ボサノヴァの創始者ジョアン・ジルベルト生誕90周年、日本発のトリビュート・アルバム2枚同時リリース決定

アーティスト

ジョアン・ジルベルト ©Universal Classics & Jazz

1958年にアントニオ・カルロス・ジョビンとともにボサノヴァを生み出し、以降、生涯にわたりボサノヴァを追求し続けた孤高のアーティスト、ジョアン・ジルベルト(1931〜2019)。晩年は3度にわたる来日公演で日本の音楽ファンを大いに魅了した。そんなジョアンの90回目の誕生日(6月10日)に合わせて、日本発のトリビュート・アルバムが6月9日に2枚同時リリースされることになり、各タイトルのジャケット写真が公開された。

1枚目の「ジョアン・ジルベルト・エテルノ」は、ブラジル最高峰のサウンド・クリエイターと称されるマリオ・アヂネー、そして前述の来日公演の立役者のひとりでありジョアンからも信頼の篤かった音楽プロデューサーの宮田茂樹の呼びかけにより、ジョアンを敬愛するアーティストがジョアンゆかりのレパートリーを録音。

大御所ジョアン・ドナートやアントニオ・カルロス・ジョビンの孫のダニエル・ジョビン、ジョイス、ホーザ・パッソス、レイラ・ピニェイロ、モレーノ・ヴェローゾなどのブラジル音楽界の至宝から、小野リサ、伊藤ゴローという日本が世界に誇るボサノヴァ・アーティストまで、豪華アーティストが勢ぞろいしている。

そしてもう1枚は、「ジョアン・ジルベルト・エテルノ」にも参加している伊藤ゴローの作品。ジョアン・ジルベルト直系のボサ・ノヴァ・ギタリスト/作曲家で、映画音楽やTVアニメ音楽も手がけ、ボサノヴァ・デュオnaomi & goroとして、また、原田知世のプロデューサーとしても活躍する彼が、「伊藤ゴロー アンサンブル」名義で発表する「アモローゾフィア〜アブストラクト・ジョアン」。

この作品で伊藤ゴローは、1977年にジョアンが発表した名匠クラウス・オガーマンのオーケストラ編曲と指揮によるアルバム「アモローゾ」をテーマに、ジョアンとアントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァの芸術や、クラウス・オガーマンのアレンジを探求し、新たにオーケストラ編曲を手がけている。書き下ろしの組曲「アモローゾフィア」(編成違いの2ヴァージョン収録)や、ジョアンのレパートリーとして有名なナンバーなどをオーケストラ・アンサンブルで披露する野心的な作品だ。

比類なきカリスマ性で、いまだに日本のみならず世界中に多くの信望者を持つジョアン・ジルベルト。そのトリビュート盤だけあって、どちらの作品も海外リスナーからも注目を集めそうだ。

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