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12年ぶりのBUMP OF CHICKEN、Creepy Nuts、Suchmosらが共鳴『RADIO CRAZY 2025』DAY1レポート

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『FM802 RADIO CRAZY 2025』

『FM802 RADIO CRAZY 2025』

『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』2025.12.26(FRI)インテックス大阪

大阪のラジオ局・FM802が主催する関西最大級のロックフェス『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』(以下、『レディクレ』)が、12月26日(金)〜29日(月)の4日間にわたり大阪・インテックス大阪にて開催された。

2025年は大阪・関西万博が開催され、大阪全体が盛り上がりを見せた1年。『レディクレ』も「EXPOイヤーの総決算」と題し、勢いをそのままにミャクミャクとのコラボグッズや、2025年を象徴するオープニングムービー等でイベントを活気づけた。4つのステージに加え、境内ステージにストリートライブの新企画『レディ天』も加わり、総勢100組を超えるアーティストが出演。SPICEでは、音楽を愛する人々が待ち望んだ初日のライブをピックアップしてレポート!

WHOLE9が制作した『レディクレ』名物巨大バナー

WHOLE9が制作した『レディクレ』名物巨大バナー

会場の入り口で来場者を出迎えるのは、13×10mの巨大バナー。大阪を拠点に活動するアートユニット・WHOLE9が制作を担当しており、毎年描かれてきた干支がついに一周した。

スカイプラザでは、バンド史上最大規模の自身初となる2大ドーム・ツアー開催決定を祝して、関西で活躍するアーティストたちがSUPER BEAVERをテーマにライブペイントを実施。音楽とアートが互いに彩り合う祝祭に。

アーティストたちによるライブペインティングの様子

アーティストたちによるライブペインティングの様子

そして恒例の書き納めやフォトスポット、全国から自慢のグルメが集うフード出店に加え、公式アプリのこたつエリア抽選、クロークやグッズ、安全に観覧できるKind AREAの予約など、来場者がより快適に楽しめるシステムも充実。

音波神社 境内STAGE

音波神社 境内STAGE

アーティストや来場者による思い思いの「書き納め」

アーティストや来場者による思い思いの「書き納め」

ライブ以外のイベント企画では、2024年に引き続き『RADIO CRAZY 2025 新日本プロレス スペシャルマッチ』が開催され、FM802でDJも務める高橋ヒロム選手が参戦し、大迫力の試合で会場を沸かせた。

『RADIO CRAZY 2025 新日本プロレス スペシャルマッチ』 撮影=キョートタナカ

『RADIO CRAZY 2025 新日本プロレス スペシャルマッチ』 撮影=キョートタナカ

2025年は新企画『レディ天』も登場。ストリートライブ形式の企画で、初日は大阪・北摂発のスリーピースバンド・Re:nameが青空の下で歌声を響かせた。

ストリートライブ企画『レディ天』Re:name 撮影=一守香穂

ストリートライブ企画『レディ天』Re:name 撮影=一守香穂

さらに境内ステージでは『RADIO∞INFINITY』の公開収録にTRACK15が参加。彼らの楽曲「ダーリン」と百人一首をテーマにした大荒れ(?)トークに観客は大笑い。高校時代の友達である高橋凜(Ba)とDJ・ハタノユウスケの共演が微笑ましかった。

『RADIO∞INFINITY』(DJ:ハタノユウスケ、ゲスト:TRACK15) 撮影=桃子

『RADIO∞INFINITY』(DJ:ハタノユウスケ、ゲスト:TRACK15) 撮影=桃子

また、こたつサテライトスタジオではコレサワ、OKAMOTO’Sが初日の公開収録にゲストとして登場。コレサワは『EVENING TAP』で「コレサワクリニック 恋のお悩み解決してクレイジー編」と題し、DJ・田中乃絵とリスナーから届いた恋の悩みを一緒に解決。『レディクレ』皆勤賞のOKAMOTO’Sは、DJ・樋口大喜とボケ・ツッコミの掛け合いで会場を笑わせた。

