2021年JASRAC賞を発表、LiSA「紅蓮華」が初の金賞

ビジネス 音楽業界

LiSA「紅蓮華」作曲者:草野 華余子氏

日本音楽著作権協会(JASRAC)は5月19日、2021年JASRAC賞を発表した。

今年はLiSA「紅蓮華」(作詞:LiSA 作曲:草野 華余子 音楽出版社:ソニー・ミュージックパブリッシング)が初の金賞に輝いた。銀賞は「Pretender」(作詞・作曲:藤原 聡 音楽出版社:フジパシフィックミュージック)が、銅賞は「Lemon」(作詞・作曲:米津 玄師 音楽出版社:日音)が受賞した。

また、国際賞は「NARUTO-ナルト-疾風伝 BGM」(作曲:高梨 康治 音楽出版社:テレビ東京ミュージック)が、外国作品賞は「DAYDREAM BELIEVER」(作詞・作曲:JOHN C. STEWART オリジナルパブリッシャー:SCREEN GEMS EMI MUSIC INC サブパブリッシャー:イーエムアイ音楽出版 フジパシフィック事業部)が、受賞した。

JASRAC賞は、音楽配信、カラオケ、CMなど、前年度にJASRACからの著作物使用料の分配額が多かった作品の作詞者・作曲者・音楽出版社の功績と栄誉を称え表彰するもので、1982年の創設から今年で39回目を迎えた。国内作品の上位3作品を金・銀・銅賞、海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品を国際賞、分配額が最も多かった外国作品を外国作品賞として表彰している。

2020年度通期の分配対象楽曲数は、277万8,889曲。分配対象の権利者数は、音楽出版社を通じた分配を含めると、著作者7万6,278人、音楽出版社2,888社。このほか、126の外国団体を通じて37万9,850人の著作者、5万258社の音楽出版社にも使用料が分配される。

受賞作品は下記の通り。

2021年JASRAC賞

金賞

作品名:紅蓮華
作詞者:LiSA
作曲者:草野 華余子
音楽出版社:株式会社ソニー・ミュージックパブリッシング

草野華余子が作曲し、LiSAが作詞・歌唱した「紅蓮華」が金賞を受賞。「紅蓮華」は、テレビアニメ「鬼滅の刃」(2019年4月〜9月放送)の主題歌として書き下ろされ、2019年7月のリリース以降、2020年10月にはストリーミングの再生回数が2億回突破を記録するなど音楽配信サービスで人気を博した。また、カラオケでも幅広い世代から支持され、インタラクティブ配信の分配額が2位、カラオケの分配額が1位となり、初の金賞に輝いた。

LiSA(作詞者)コメント

長く愛していただき、とても光栄です。
原作からテレビアニメまで、関わりある多くの方々の熱い愛情を受け取り、自身の心の中にある”強さ”と向き合いながら、言葉を探した楽曲でした。
どんな日々も越え、水面に美しく咲く蓮の花のように、彼らと私たちの物語が、強く咲き誇り続けますように。

草野 華余子(作曲者)コメント

このたびは本当にありがとうございます。
今回の賞は、たくさんの方から「紅蓮華」を愛していただけた一つの証だと思います。これもひとえに、応援してくださっているファンの皆さん、そして苦楽を共にしてきた LiSA さんのおかげだと、心から感謝しています。
これからも「一音入魂」で、魂を込めた楽曲制作を続けていきたいと思います。

株式会社ソニー・ミュージックパブリッシング(音楽出版社)コメント

“世界に打ちのめされて/負ける意味を知った”というフレーズが歌詞の重要な部分になっているとLiSA さん(作詞)が仰っていました。自分自身が変わり、誰かのために強くなると歌われる「紅蓮華」は草野華余子さん(作曲)の壮大でカッコ良いメロディーとマッチして強烈なインパクトを放ち、多くの方に勇気を与えてくれたのではないかと思います。楽曲誕生のきっかけとなったアニメ「鬼滅の刃」と共に世界中の皆さまに愛され続ける作品に携われ、金賞を頂けたことに感謝いたします。

株式会社ソニー・ミュージックパブリッシング
代表取締役 見上 チャールズ 一裕

銀賞

作品名:Pretender
作詞者:藤原 聡
作曲者:藤原 聡
音楽出版社:株式会社フジパシフィックミュージック

Official 髭男 dismのボーカル・ピアノの藤原聡が作詞・作曲した「Pretender」が銀賞を受賞。「Pretender」は、2019年5月公開の映画『コンフィデンスマン JP ロマンス編』の主題歌に起用された後、2020年10月に日本で史上初めてストリーミング再生回数が4億回を超え、YouTubeでミュージックビデオが3億回以上再生されるなど、インタラクティブ配信の分配額が1位、カラオケの分配額が2位となり、初の銀賞を受賞した。

