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次世代ガールズバンドの注目株TRiDENT、メジャーデビュー発表も飛び出したメモリアルワンマンをレポート

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TRiDENT

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TRiDENT ONEMAN LIVE『Continue.』2025.08.23(sat)代官山UNIT

8月23日、東京・代官山UNITでTRiDENTのワンマンライブ『Continue.』(コンティニューピリオド)を観た。実は長い歴史を持つバンドだが、ここに来て骨太なHR/HMを極めたサウンド、エレクトロやJ-POPのキャッチーな要素、キュートなキャラクターの魅力ががっちりとかみ合ってぐいぐい人気上昇中。フロアはパンパンに埋まった。バンドの運命を変える重大発表も飛び出した、メモリアルなライブの様子をレポートしよう。

「UNIT、ぶち上げていくぞ!」(ASAKA)

TRiDENT

TRiDENT

SEに乗ってメンバーが登場する瞬間から、すでにフロアは狂喜乱舞の大騒ぎ。熱気に応えてやる気満々、1曲目「JUST FIGHT」から「KICKASS」へと猛スピードで轟音を叩きつける3人。メタリックなモノトーン衣装に身を包んだ、黒髪ポニーテールのNAGISA(Dr)、赤毛のSERINA(B&Cho)、ブラチナブロンドをツインお団子にまとめたASAKA(Vo&G)。アイドルです、と名乗っても納得するルックスと猛烈ヘヴィなサウンドの共存、3人揃って高いスキルを見せつけるアンサンブルは、まるで戦隊もののヒロインのロックバンド版。かっこいい。

SERINA

SERINA

SERINAが「もっともっと来いよ!」と煽り、ASAKAが「歌えー!」と叫ぶ。「iCON」から「Bite the bullet」へ、ヘヴィ&ファストな曲を連続投下して波に乗る。3人とも常に笑顔だが演奏はストイック、一切の媚びを見せずに演奏に没頭する姿がすがすがしい。ASAKAが重いレスポールを引っ提げて強烈なソロを弾く。序盤のわずか4曲でフロアを制圧、野郎ども率の高い観客たちの、拳を振り上げての熱狂が止まらない。

「ソールドアウト、ヤバイなー。後ろの人、見えてるんかな」(SERINA)

「私たちはこの日に全てを賭けて、最後の一音まで悔いのないように出し切ろうと思っているので、みんなも最後まで楽しんでいってください!」(ASAKA)

NAGISA

NAGISA

しゃべりだすと急にふわふわになる、MCタイムのゆるさも魅力。しかし演奏が始まると一気に豹変、ASAKAの凶悪ギターリフから始まる「DISTINATION」から「Haha(!)」へ、SERINAが5弦ベースで華麗なスラップを決め、ダンサブルな要素を増しながら全員コーラス&全員ジャンプで盛り上げる。シーケンスを加えた分厚いサウンドの「twinkle」から「Nocturne」へ、ショパンのメロディを使ったASAKAのソロが最高にいかしてる。ハードロックの伝統芸、クラシックとの融合をしっかりと引き継いでいる姿勢が頼もしい。

ASAKA

ASAKA

どんどん行こう。打ち込みダンストラックに乗せた「NEO FUTURE」は、ロックとダンスとポップの融合で、バンドの持つ挑戦的な可能性を象徴する1曲。「ここからどんどん上げていきます。ついてこれますか!」とASAKAが煽り、「CHANGE」から再び猛攻開始。君ならやれるよ!と叫ぶように歌うASAKAの声に、TRiDENTの大きな魅力であるジェンダーを超えて届く生き様のメッセージが詰まってる。「CRY OUT」の歌詞に呼応するファンのコーラスは、もはや歌を超えた怒号の大合唱。一体感が凄い。

「今日は、約5年間の活動を通して付けた力を全部、ここに落として帰ろうと思うので、全力で受け取ってもらえたら嬉しいです」(ASAKA)

TRiDENT

TRiDENT

大切なみんなに向けて歌いますーー。明快ハードな高揚感の中に切なさと共感を潜ませた「be with you」の、目の前のファンに向けた真摯なメッセージがまっすぐ心に届く。ASAKAの声の魅力もまた、万人に向けた明快で伸びやかな響きの中に潜む、パーソナルな哀感にある。そこに時にツインボーカルと言ってもいいSERINAの元気なハーモニーが加わり、深みを増すTRiDENTの歌の世界。ライブでこそ伝わる説得力は抜群だ。ここまで12曲でおよそ55分、猛スピードで駆け抜けてステージを降りた3人の代わりに、スクリーンが下され、暗闇の中でナレーションが聞こえてくる。

「いつも応援してくれているみんなへーー」

波乱万丈のバンドヒストリーを淡々と、3人が読むお手紙風ナレーションがまるで別れの言葉のように聞こえる。しかし次の瞬間、スクリーンに映し出されたのは「キングレコードよりメジャーデビュー決定!」の巨大な文字。「メジャーファーストEP『BLUE DAWN』11月5日リリース」「TVアニメ『ポーション、わが身を助ける』OP&EDタイアップ決定」「11月から11か所の全国ツアー開催」と、嬉しいニュースの連発に沸き立つフロア。そうか、物語の続きとピリオドを同時に示す『Continue.』(コンティニューピリオド)とはそういう意味だったのか。鮮やかなブルー&ホワイトの衣装に着替えて戻ってきた3人を、「おめでとう!」の大歓声が包み込む。

NAGISA

NAGISA

「みんながいなかったらとっくに辞めてたと思います。いてくれてありがとう。これは始まりなので、全員ついてきてください」(NAGISA)

SERINA

SERINA

「しんどい時間もめっちゃあって、悩んだ時期もありましたが、全てはこの日のためにとってあったんだな思います」(SERINA)

「ここにいる誰が欠けても、今も自分はなかったと思います。もっと大きな場所に進んでいきたいので、みなさんついてきてください!」(ASAKA)

ASAKA

ASAKA

泣き笑いのNAGISAとASAKA、終始ニコニコのSERINA。三者三様の素直な感情があふれ出すMCタイムは、この日命名されたTRiDENTファンの総称「トライバー」との固い絆を再確認する大事な時間。続いて初披露されたメジャーファーストEPのリード曲、MY FIRST STORYのNobが参加した「黎明ノ詩」は、「あきらめなければきっと誰かが見てくれる。世の中に無理なことなんてない」(ASAKA)というメッセージを込めたエールソング。打ち込み+生バンドのダイナミズム、ASAKAの振り絞るハイトーンを生かしたエモーショナル・ハードロック。未来への扉が今開いた。

ラスト2曲は「START」「Continue」と、バンドの歴史の中で大切な2曲を並べて新たな旅立ちを強烈にアピール。三本指のトライデントポーズで記念写真に収まる3人の表情はさわやかな笑顔。新たなファンクラブ「TRiBE」設立、オフィシャルHPリニューアル、そして9月20日には恒例「おじ祭り2025」開催と、嬉しいお知らせはまだまだある。メジャーデビューは通過点、高い音楽性と魅力的なキャラクターで、あまたのガールズバンドの中でもひときわ強い個性を放つ3人。どこまで行くのか見届けよう。

取材・文=宮本英夫

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