『EVENING TAP』( DJ:田中乃絵、ゲスト:コレサワ) 撮影=浜村晴奈

『EVENING TAP』( DJ:田中乃絵、ゲスト:コレサワ) 撮影=浜村晴奈

『FUNKY COUNTDOWN 25-26 -RUN! RUN! RUN!-』(DJ:樋口大喜、ゲスト:OKAMOTO’S) 撮影=冨永倖成

『FUNKY COUNTDOWN 25-26 -RUN! RUN! RUN!-』(DJ:樋口大喜、ゲスト:OKAMOTO’S) 撮影=冨永倖成


今年の『レディクレ』は大阪・関西万博を記念して「EXPOイヤーの総決算」として開催されたこともあり、各出演者の出番前にビジョンで流れたムービーでは、2025年話題になったネタやミームをクレイジーマンがパロディしつつさらう内容になっていて興味を引いた。

【シンガーズハイ】L-STAGE

シンガーズハイ 撮影=ハヤシマコ

シンガーズハイ 撮影=ハヤシマコ

L-STAGEのトップバッターを担ったのは、昨年LIVE HOUSE Antennaに初登場したシンガーズハイ。内山ショート(Vo.Gt)が両手を掲げて<あなたのことを教えてほしい>と歌い出すと、ほりたいが(Gt)、りゅーいち(Dr)、サポートの辻怜次(Ba)がジョイン、一気に音圧を増して「ニタリ」へとなだれ込んだ。4人から繰り出される鮮烈で重厚なバンドアンサンブルが、激しく動く照明と混ざり合う。2025年夏にメンバーの脱退を経験して新体制となった彼らは、勢いを緩めることなく走り続け、2026年11月に初の武道館公演を行うことを発表した。

MCで内山は、音楽には色んな出会い方や戦い方があるがゆえに、1つ1つの繋がりが消えてしまうことを危惧していると話す。「それを繋ぎ止めてくれてるのがフェスの場。だからこそ、今日1つでも新しい出会いがあったら外に発信してみてほしい。俺らのことはついででいいです。嫌でも言わせるくらいのことをやっていくので」と頼もしい発言。そして「おい起きろよ! 寝ぼけてんじゃねえぞ『RADIO CRAZY』!」と煽って「サンバースト」「Kid」「延長戦」「ノールス」と怒涛の展開でさらに熱を引き上げた。

ラストは「愛を歌うことに意味があるんだよ!」と「愛の屍」で渾身のライブを終えた。個々の存在感もスキルも魅せ方も進化し、劇的な瞬間を何度も生み出した、堂々たる40分。シンガーズハイはまだまだ大きくなる。今後の彼らが楽しみで仕方ない。

取材・文=久保田瑛理

【WurtS】Z-STAGE 

WurtS 撮影=渡邉一生

WurtS 撮影=渡邉一生

Z-STAGEの2番手を担ったWurtSは、2022年の初出演以来、4年連続で『レディクレ』にオンステージ。青白いライトに染められた6号館へドカンと3発で狼煙を上げ、指揮者さながらに腕を振り下げると、アンニュイさを宿したWurtSの歌声がするりと伸びていく。

1曲目の「MOONRAKER」に続いた「オブリビエイト」も、「『RADIO CRAZY』準備は良いですか!」とアジテートした「NOISE」も基盤とするビートパターンは類似しているのだが、そこにはDTMや電子的な性格から出発した彼が、一夜限りの感応を追求するバンドサウンドに魅了され、双方をミキシングするようになっていった過程が投影されているはず。そして、その進化の過程でも不動の思いとして鳴っていたのが、「歌って、踊って、楽しんでいきましょう」という言葉に、ギターのディレイが前景化する中で放たれた「Talking Box (Dirty Pop Remix)」の<Dance with me>という1節に象徴される、踊りへの探究心だろう。

だからこそ、『レディクレ』に集ったファンは、上下するレーザーに合わせて飛び跳ね、重低音に乗せて体を揺らすわけであり、「最大限、WurtSの楽しいステージを見せます」なんて言葉も見事に結実していくのである。「年末スペシャルができたらと思ってます」と、にしなと共にプレゼントした「サンタガール feat. にしな」に至るまで、響き渡った全10曲は、WurtSの存在がこの祝祭に欠かせないものだと告げていた。

にしな 撮影=渡邉一生

にしな 撮影=渡邉一生

取材・文=横堀つばさ

【OKAMOTO’S】R-STAGE

OKAMOTO'S 撮影=田浦ボン

OKAMOTO’S 撮影=田浦ボン

リハでSuchmosの「STAY TUNE」をカバー(『レディクレ』のYouTubeインタビューでの伏線を回収!)して早々にフロアを盛り上げていたのは『レディクレ』皆勤賞のOKAMOTO’S。そのままの勢いで1曲目の「Dance With You」からすさまじい一体感を巻き起こす。続けてオカモトコウキ(Gt)のリフが火を吹いた「History」をドロップ。オカモトショウ(Vo)は力強く、舞うようにステップを踏む。2024年にデビュー15周年を迎えたOKAMOTO’S。ショウは「出会いに感謝してこの曲を送ります!」と「ありがとう」をストレートに響かせた。

