オリコン2014年年間音楽ソフトマーケットレポート発表、総売上額が前年比2.1%減の2,873.6億円

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オリコンは、「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」(対象期間::2013年12月30日~2014年12月28日)を発表。音楽ソフト総売上額は2,873.6億円で、対前年同期比97.9%となった。

※以下、売上金額は売上枚数に定価・希望小売価格(税込)を乗じて算出。

【全体売上】

「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」音楽ソフト売上の年間推移
シングル・アルバムに音楽DVD・音楽Blu-ray Disc(以下BD)を加えた音楽ソフト市場の2014年年間総売上額は2873.6億円で前年比97.9%となった。年間売上額が前年実績を下回るのは、昨年2013年に続き2年連続。総売上枚数は1億501.0万枚で前年比93.2%となった。

盤種別に見ると、シングルは売上額599.7億円で前年比93.9%(売上枚数4411.6万枚・前年比91.3%)。2010年以降、AKB48の台頭、それに伴うアイドルシーンの活況によってシングル市場は年間売上規模で5000万枚に届きそうなまでに回復していたが、2014年は前年2013年にシングル売上額が前年割れしたのに続いて売上枚数でも前年割れとなった。

一方、アルバムは売上額1558.8億円で前年比98.6%(売上枚数5036.7万枚・前年比94.9%)となった。社会現象にまでなり、年間で98.0万枚、34.8億円を売り上げたディズニー映画『アナと雪の女王』のサウンドトラック、年間アルバム売上で唯一100万枚を超えたAKB48の『次の足跡』(年間104.1万枚、25.1億円)といったヒット作が誕生し、昨年2013年は2桁だったマイナス幅を1.4%にとどめたものの、いずれも市場縮小に歯止めを掛けるまでには至らなかった。

音楽映像ソフトは年間売上額715.0億円で前年比100.1%(売上枚数1052.8万枚・前年比92.7%)に。総売上額は2012年以来2年ぶりに対前年増となった。DVDからBlu-rayへの市場シフトが進行するなか、音楽DVDは売上額458.1億円で前年比88.2%(売上枚数741.4万枚・前年比83.8%)に。一方、音楽Blu-rayは売上額256.9億円で前年比は131.6%(売上枚数311.4万枚・前年比124.3%)と、BDの前年比調査を開始した2010年から5年連続での対前年比増を記録。また、年間売上額200億円突破は調査開始以来初と着実に市場が拡大している。

「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」ソフト市場全体売上
【ジャンル別シェア】

前年に続いて主力である「J-POP」の売上の減少が目立ち、2014年の年間売上額は2212.3億円、売上枚数は7690.3万枚で、前年比はそれぞれ96.4%と90.9%となった。

一方で売上を伸ばしたのが「演歌・歌謡」。売上額74.0億円は前年比109.0%、売上枚数も432.3万枚で前年比は106.2%となり、2009年以来5 年ぶりに対前年増を記録した。氷川きよし、水森かおりらの安定した人気に加え、福田こうへい、三山ひろし、山内惠介ら次世代勢の売上も安定してきたことが大きいようだ。しかもシングルとアルバム双方で回復を示すことになった。同様に、『アナ雪』ブームを核に、ワン・ダイレクションやファレル・ウィリアムス、テイラー・スウィフトらの貢献によって「洋楽」でも売上が伸長。同ジャンルの対前年増は2004年の調査開始以来初となった。

「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」ジャンル別セールス
【メーカー別シェア】

エイベックス・グループ・ホールディングスは空前のブームとなった『アナと雪の女王』のサウンドトラックをはじめ、安室奈美恵『Ballada』、EXILE TRIBE『EXILE TRIBE REVOLUTION』といったヒット作が3年連続のトップ維持に貢献。1位から3位は昨年と同じ顔触れとなった。その他では、ジェイ・ストームが前年の6位から4位に浮上、嵐という大黒柱に関ジャニ∞も加わったことで売上規模が1.5倍に拡大したことが要因と考えられる。同様にランティスも売上規模が1.4倍となる73.9億円を売り上げ前年14位から9位に浮上。アニメも2期分が放映されたことで人気が拡大している『ラブライブ!』関連のオーディオ、音楽映像商品の好調な売上が要因とみられる。

「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」メーカー別セールス
【ジャンル別シェア】

アーティスト別売上は前年に続き嵐が1位を獲得した(138.2億円)。2014年全アーティスト中唯一、シングル、アルバム、音楽DVD、音楽Blu-ray Discの全4部門において総売上額でTOP3入りと、安定した売上を記録。2009年・2010年・2013年に続く通算4度目の1位は中森明菜に並ぶ歴代最多記録となった。嵐に続くのがAKB48。シングル売上での年間売上は75.5億円と圧倒的な強さを見せたことで音楽ソフト全体でも前年に続き2位を堅守した。総売上額も130.8億円を誇り嵐とともに他アーティストの追従を許さない状況が依然として続いている。

「2014年年間音楽ソフトマーケットレポート」アーティスト別シェア
<オリコンランキング・データ>
音楽・映像ソフトを販売している全国32,000店の調査協力店(CDショップ、レンタルや書籍などを扱う複合店、家電量販店、コンビニエンスストア、ジャンル専門店、インターネット通販)の店頭、イベント会場等での販売実績をもとに、全国の週間推定売上枚数を算出。

オリコン調べ(oricon.co.jp

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