余暇の満足度は緊急事態宣言発令時から1.2倍に増加、音楽配信サービスの利用率は1.4倍に増加〜Google発表

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コンテンツの利用量の変化(一週間の余暇時間において「音楽配信サービスを利用した」と回答した人の割合)

Googleは、2020年を振り返り人々の意識と行動を分析したレポートを12月14日に公開した。本レポートは、生活動向に関する週次調査と、Google検索の動向を元に分析している。

緊急事態宣言発令時と比べ、余暇の満足度が1.2倍に増加。制限のある環境を楽しむ行動に「おせち」の検索が昨年に比べて早い段階で上昇

ソーシャルディスタンスなどの行動制約があるなかで、余暇の満足度は右肩上がりに上昇し、緊急事態宣言発令直後に比べて6月には1.2倍に増加、その後も高い水準を維持している。人々の行動変化の中にその理由が見えてきた。

1つ目は「おうち時間」を充実させる行動変化だ。居住空間内で余暇を充実させるという動きが「電子楽器」や「観葉植物」の検索量に表れた。いずれも緊急事態宣言が発令された4月中旬以降、去年よりも高い水準を維持している。他にも「エアコン」や「おせち」の検索が昨年より早い段階で上昇傾向を見せている。「おうち時間」の充実が商戦期にも影響を及ぼしていそうだ。

2つ目は「休日の過ごし方」の行動変化だ。外出制限が全面的に解除された6月19日以降、「グランピング」のキーワードは前年同時期よりも検索量が増え、9月の下旬には前年同期間比2.86倍になった。「キャンプ場」も同じく、6月19日以降前年同時期よりも検索量が増える傾向を示しており、外出自粛と行動制限に対する反作用として、開放感を感じる場所への注目が高まっていると言えるだろう。

音楽配信サービスの利用率が1.4倍に増加。”ながら”コンテンツの人気が高まる

生活動向に関する週次調査の結果では、様々なデジタルコンテンツの中で音楽配信サービスを利用していると答えた人の割合が緊急事態宣言発令直後と比べ、5月下旬には1.4倍に増加。一時は落ち着いたが、その後も高い水準で推移している。対する有料動画配信サービスの利用率が横ばいであることと比較すると、その増加傾向は顕著だ。

ポッドキャスト」「ラジオ」といったキーワードの検索量は、外出制限が全面的に解除された6月19日以降も昨年よりも高い水準のまま定着している。ラジオへの関心の高まりから、音声での情報収集へのニーズや自分が住んでいる地域の情報に対する関心の高まりが垣間見える。また、「音声アプリ」の検索量も増加しており、「ながら聞き」できる「音」に対する価値が再認識された様子が見て取れる。

敬老の日のギフトに関する検索量が前年同期間比5倍以上に

緊急事態宣言中となった「母の日ギフト」の検索量は、例年に比べて早い時期から増加。また父の日付近の「父の日ギフト」の検索は、昨年同期間と比べ1.82倍以上に増加していた。この傾向は母の日、父の日に限らず、敬老の日(9月21日)の直前には「敬老の日ギフト」の検索が前年同期間比5倍以上に増加している。

人との接触や移動が制限される中で、対面によるコミュニケーションの機会が減ったことで、人々は「ギフト」によって積極的なコミュニケーションを取るようになったことが見て取れる。

本日公開したレポートでは、生活動向に関する週次調査1から見えてきた生活者動向と、Googleトレンドでの検索量の推移を合わせて分析することで、生活者の意識と行動の変化を読み解いている。なお、生活動向に関する週次調査はダッシュボードとして公開している。緊急事態宣言が発令された4月11日の週から最新までの約30週に渡り、新型コロナウイルス感染症に関連した不安や予防行動、日常生活におけるオンライン・オフライン活動の移り変わり、デジタルコンテンツの利用動向や生活満足度等に関する時系列の調査結果を掲載している。

この調査データに基づいた分析及びインサイトをまとめたレポートをはじめ、さまざまなリサーチや検索データから生活者の行動や意識の変化を探る記事、ならびにマーケティングへの示唆的な情報・事例をThink with Googleで発信している。2020年の生活者意識と行動を振り返り、今後の社会を考える参考情報として活用しよう。

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