「もしバンドができなくなっても、最後のライブがあれなら後悔しないぜと思えるようなライブしかしないと決めて、その全てをここに持ってきました」と真剣な眼差しで述べ、想いと決意を込めた新曲「今ここで」をプレイ。さらに初年度の『レディクレ』出演時にも演奏した「マダラ」で、15年分のキャリアと実力を見せつけた。コウキの渾身のギター、ハマ・オカモト(Ba)とオカモトレイジ(Dr)の推進力、そしてショウの存在感抜群のボーカル。圧巻の長尺セッションを全身で躍動する。そこから「BROTHER」をブチ込み、彼らのテーマソングと言える「90’S TOKYO BOYS」で締め括った。最後にショウは、長くサポートを続けてきたブライアン新世界(Key)も含めたメンバー紹介をして「俺たちがOKAMOTO’Sだー!」と叫び、誇らしげに笑顔を浮かべた。貫禄たっぷり、最高のロックンロールライブで『レディクレ』に金字塔を打ち立てたのだった。

取材・文=久保田瑛理

【Chevon】L-STAGE 

Chevon 撮影=ハヤシマコ

Chevon 撮影=ハヤシマコ

「来春メジャーデビューする我々、Chevon。ここにインディーズの全てを置いて帰ります!」。谷絹茉優(Vo)からこんな台詞も飛び出したChevonのライブは、そのステートメント通り、2023年から3年連続での出場となった『レディクレ』との交わりを総括するものとなった。

その証拠に、知ってか知らずか「大行侵」から「Banquet」、「冥冥」を束ねた冒頭の流れは、昨年と同じ。とはいえ、その演奏はもはや別物と言っても過言ではなく、Ktjm(Gt)が唸らせるチョーキングの鋭利さや、四分音符でグングンと火をくべるオオノタツヤ(Ba)のプレイング、ファルセットの微細な振動と中高音域の大きなこぶしをスイッチする谷絹の歌唱も、より強固に、より暴力的に脱皮している。その進化がどんな影響をもたらしたのかは、言わずもがなメジャーデビューという新たな地平が、フロアをひっくり返す勢いで巻き起こるチャントが物語っているだろう。

一方、「声出せ! とか、踊れ! とか言うけれど、心の中でも良いからな」というMCに、オーディエンスに背を向け、先導者としてではなく、代弁者として流れていく季節と君の幻影を掴もうとした「サクラループ」に代表される、その優しさは健在だ。新曲「FLASH BACK!!!!!!!!」から「ダンス・デカダンス」でゴールテープを切った3人。「あぁ、楽しかった!」と颯爽とステージを降りたその背中や、潔し!

取材・文=横堀つばさ

【Fear, and Loathing in Las Vegas】L-STAGE 

Fear, and Loathing in Las Vegas 撮影=ハヤシマコ

Fear, and Loathing in Las Vegas 撮影=ハヤシマコ

『レディクレ』へ8年ぶりにやってきたFear, and Loathing in Las Vegasは、「遊ぼうぜー!」というSo(Vo)の口火から「Return to Zero」をオープニングに選曲。ドスの効いたMinami(Vo.Key)のスクリームと甲高いSoのシャウトという対照的な質感を含んだ2人のボーカリゼーションが混ざり合う中、真顔で一心不乱に踊り狂うメンバーの姿はなかなかにシュールなわけだけれど、これぞ彼らのお家芸と言えよう。

8ビットのゲームサウンドさえ脳裏を掠めるほどにピロピロと鳴るキーボードが牽引する「Let Me Hear」で生じたモンキーダンスだって、「恥ずかしがるなよ! 踊れば絶対楽しいから」とカオスな舞踏会へ招待した「Virtue and Vice」のたけのこニョッキみたいな気の抜けた踊りだって、そこには意表を突かれる展開が詰まっている。と同時に、重量級のサウンドメイクと楽観的な佇まいが作り出すアンバランスな感覚も面白いポイントだ。