株式会社フジパシフィックミュージック(音楽出版社)コメント

映画『コンフィデンスマン JP ロマンス編』の主題歌「Pretender」は、各種音楽チャートで累計再生回数の記録を樹立し、映画の公開から 2年となる今もなお聴かれ続け歌われ続けています。スタンダード・ナンバーを世に届けたいと願う私たちにとって、この作品に携わることができたのはこの上ない喜びであり、Official 髭男 dismの皆様をはじめ関係各位にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

株式会社フジパシフィックミュージック
代表取締役社長 小池 英彦

銅賞

作品名:Lemon
作詞者:米津 玄師
作曲者:米津 玄師
音楽出版社:株式会社日音

米津玄師が作詞・作曲した「Lemon」が銅賞を受賞。昨年のJASRAC賞金賞を受賞した「Lemon」は、インタラクティブ配信やカラオケで多く利用されたほか、「Lemon」が収録されたアルバム「STRAY SHEEP」が200万セールス以上を売り上げ、オリコン年間アルバムチャートでの1位をはじめ、2020年の年間ランキング/受賞で46冠を達成するなど2018年2月の配信リリースから継続的に幅広い分野で利用されたことで、昨年の金賞に続く銅賞の受賞となった。

株式会社日音(音楽出版社)コメント

昨年の金賞に続いての受賞となり、この曲が令和のスタンダードとなった実感を得ています。愛しあい傷つけあった恋人との思い出の日々は、苦いレモンであり、光でもあったと感じているわたし。そのすべてを愛していたし、とても忘れられない、と歌うメッセージは、あたりまえと思っていた生活が突然消えたこの1年間で、さらに大きな意味を持ったように感じます。米津さんが紡いだこの曲が今後どのように成長していくのかが楽しみです。関係者の方々と、愛してくれた皆さまに心よりお礼を申し上げます。

株式会社日音
代表取締役社長 小野寺 廉

国際賞

作品名:NARUTO-ナルト-疾風伝 BGM
作曲者:高梨 康治
音楽出版社:株式会社テレビ東京ミュージック

高梨康治が作曲した、テレビ東京のテレビアニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のBGMが、2013年、2014年、2020年に続き4度目の国際賞を受賞。「NARUTO-ナルト-疾風伝」は世界中で人気を得ており、海外からの分配の約6割を占めるアメリカのほか、ドイツ、フランス、ブラジルなど世界中で幅広く放送され、国際賞の受賞となった。

高梨 康治(作曲者)コメント

2021年JASRAC 賞国際賞をいただき、ありがとうございます。本当にうれしいです。国際賞というのは、いろいろな国の方々がこの「NARUTO」の音楽を聴いてくださった結果なので、「NARUTO」が世界中で本当に愛されているんだな、そして僕の音楽で楽しんでくれた方がたくさんいるんだなというのが、音楽家としてとてもうれしいです。これからも、謙虚な気持ちで皆さんに楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思っています。本当にありがとうございました。

株式会社 テレビ東京ミュージック(音楽出版社)コメント

このたびは素晴らしい賞をありがとうございます。高梨康治先生、関係者の皆さまに心から感謝致します。
高梨先生の「NARUTO-ナルト-疾風伝 BGM」の国際賞受賞は昨年に引き続き 2年連続となり、通算では4度目の受賞です。2017年には「FAIRY TAIL BGM」でも受賞されており、5度の受賞は快挙です。
高梨先生には改めてお祝いと感謝を申し上げます。
また、2021年の国際賞のベスト10には我社が管理するアニメ楽曲7曲が入りました。
テレビ東京グループはこれからも世界中にアニメの魅力を発信し続けます。

株式会社 テレビ東京ミュージック
代表取締役社長 小川 治

外国作品賞

作品名:DAYDREAM BELIEVER
作詞者:JOHN C. STEWART
作曲者:JOHN C. STEWART
O.P.:SCREEN GEMS EMI MUSIC INC
S.P.:イーエムアイ音楽出版 株式会社 フジパシフィック事業部
※ O.P.=オリジナルパブリッシャー、S.P.=サブパブリッシャー

JOHN C.STEWARTが作詞・作曲した「DAYDREAM BELIEVER」が3度目の外国作品賞を受賞(2017年、2018年に連続受賞)。1967年に発表されたこの楽曲はThe Monkeesの歌唱でヒットし、その後日本で多くのアーティストにカバーされ、国や時代を超えて広く親しまれている。大手コンビニエンスストアのCMソングとして多くテレビ放送されたことで外国作品賞の受賞となった。

イーエムアイ音楽出版株式会社 フジパシフィック事業部(音楽出版社)コメント

今回で3度目の外国作品賞の受賞となるこの作品は、長きにわたりコマーシャルで使用していただいております。忌野清志郎さんの歌声をはじめとして、さまざまなバリエーションでお茶の間に届けられるそのメロディーは多くの人々に親しまれて久しく、これからもきっと愛される続けることでしょう。どうもありがとうございました。

株式会社フジパシフィックミュージック
代表取締役社長 小池 英彦

※金賞・銀賞のストリーミング再生回数は、Billboard JAPANの公表情報に基づく。

資料

オススメ