Vol.15 アレンジャー・キーボーディスト 荒木 陽太郎さん

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アレンジャー・キーボーディスト 荒木 陽太郎さん
アレンジャー・キーボーディスト 荒木 陽太郎さん

音楽業界の今を動かす、現場の音楽業界人 = Musicman に、仕事内容や最近の「気になる!」こと現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。

第15回は、有限会社ハーフトーンミュージック&クラフト所属のアレンジャー・キーボーディストとして活躍する荒木 陽太郎さんのご登場です。

 

——アレンジャーとは具体的にどんなお仕事ですか?

荒木:作家さん、番組のプロデューサーさん、レコード会社のディレクターさんなどから、色々な形で様々な発注があるわけですが、最初の段階でのアイディアや種のような状態にある音楽を、みんなが聴いて納得できるキチンとした「音楽」や「曲」の状態に熟成、完成させていく…という感じでしょうか?家を建てる大工さんのような感じですね。

——よくある1日の業務スケジュールを教えてください。

荒木:発注を受けてから締め切りまでは、全て自己管理の時間割になりますが…実は、それがとても大変です。いつも締め切りぎりぎりまでの作業なので、曜日感覚、時間割はメチャクチャな事が多いです。

——これまで関わったプロジェクトor番組は?

荒木:テレビ番組の『SMAP×SMAP(CX)』『MUSIC FAIR 21(CX)』『上海ルーキーショウ(CX)』などのアレンジ、サウンドトラック制作など。

——この仕事に就くきっかけは?

荒木:最初は、キーボーディストとしての仕事がメインでしたが、プレイだけではなく、楽器・アンサンブル・曲の構成・コンセプトなど…それらすべてを考えていくことがとても好きだったので、バンドのライブ用のアレンジやブラスセクションやストリングスのアレンジなどを手掛けるようになりました。

——アレンジャーという仕事の醍醐味は?

荒木:アレンジャーの醍醐味は、自分の手のひらの上で、自分流に音楽を組み立てたり、コントロールしている実感が味わえるという点でしょうか。

また、自分は弾く事ができないそれぞれの楽器の名手達が、自分の書いた譜面で素晴らしいサウンドを出してくれる瞬間は、彼らミュージシャンに対しての感謝と尊敬、そして、同時に最高の幸福感があります。

——仕事において、これだけは誰にも負けない!という強みは?

荒木:何だろう?どんな仕事でも一度引き受けたら、きっちり時間内に仕上げますよ(笑)

——今の仕事で一番やりがいを感じることは何ですか?

荒木:例えば、実は自分なりに上手くできたと感じる曲のアレンジがあったとして、その中に、もの凄くマニアックなアイディアが隠してあったとします。それを音楽を良く知っている、解っている人が聴いた時に「にやり」としてくれたりしたら、自分としては「やった!」と感じます。(^^)

——アレンジのアイデアはどんな時間に浮かぶのですか?

荒木:漠然としてますが…アレンジの形も方向性も何もない「真っ白い」状態のままから、出来上がった完成型が「あたかもそこにある」というイメージを膨らませて、だんだんと具体的に近づいていく感じでしょうか。それに締め切り日がある場合は、締め切り日の翌日、ハッピーに遊んでる自分をイメージします(笑)。

——尊敬するor影響を受けたミュージシャンはいますか?

荒木:プログレ好きなのでPINK FLOYD、GENESIS、YES、KING CRIMSONなど。特にPeter Gabriel好きです!

——この仕事はどんな人に向いていると思いますか?

荒木:音楽の雑学的な事も含め、音楽に関係する様々な事が大好きで、好奇心旺盛な人
古今東西色々な楽器に興味津々で、常に新しい可能性を探したり、ダメもとで変なことにチャレンジしてみる柔らかい感覚等がある人が良いのではないでしょうか?あと、時間を守れる人?(^^;)

——今後の人生プラン・野望は?

荒木淡々と、来る物拒まず(^^;)あまりの急発注は微妙ですが…

——ミュージックもんについてはどう思いますか?

荒木:今は、こんな事ができるようになったんですねぇ。素晴らしい事だと思いますし、良い方向でインターネットの可能性を感じました。こういった場を上手に活用して、「みんながみんなを応援してる」といった感じになっていけば素敵だなと思います。

——Musicman-NETの活用法、好きなコーナーなどあれば教えてください。

荒木:Musicman’s RELAYは読み応えありました。特に加山さん、谷村さんとは、ご一緒にお仕事させていただいたことがあります。自分でも、色々迷ったり、悩んだりすることもありますが、そんな事が一気に吹き飛ぶような貴重な経験や考え方が満載でした。感謝いたします。

——最後に、音楽業界を目指す人(アーティストも含む)に一言。

荒木「音楽大好き!」人間なのが、出発点です。  

-2007.8.21 掲載

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