「今日のラインナップの中で、1番頭を使わずに楽しめるんで!」と自らを位置づけた通り、濃厚こってりなパーティー感で理性を超越した情動へ訴えかけたFear, and Loathing in Las Vegas。このタイミングでの『レディクレ』出演は決して棚からぼたもちではなく、自身が主催するイベント『MEGAVEGAS』を筆頭に、神戸と関西を沸かしてきた先で、再び道が交わったことを指し示していた。

取材・文=横堀つばさ

【年忘れ!! レディクレSP 第1夜「レディクレゆく年くる年」】LIVE HOUSE Antenna  -BEYOND ZERO Garage-

寺中友将・巨匠(Vo.Gt/KEYTALK)、小野武正(Vo.Gt/KEYTALK、Alaska Jam) 撮影=松本いづみ

寺中友将・巨匠(Vo.Gt/KEYTALK)、小野武正(Vo.Gt/KEYTALK、Alaska Jam) 撮影=松本いづみ

LIVE HOUSE Antenna  -BEYOND ZERO Garage-では、『年忘れ!! レディクレSP 第1夜「レディクレゆく年くる年」』に小野武正(Vo.Gt/KEYTALK、Alaska Jam)と寺中友将・巨匠(Vo.Gt/KEYTALK)が登場。ビールとアコギを手にゆる〜くサウンドチェックを始めた2人は、本番まで他愛もないトークでフロアを楽しませる。そして迎えた本番。どっちが早くビールを空けるかで先攻・後攻を決めると、先攻の小野は「『RADIO CRAZY』に向けてオリジナル曲を作りました」と書き下ろしの新曲「レディクレ」を披露。<『RADIO CRAZY』年の瀬ステージ 抱えたダメージは音楽で維持>とライミングが気持ち良い1曲だ。曲中、いきなりの「セイ!」にもしっかり応えた観客とコール&レスポンスでひとつになる。

後攻の寺中は、KEYTALKが活動休止して1年間「ソロで弾き語りライブを約60本してきた。その中で身についた弾き語り技術を披露したい」としつつ、カラオケの「MONSTER DANCE」をハンドマイクで熱唱。「これが俺の弾き語りじゃい!」と主張する寺中の歌声に合わせて観客は手を左右に振る。小野はいつの間にかフロアに降りてブレイクダンス! オーディエンスは大喜びで小野を取り囲み、和気藹々と盛り上げた。

後半はKEYTALKの楽曲を2人で演奏。「DROP2」に続いては、寺中が小野の結婚式でも披露したという「Oh!En!Ka!」で美声を響かせる。ラストは「忘年会の空気を作れたら」とアンセム「MATSURI BAYASHI」をツインボーカルでパワフルに歌い上げた。長年の友人である2人の明るい空気感が伝わる良い時間だった。

取材・文=久保田瑛理

【BIGMAMA】R-STAGE 

BIGMAMA 撮影=田浦ボン

BIGMAMA 撮影=田浦ボン

FM802が“リスナーの聴きたい”をテーマに組んだセットリストを披露してくれた2024年から1年。R-STAGEの5番手・BIGMAMAは、今年もスペシャルなライブを繰り広げた。

粛々と鳴り始めたギターが次第に煌めきを放ち、<Sunny day is sunny day>のラインを代弁するような虹を出現させた序曲「MUTOPIA」然り、「もっと自由に!」とモヤモヤ知らずのユートピアへ到達せんとする「美術 | ESORA」然り、シンフォニックな音像とパンキッシュなビートが織りなす楽曲たちも当然鮮烈だったが、斎藤宏介(Vo.Gt/UNISON SQUARE GARDEN、TenTwenty)と三原健司(Vo.Gt/フレデリック)を呼び込んだ後半戦は更なる破壊力を発揮。

「Sweet Dreams」の<Good dream><死ぬまで覚めない夢を見よう>というリリックが全員で演奏された事実は、「それでは新世界へご案内します」とドロップした「荒狂曲“シンセカイ”」で目指した理想郷も、ベートヴェン『交響曲第9番』の引用が年末らしい空気感を醸し出した「No.9」で歌い上げた愛する未来も、1人じゃ辿り着けないと断言しているようだ。2026年にデビュー20周年を迎えるBIGMAMAは、彼らの軌跡が君とライバルと共にあったことを一足早くこのお祭りで伝えたのである。

