越路吹雪、生誕100周年記念リサイタルCDボックスに1960年代のNHK紅白歌合戦での歌唱音源を収録

アーティスト

越路吹雪「越路吹雪リサイタル1965~1969」

戦後最大のエンターティナー、シャンソンの女王、越路吹雪の生誕100年を記念したリサイタル音源集CDボックス「越路吹雪リサイタル1965~1969」の発売がすでに発表されているが、そのボーナス・トラックとして、越路の1960年代のNHK紅白歌合戦での歌唱音源集が収録されることが決定した。これらの音源は今回が初CD化となる。

越路の紅白初出場は、1952年の第2回。当時は年明けに行われていたこの番組に出演予定だった歌手が急遽欠場となった連絡を受け、新年会を抜けてほろ酔いのままピンチヒッターで駆けつけて歌ったということである。そして、越路はその4年後の1956年から1969年までの連続14回、大晦日を紅白のステージで過ごした。合計15回の出演は当時、最多出場者であった。

その貴重な音源の中から今回ボックスに収録されるのは1960年代の歌唱。今回の企画のメインの日生劇場でのリサイタル音源が1960年代なので、それに時代を合わせた形だ。「ラスト・ダンスは私に」「サン・トワ・マミー」「イカルスの星」「愛の讃歌」など、紅白での歌唱集は、越路のお馴染みのナンバーが並んでいる。越路も36歳から45歳までと、脂が乗り切った大人の歌声が楽しめる。後日、越路は紅白について「出演料の何倍も掛かる衣装を毎回作って出るのは大変」「年に一度のお祭りで、普段会えない方々と舞台でご一緒出来るのが良いところ」などと語っていた。1969年の出演で代表曲「愛の讃歌」を圧巻のパフォーマンスで披露したのが最後の出演となった。淀川長治氏が越路評として残した言葉は「ただただ個性である」。まさに並み居る紅白の出場歌手の中でも圧倒的な個性と輝きを放った越路の名演集がここに収録されることになった。

リサイタルの音源は、彼女の日生劇場のリサイタル中から全盛期とも云える歌唱力を示した1960年代のリサイタル全5タイトルをSHM-CDパッケージとしてリリースする。1965年から1980年の足掛け16年に渡る伝説の日生劇場リサイタル。1ヶ月のロングランを毎回満席にしたその公演は当時LPレコードとしてほぼ年に1作リリースされていた。しかしそれぞれのアルバムが完全な形で復刻されたことは一度もなかった。越路吹雪の偉業を後世に伝えるべく、特に豪華なフルオーケストラで開催された初期の日生劇場リサイタルシリーズが遂に高音質SHM-CDとなって登場する。

パッケージには、1969年の幻のリサイタル・パンフレットが復刻され封入。さらに、1965~1968年のコンサートパンフレットに掲載された本人の挨拶文、秘蔵写真を集めたブックレットも付属。初回生産限定の永久保存盤となっている。

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