Vol.39 株式会社リットーミュージック サウンド&レコーディング・マガジン編集部 松本 伊織さん

インタビュー ピックアップ

株式会社リットーミュージック サウンド&レコーディング・マガジン編集部 松本 伊織さん
株式会社リットーミュージック サウンド&レコーディング・マガジン編集部 松本 伊織さん

音楽業界の今を動かす、現場の音楽業界人 = Musicman に、仕事内容や最近の「気になる!」こと現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。

第39回は、株式会社リットーミュージック サウンド&レコーディング・マガジン編集部 松本 伊織さんのご登場です。

 

——どんな部署でどんなお仕事をされているんですか?

松本:音楽クリエイターに向けた月刊誌『サウンド&レコーディング・マガジン』(通称サンレコ)の編集です。編集部員一人辺り大体20〜40ページくらいを担当します。別冊付録や別冊ムックを担当することもあります。
 “編集”というと漠然としていますが、企画立案から取材/執筆依頼、実際の取材、原稿執筆&まとめ、デザインや写真のディレクション、簡単なDTP作業、校正など、誌面にかかわるありとあらゆることが仕事の内容です。
 編集一般に言えることですが、同じことを200字でも2,000字でも、あるいは1/2ページでも8ページでも作れるようにする、そしてそれに最適な見せ方を考える仕事だと思います。

——よくある1日の業務タイムスケジュールを教えてください。

松本:流動的ですが、11時までに出社し、遅くとも22時までには退勤するようにしています。長時間取材が入ってしまうときや締切り前、校正日は時間に追われます。余裕のあるときは企画を考えたり、さっさと帰ったり、ライブを見に行ったりします。入社して数年間は締切り前に徹夜ばかりしていましたが、今は会社が深夜残業を推奨していないことと、30代に入って以降は体力の衰えもあり、頑張っても始発出勤→終電退勤が限界です。

——これまで関わったor担当アーティストは?

松本:サンレコの編集部員として約10年、さまざまな取材や企画をしています。本誌以外に手掛けた別冊としては『ソフト・シンセ・ガイドブック』(2005年10月号付録)、ムック『ネットとライブで自分の曲を売る方法』(絶賛発売中!)が印象深いです。

——音楽業界で働くことになったきっかけはありますか?

松本:もともとはサンレコの読者で、人材募集していることを人づてに聞いて応募しました。

——この仕事をしていて、嬉しい瞬間はどんな時ですか?

松本:いい記事ができたとき。「いい記事」とは、取材相手と読者の両方に喜んでいただけたときだと思っています。アンケートはがきやネットでの評判も結構気に留めていて、一喜一憂しています。

——この仕事の大変なところ、難しいところは?

松本:大変なのは日常茶飯事ですが、喉元過ぎれば……で、雑誌が出来上がってしまえば忘れてしまいます。難しいと感じるのは取材を希望していてもそれがかなわないとき。“これをやったら絶対面白い!”と確信していても、さまざまな事情で実現が難しいことはしばしばあります。

——職場はどんな雰囲気?流行っていることなどありますか?

松本:みんな黙々とコンピューターに向かって、自分の担当ページを作っています。音楽を聴いている場合も大抵ヘッドフォンなので、意外なほど静かです。まれに製品レビュー用としてメーカーからお借りしたシンセなどが「ピギャー」と謎の音を発することもあります(笑)。

——仕事において、これだけは誰にも負けない!という強みは?

松本:難解なことを極力分かりやすく表現できるように留意しています。

——今の仕事で一番やりがいを感じることは何ですか?

松本:プロ/アマを問わず、音楽を作っている人たちに対して有用な情報を提供しているという意識・責任でしょうか。よく“機材誌”と呼ばれてしまうサンレコですが、機材だけにこだわらず、「ネットで自分の曲を売る方法」「ライブのやり方・稼ぎ方」といった音楽ビジネス寄りの企画も、読者=音楽クリエイターの目線に立って作ることができるのも面白いと思います。

——この仕事はどんな人に向いていると思いますか?

松本:自分で音楽制作をしている、音楽に詳しい、文章が得意といったことはアドバンテージではありますが、それが必要条件ではないと思います。むしろこんな企画をやってみたいといったアイディアと意欲、実行力の方が重要です。

——これから挑戦してみたいと思うことはありますか?

松本:ムック『ネットとライブで自分の曲を売る方法』を作ってみて、月刊誌とはまた違った作り方ができるものだということにあらためて気が付きました。電子出版やWebなど形態の違うメディアを含めて、「音楽クリエイターにとって必要な情報をどう最適な形で提供していくか」ということには常に興味があります。

——Musicman-NETの活用法、好きなコーナーなどあれば教えてください。

松本:Musicman’s RELAYはよく読んでいます。また音楽業界INDEXで、取材先となるレコーディング・スタジオなどの住所を確認することもあります。

——最後に、音楽業界を目指す人にひと言

松本:音楽業界では音楽制作の知識が不可欠。MusicmanNETはもちろんですが、サンレコも毎月読んで、レコーディング現場やライブ現場の最新情報をチェックしていただけたらと思います。そして素晴らしい作品やステージを作り上げ、サンレコに取材させてください。

サウンド&レコーディング・マガジン CDが売れない時代の指南書

mpu_39松本 伊織SRM

-2010.11.29 掲載

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