BIGMAMA feat. 斎藤宏介(Vo.Gt/UNISON SQUARE GARDEN、TenTwenty)、三原健司(Vo.Gt/フレデリック) 撮影=田浦ボン

BIGMAMA feat. 斎藤宏介(Vo.Gt/UNISON SQUARE GARDEN、TenTwenty)、三原健司(Vo.Gt/フレデリック) 撮影=田浦ボン

取材・文=横堀つばさ

【MAN WITH A MISSION】Z-STAGE 

MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ

MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ

ライブ終盤、2025年の感謝を添えて投下した「Against the Kings and Gods」が、ひときわディープに客席へと浸透していったこと。それは、Z-STAGEの第5ランナーであるMAN WITH A MISSIONの1年が、確かに実りあるものだったと裏付けていたように思う。

25年8月に結成15周年を祝してサプライズ発表された同ナンバーは、Jean-Ken Johnny(Gt.Vo.Raps)が「サウンド面デモリリックニオイテモアマリバンドヤ自分デ試ミタコトノナイテイストノ楽曲ヲ創リタイト思ッタ」とコメントを寄せているように、乱高下する旋律にも目まぐるしいスピードにも依存せず、その貫禄で以て広大な荒野を開拓していくがごとき作品であり、ポピュラリティと即効性が要求されるフェスの舞台にはややもすると神聖すぎるリスクも孕んでいたのではないか。にもかかわらず、5匹はこの難題に一発で回答してみせたのである。脱帽だ。

そして、そうしたスケール感の深化は、硬派なベースの粒や六弦を大きくしならせて響かせるリフが<I will take you>の1行を実現しきった「When My Devil Rises」や、「大阪、ソンナモンカイ!」と煽った「FLY AGAIN」にも落とし込まれているもの。一転、会場を和に染め上げた最終曲「絆ノ奇跡」の思いきりの良さも含め、2026年の狼たちは凄まじいことになるに違いない。

MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ

MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ

取材・文=横堀つばさ

【Suchmos】Z-STAGE

Suchmos 撮影=渡邉一生

Suchmos 撮影=渡邉一生

2025年6月に横浜アリーナで復活ライブを行ったSuchmosが、7年ぶりに『レディクレ』に戻ってきた。大阪でのイベントやフェスの出演は復帰後この日が初となり、ゆえに注目度は高く、Z-STAGEは超満員。

HSUの旧友の山本連(Ba)をサポートに迎え、SEなしでステージに現れたYONCE(Vo)、TAIKING(Gt)、TAIHEI(Pf)、Kaiki Ohara(DJ)、OK(Dr)に割れんばかりの拍手と歓声が贈られる。TAIHEIが優しく鍵盤を鳴らし、YONCEが「『RADIO CRAZY』揺れよう〜♪」と口ずさみ、「Pacific」を大人っぽいアレンジでゆらゆらと歌い届けてゆく。「Suchmosです、どうぞよろしく」と一言挨拶し、最新EP「Sunburst」にも収録された新曲「Eye to Eye」を演奏。

大切なメンバーを失い、2021年2月より活動を休止していた「修行期間」も、メンバーはそれぞれのフィールドで音楽を鳴らし続けてきた。そこで築いたものが結実し、音楽として昇華される様は、まるで巨大な生命体がうごめいているようだった。オーディエンスは音に身を任せつつも、その様子をじっと見守る。

ベースラインがグルーヴィに鳴り響いた「DUMBO」で勢いを増し、YONCEの深化したボーカル力を改めて認識した「FRUITS」では、その気迫に圧倒される。そして代表曲「STAY TUNE」をプレイし、続く「808」ではサポートの山本の名前を連呼する場面も。音楽を愛し、自由自在に表現する。YONCEは「関西の皆さん、また」と短く挨拶して「VOLT-AGE」で壮大にフィニッシュ。音の洪水に酔いしれ、しばし余韻で動けなくなった。Suchmosはやっぱりめちゃくちゃカッコ良いバンドだ。

Suchmos 撮影=渡邉一生

Suchmos 撮影=渡邉一生

取材・文=久保田瑛理

【ハルカミライ】R-STAGE 

ハルカミライ 撮影=田浦ボン

ハルカミライ 撮影=田浦ボン

ハルカミライを見ると、いつも悔しくなる。でも、それは決してネガティブではなく、頭を掻きながら「いやぁ、やられたな」なんて笑いたくなる感覚に近い。というのも、彼らのセットリスト(特にスタートダッシュ)は定まりきっていると言っても過言ではなく、『レディクレ』に集う音楽ジャンキーたちには知れ渡ったものでもあるはずだから。にもかかわらず、4人のパフォーマンスは、定番のテの字も、馴染みのナの字もありゃしない。

