、各所ラウンジにはデータプロジェクター「VPL-FHZ91L」やディスプレイモニターのブラビアを導入し、ライブ映像やインフォメーションなどを低遅延・高画質で再生する。

舞台音響音声設備では、音楽に特化した空間づくりにこだわり、L-acousticsのスピーカーシステムを採用。メインスピーカーにK1・K2を使用、その他アウトサイドスピーカーやアッパースタンド向けフォロースピーカーを常設し、会場全体に良質を追求した音響空間を提供する。

また、舞台照明設備では持込機材に耐えうる十分な電源容量を確保し、場内演出を豊かにするピンスポットライト、ムービングライトなどを導入している。

さらに、音楽に特化したアリーナとして、使いやすさも追求。Kアリーナ横浜では、会場設営のための時間を大幅に短縮するため、資材搬入のための経路をワンウェイ方式とすることで搬入車両のスムーズな出入りが可能となった。また、アリーナ内に床養生などをすることなく、直接、大型車輌を入場させることができ、搬入・搬出作業の迅速化を実現。

そして、Kアリーナ横浜は、基礎ステージをはじめとした常設の舞台設備を所持。2万人を収容できる会場として、あらかじめ様々な舞台設備を備えた施設は全国的にも前例のない取り組みとのこと。舞台間口12間(約22m)、奥行7間(約13m)、高さ1.8mの基礎ステージを備えることで、舞台美術を持ち込むだけでステージセットを組むことが可能になる。さらに、ステージ両翼に長さ8間(約14.5m)の花道を付け足すことが可能で、大規模な公演にも対応できるステージがあることにより設営時間短縮とコスト削減を実現するとしている。

また、ステージ上空には昇降グリッドと呼ぶ舞台機構を全8基備えており、モーターなどの機材を吊り込むための作業を安全かつ迅速に行うことが可能。一部の昇降グリッドからは、常設舞台照明用のトラスを昇降させることも可能で、トラス内にあらかじめ設置されたコンセントボックスにより、持込照明機材を搬入しすぐに取り付けることで更なる設営時間短縮を図る。

加えて、近年、ライブ・エンタテインメント産業の発展に伴い、より複雑で大規模なステージセットが組まれることが多くなり、吊り点の確保や吊り重量が足りないという課題が生じているが、Kアリーナ横浜では、こうした大規模なステージセットの設置にも対応できるよう、アリーナ内に480ヶ所の吊り点を確保し、総吊荷重120t(施設保有機材の重量を含む)まで対応できるよう設計されている。

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