10-FEET『RUSH BALL 2023』ライブレポートーー「今日は全員ハッピーで帰るで!」ユーモアに包まれた、思いやりとマナーの精神

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10-FEET 撮影=瀧本JON…行秀

『RUSH BALL 2023』10-FEET

赤いライトが照らすステージに登場するやいなや、「やれんのかお前ら。ケガ人1人も出すなよ。仲よぉしろよ。なんかあったら多めに謝れ。今日は全員ハッピーで帰るで!」と、TAKUMA(Gt.Vo)が叫ぶ。ライブのマナーと気合い、そして、雷雨で中止となった昨日の雪辱までが詰まったその言葉を合図にスタートしたのは、「RIVER」。しかもこの日の「RIVER」の歌詞の一部は、淀川→寝屋川が流れゆく大阪スペシャル・バージョンだ。

「今すぐスマホ出してPayPayでKOUICHI(Dr.Cho)に1,000円振り込んで。手書きのQRコードあるから。ウソや(笑)」

そんなバレバレの嘘で取り出させたスマホのライトをつけるように観客に促すTAKUMA。すると、すっかり日が暮れた会場にスマホの光の川が出現。

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「やばい、人力ルミナリエ。『風の谷のナウシカ』の王蟲の群れみたい。本物やったらKOUICHI死ぬわ」というTAKUMAの声につられ、場内に爆笑の声が響き渡る。そして、<らん、らんらららんらんらん>と、低いキーで『ナウシカ』の劇中歌を歌うTAKUMAとKOUICHI。いきなり頂点に達した場内のテンションを、笑いで程よいレベルまでクールダウンさせるなんて、きっとこの人たちにしかできないことだろう。

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涼しい風が頬を撫でるタイミングで披露されたのは、「風」。続く「その向こうへ」では、最後のフレーズを即興で<大阪にきた>と変更して熱唱。続いて「第ゼロ感」が鳴り響くと、遠くで大人見していた観客も次々とダッシュでジャンプに参加。

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「時間足らんくなったわ。急いだらあと2曲くらいいけるかも。急いでやってみよ。笑って帰るぞ!」というTAKUMAの声を合図に「ヒトリセカイ」がスタート。明日にはまたただの原っぱに戻るこの場所と、明日になればまた、ただの日常に戻る私たち。

「明日にはもうここには、もうこのセカイは……あるとは限らへんからな、だから大切やねん」と、歌詞の一部を変え、観客に語りかけるように歌うTAKUMA。ステージ脇のスクリーンには、ステージの下、観客の目の前でベースを弾いているNAOKIの姿が映る。

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ラストは、時間が押しているという理由で早回しバージョンで披露された「goes on」。楽しそうに手を挙げ跳ねる観客たちに向かい、「仲良くね。マジで。インターネットでいがみ合ったらあかんで」と、TAKUMAが諭す。

駆け足で「goes on」を歌い鳴らした後、「1分押したわ、すぐ謝りに行こ!」と、TAKUMA。きっと多めに謝ったに違いない彼らのユーモアに包まれた、思いやりとマナーの精神。そこにはきっと、フェスの未来のためのヒントが隠されている気がする。

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取材・文=早川加奈子 撮影=瀧本JON…行秀

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『RUSH BALL 2023』10-FEET

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