そこに存在しているのは、「全部我が物顔で構わないんだ。お前のための音楽だぞ!」と投入した「春のテーマ」に滲む、履き潰したスニーカーで踏みしめた場所こそがど真ん中だと言い切る讃美であり、「ウルトラマリン」や「パレード」から顔を出すリリシズムであり、「声が耳に届く。手が手に届く。いくつになっても、そんなロックに未来を感じるぜ」という語りから受け取れる、ロックバンドを通じたやり取りに対する誠実な姿勢である。

愛する人に「おかえり」というような声で歌い上げた「世界を終わらせて」を経て、急遽追加したラストナンバーは「これさえあればいい」。派手な照明もない。ステージとフロアの境界線を飛び回るわけでもない。ただアコースティックギター1本で届けられた<ダサくて美しい日を てくてく歩いて行こう>の1行は、ハルカミライの本心と信念そのものに思えて仕方なかった。

取材・文=横堀つばさ

【Creepy Nuts】L-STAGE

撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

雑踏の音が広がった。幕が上がるや否や、自身のホームでもあるストリートへとL-STAGEを変身させたのが、『RADIO CRAZY 2025』1日目のL-STAGEのトリを託されたCreepy Nutsだ。

5つ打ちのトラックとリンクして点滅する真っ赤なレーザー、DJ松永のノイジーなスクラッチ、ダミ声に類するフィールを湛えつつ、ヒュッと音階をひっくり返してフックを生み出すR-指定のフロウ。それら全てを掻き混ぜながら、「ビリケン」や「よふかしのうた」、「堕天」と無数のキラーチューンが連打されていくのだが、これらのバックグラウンドには、「みんなが感じた通りに反応して良いし、どこで歌ってもかまへん。その分、俺がでっかい声でラップしたるから」と言い放った声明や、懇親のDJプレイを扇動した「相方に注目してくれ!」の一言、<マジで? コレおま…全部生身で?>(「Bling-Bang-Bang-Born」)なんて2人にそのままリフレクトしそうなリリックからも克明に確認できる、互いに挑発を繰り返すことで未踏の領域へ進行しようとしている彼らの姿勢が横たわっている。

「大阪が世界で1番盛り上がっていることを、見せてやろうじゃないか」と始まった『ミュージックステーション SUPER LIVE 2025』との中継で「doppelganger」「オトノケ」を披露すると、「生き抜いたことを祝うためにお祭りがある。2025年最後、2026年に向けて。ここに集まった皆さんに、のびしろがありますように」と「のびしろ」でピリオドを。躓いたことや、分かっているのに頑張りきれなかった罪悪感ともオーバーラップする。途切れ途切れに、しかし確かに前進していくビートに乗せて、大合唱される<俺らまだのびしろしかないわ>の最終ライン。それは、来たる来年で花を咲かせるための合言葉だった。

取材・文=横堀つばさ

【BUMP OF CHICKEN】Z-STAGE

BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota

BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota

BUMP OF CHICKENが『レディクレ』にカムバックするのは、2013年以来実に12年ぶり。20時、遂に待ち望んだ時がやってきた。暗転した会場に煌めくサウンドが降り注ぎ、ビジョンには地表の映像が映し出される。「アカシア」で藤原基央(Vo.Gt)の歌声が聴こえた瞬間、思わず鳥肌が立った。藤原、増川弘明(Gt)、直井由文(Ba)、升秀夫(Dr)の4人が奏でるアンサンブルが目の前で鳴っている。そんなシンプルな喜びに震えていると、藤原が「1日楽しかったかい? 俺たちとも遊ぼうぜ!」と嬉しそうに微笑んだ。映像は星空へと変わり、レーザー演出も印象的な「Hello,world!」をロックにキメる。

撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

藤原は満員のフロアを気遣いつつ「最後まで残ってくれていたあなたを目の当たりにすると、大阪に来て良かったと心から実感しております」と想いを伝える。生き生きと放たれた「SOUVENIR」と「クロノスタシス」でメンバーはステージを動き回り、観客との距離を近付けた。

撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

12年ぶりの出演に「そんなに経ったかとビックリしております。でも全く久しぶりな気はしておりません」と藤原。「僕がどんな音を鳴らしても、どんな声を出しても、君が大切に受け止めてくれるからであります。そうでしょう?」と話し、「strawberry」、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』のエンディングテーマで最新曲の「I」を丁寧に紡いでゆく。ラスト2曲はBUMPと人生を歩んできた人の記憶の奥底をくすぐった「車輪の唄」と「天体観測」。溢れる感情を噛み締めながら、目の前の景色を取りこぼさないように焼き付けた。

撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

アンコールで藤原は「最後まで残ってくれてほんとありがとう。フェスっていいですね。たくさんのカッコ良い人たちのバトンを受け取って今ここに立っているような気分です」と一日を眼差し、高らかに「ray」を演奏した。空間そのものが光と化し、それぞれの心にサウンドスケープが描かれてゆく。「さあせっかく会えたんだ! 君の声を聴かせてくれ!」という言葉からのシンガロングは本当に美しかった。

撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

最後に「君がたくさんの状況を乗り越えて、アーティストの前に立って、その音楽を受け止めてくれたこと、全てのアーティストの力に変わったはず。俺たちもそうです」と言う藤原に促され、各々が自分自身に贈った拍手は宝石だ。どこまでも優しく歩み寄った4人は、晴れやかな顔でステージを後にした。またBUMP OF CHICKENが『レディクレ』に戻ってきてくれる日を心待ちにしている。

BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota

BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota

取材・文=久保田瑛理

写真提供=FM802


こうして『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』の初日が終幕。2月11日(水祝)、14日(土)、15日(日)には、『レディクレ』のライブ音源のみでお届けする SP番組がFM802でオンエアされるので要チェックだ。


2日目のレポートはこちら
>>「またここで会いましょう」サカナクション、802 Family Session、ユニゾン田淵智也の生誕40周年ライブなど豪華集結『RADIO CRAZY 2025』DAY2レポート

3日目のレポートはこちら
>>Vaundy、SUPER BEAVER、スキマスイッチ、[Alexandros]らとロック大忘年会『RADIO CRAZY 2025』DAY3レポート

最終日のレポートはこちら
​>>FM802が鳴らした4日間の終着点、サンボ、ELLEGARDEN、SHISHAMOまで想いを繋いだ『RADIO CRAZY 2025』DAY4レポート


次のページでは、PHOTO REPORT掲載!

掲載しきれなかったアーティストのライブ写真やソロカットを一挙に公開!

 

『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』PHOTO REPORT

【シンガーズハイ】L-STAGE

撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

【WurtS】Z-STAGE 

撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
WurtS feat.にしな 撮影=渡邉一生

WurtS feat.にしな 撮影=渡邉一生

【OKAMOTO’S】R-STAGE

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

【Chevon】L-STAGE 

撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 

 

 

【Fear, and Loathing in Las Vegas】L-STAGE 

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

【年忘れ!! レディクレSP 第1夜「レディクレゆく年くる年」】LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-

撮影=松本いづみ

撮影=松本いづみ

 
撮影=松本いづみ

撮影=松本いづみ

 
撮影=松本いづみ

撮影=松本いづみ

【BIGMAMA】R-STAGE 

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

【MAN WITH A MISSION】Z-STAGE 

撮影=キョートタナカ

撮影=キョートタナカ

 
撮影=キョートタナカ

撮影=キョートタナカ

 
撮影=キョートタナカ

撮影=キョートタナカ

 
撮影=キョートタナカ

撮影=キョートタナカ

 
撮影=キョートタナカ

撮影=キョートタナカ

【Suchmos】Z-STAGE

撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

 
撮影=渡邉一生

撮影=渡邉一生

【ハルカミライ】R-STAGE 

撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

 
撮影=田浦ボン

撮影=田浦ボン

【Creepy Nuts】L-STAGE

撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

 
Creepy Nuts 撮影=ハヤシマコ

Creepy Nuts 撮影=ハヤシマコ

 
撮影=ハヤシマコ

撮影=ハヤシマコ

【BUMP OF CHICKEN】Z-STAGE

撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

 
撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

 
撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

 
撮影=Yoshiharu Ota

撮影=Yoshiharu Ota

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Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り

「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。

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プレイリスト概要:

記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち

月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!

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@musicman_nusicman