東京地裁、音楽ファイル不正アップローダーに約500万円の支払命令

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7月5日、東京地方裁判所は、ファイル共有ソフトWinMXを悪用して著作権侵害を行っていたアップローダー(大阪市在住の40歳代の男性、以下被告)に対し損害賠償請求の支払いを求めた日本レコード協会会員レコード会社4社(以下、原告)の訴えについて、原告の請求どおり被告に対し総額5,381,280円の損害賠償金および遅延損害金の支払いを命じる判決が下された。

本件訴訟は、被告が2008年11月から2009年3月の4ヵ月の間、権利者の許諾無く約150もの大量の音楽ファイル等をアップロードして著作権侵害を行っていたため、原告代理人弁護士が再発防止と損害賠償の協議を行うため、被告に対し再三呼び出しを行ったにもかかわらず、被告が明確な理由なく協議に応じなかったため、民事訴訟を提起していたもの。

なお、日本レコード協会会員レコード会社は、上記被告以外にファイル共有ソフトを悪用して音楽ファイルを権利者に無断で公開していた不正アップローダー18名との間で今後著作権侵害を行わない旨の誓約書の提出と損害賠償金の支払いにより和解を成立させている。

■訴訟に関する経緯

  • 2009年3月
    WinMXを悪用して音楽ファイルなどをアップロードしていたアップローダー4名について、プロバイダ2社に対し発信者情報開示請求を行う。
  • 2009年4月
    プロバイダからアップローダー2名の住所・氏名等の情報開示を受け、代理人弁護士を通じ今後著作権侵害を行わない旨の誓約書の提出と損害賠償金の支払いについて協議し8月に和解が成立。
  • 2009年8月
    プロバイダからアップローダー2名の住所・氏名等の情報開示を受け、被告を除く1名との間で11月に同様の和解が成立。
  • 2009年10月
    被告に対し協議のための面談申し入れ文書を郵送するも返答なし。
  • 2009年11月
    被告に対し再度同様の文書を郵送するも返答なし。
  • 2010年 1月
    再度被告に対しEメールで連絡したところ、著作権侵害行為を行ったことを認めたものの代理人弁護士からの面談申し入れを理由なく拒否。 ※その後数回Eメールで連絡するも返信なし。
  • 2010年4月14日
    レコード会社4社が東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起。
  • 2010年7月5日
    東京地裁が原告の主張を全面的に認める判決を下す(8/5判決確定)。

 


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