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yonige、w.o.d.ら出演 『DECEMBER’S CHILDREN』のオフィシャルレポートが到着

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yonige

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ライブイベント『DECEMBER’S CHILDREN』が、2025年12月17日(水)に東京・恵比寿 LIQUIDROOMにて開催された。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。


2025年12月17日(水)東京・恵比寿 LIQUIDROOMにて、音楽事務所ムーヴィング・オンが主催する年末恒例のライブイベント『DECEMBER’S CHILDREN』が開催された。ニューカマーを招きながらジャンルの壁を飛び越え、一夜限りのケミストリーを生み出すべく2012年にスタートした同イベント。iVyとPEDRO、w.o.d.、yonigeの4組に、オープニングアクトを務めたRons weekを加えた全5組が出演した今回は、2025年を締めくくり、それぞれの現在地を確認するようなライブが繰り広げられた。

◼︎Rons week
オープニングアクトとして登場したのは、2020年7月に結成された2人組ユニット・Rons week。開幕の号砲として鳴らされた「Buddy」から、アンニュイな質感を携えたHonamiの歌唱と、ミドルハイの親しみやすさが特徴的なMasamiの歌声が共鳴し合っていく。

柔らかなクラップが会場を満たす中、最後に披露された「Stay with me」の〈Stay with me now〉という1ラインは、共に今宵を至極のものにしていくための約束であり、おまじないみたいな響きを備えていた。

Rons week

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Rons week

Rons week

Rons week

Rons week

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◼︎iVy 
一軒家の輪郭をなぞるように配されたライトがふわりと光る中、「ホワイト・リバー・ジャンクション」でiVyのアクトが幕を上げた。タフで存在感を放つようになったfuki(Gt,Vo)の歌声は即座に会場へ染み渡っていくのだが、やはりiVyをiVyたらしめているのは、吐き出したロングトーンをひと息で回収するみたいな唱法や数行のポエトリーリーディングを筆頭とする、悲劇をその声に抱え込んだ歌唱なのだろう。そして、そんなボーカリゼーションは〈君の声も指も嘘も足も歌も いらない〉なんてリリックと連動しながら、今にも終わってしまいそうな世紀末を描き出していくのだ。

であるならば、バグさながらにウォンウォンとハウリングが唸ったのち、クラシカルなメロディが流れた「any n○ise」や、エンディングを彩った「kirakirakiller」は、そんな世界で踊り明かすpupu(Key,Vo)とfukiの姿を表しているよう。共依存的な関係に脳内でアラートを鳴らし続けたり、脱意味的な歌詞世界で〈今日は NEONしたい!〉と明朗快活に伝えてみたりする2人は、我々に「ねぇ遊ぼうよ」と問いかけるようだった。

iVy

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◼︎PEDRO 
「PEDROです。よろしくどうぞ!」と元気いっぱいに走り出したPEDROは、〈ありのままの僕で叫び続けるよ もう君が悲しみに暮れないでいいように〉と現在の命題を歌い上げる「1999」でキックオフ。冒頭のパートで自虐を積み上げていくアユニ・D(Ba,Vo)は、決して自分の無力さに絶望しているわけではなく、どこか晴れ晴れとした表情を浮かべており、なさけなさもだらしなさもを受け入れる決意を固めたことが窺える。それは続く「ZAWAMEKI IN MY HEART」で放られた「くだばるまで とことん生きてみようよ!」という絶叫からも、取り憑かれたみたいに頭を掻きむしりながら届けた「清く、正しく」の〈私は私を調えたい〉という決心からも明白。

2025年を振り返ったのち「拝啓、僕へ」をドロップしたことからも読み解けるように、彼らにとって初期衝動を詰め込み直したEP『ちっぽけな夜明け』の存在は大きかったのだろう。とことん生きる。完全無欠のヒーローである必要なんて気づいた彼らのステージは、この一言を具現化していたのだ。

PEDRO

PEDRO

PEDRO

PEDRO

PEDRO

PEDRO

PEDRO

PEDRO

◼︎w.o.d. 
4番手・w.o.d.がこの日改めて見せつけたのは、2024年10月にドロップしたメジャー1stアルバム以降顕著である音楽性の拡大と深化であった。

「格好良いギターから始めます」とプレイした「STARS」や「1994」を筆頭に、凶暴なリズム隊と土煙を巻き上げるギター、ロマンチシズムを垂らした歌詞が三位一体となって次から次に飛来する最中、彼らはオープニングナンバーに「TOKYO CALLING」を、ラストに「My Generetion」を配置。グリッチノイズにも似た電子音がぐにゃりと視界を回転させ、5つ打ちからビートが変容していく前者も、繰り返される〈Ok Alright now〉で最終行へブーストしていく後者も、ストイックで無骨なロックバンド像をビビッドに刷新していく。これでもかと飛び跳ねるフロアを染め上げていた虹色のライト。それは彼らがフィルム写真のようなセピアカラーやモノトーンに留まらないバンドへ、脱皮を続けていると裏付けていたのである。

w.o.d.

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◼︎yonige 
「LIQUIDROOMいけますか!」と軽やかに誘った「Super Express」から「アボカド」を連ねたライブ冒頭で、良い47都道府県ツアーを回ってきたのだと思い知らされた。誤解を恐れずに記せば、決してyonigeはエネルギーを外へと放射していくバンドではなかったし、「アボカド」が形成したパブリックイメージから逃れたがっていたように思う。しかし、現在の彼らは至極当然のことして観客をアジテーションし、「愛しあって」が生まれ落ちるまで封印されていたラブソングたちを躊躇いなしにやってのけている。この変化の背景には、2024年1月に世へ放ったアルバム『Empire』があり、先日終えたばかりのドサ回りがあり、これまで以上にライブを重ねていく中で自然と発生していった4人の連帯感が横たわっているのだろう。

「1週間早いけれど、クリスマスソングを」と投下した「メリークリスマスイヴ」は、ツリーを片付ける時の名残惜しさや散らかった包装紙を眺める祭りの後の喪失感に目を向け、〈雪は降らない今日は メリークリスマスイヴ〉と締めくくる1曲だ。ホワイトクリスマスでもないし、12月25日当日でもない1日を捉えたこの楽曲には、決して特別ではない日を淡々と書き起こしてきたyonigeのペン遣いが深く息づいているよう。そして、その書きっぷりは本編最後に据えられた「さよならプリズナー」にも通底しているもの。何でもあると何にもないを往復しながら君の不在を浮き彫りにし、『DECEMBER’S CHILDREN』のゴールテープを切った。

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文=横堀つばさ
撮影=河本 悠貴

ポッドキャスト概要:

Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り

「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。

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プレイリスト概要:

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@musicman_nusicman