2021年の米LP売り上げベスト10、1位はアデル「30」

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アメリカのレコード業界。2020年に比べて昨年(2021年)はLP(海外ではポリ塩化ビニールで造られているので、ビニールと呼ぶ)は52.4%も伸び、トータル枚数で4,050万枚になり、CDを抜いた。上の図は2021年の形態(フォーマット)別の売り上げを示している。向かって左からLP(ビニール)、真ん中がCD、右が有料アルバム・ダウンロード・赤は昨年(2021年)、灰色は2020年。LPが伸び、ダウンロードが減った。

2021年の30cmLPの売り上げベスト10は以下だ。ラジオ業界誌ヒッツがまとめた。

1位)アデル「30」319,000枚
2位)オリヴィア・ロドリゴ「サワー」268,000枚
3位)テイラー・スウィフト「レッド(テイラーズ・ヴァージョン)」261,000枚
4位)ハリー・スタイルズ「ファイン・ライン」257,000枚
5位)ビリー・アイリッシュ「ハピアー・ザン・エヴァー」253,000枚
6位)テイラー・スウィフト「エヴァーモア」250,000枚
7位)プリンス「パープル・レイン」208,000枚
8位)ビートルズ「アビイ・ロード」201,000枚
9位)テイラー・スウィフト「フォークロア」195,000枚
10位)ケンドリック・ラマー「グッド・キッド、マッド・シティー」194,000枚

7位のプリンスはオリジナルが1984年の発売。8位のビートルズは1969年の発売。ベスト10中、10位の唯一のラップ・アルバムも10年前の2012年に発売された。

ボン・ジョヴィのジョン・ボン・ジョヴィが以前、LPについて語った事がある。

「私の子供たちはあらゆる種類の音楽が好きだ。長女のステファニーも音楽が大好き。だがクリックしてダウンロードして聴くのは『曲』だけで、アルバム全部を聴くわけではない。今の子供たちはヘッドフォンを置いて、フル・ボリュームで音楽を聴く経験がない。アルバム・ジャケットを手にかざしながら、その絵をイメージして聴くことはしないし出来ない。なけなしのお金でレコードを買うのはレコードのジャケットだということもある。中にどんな音楽が入っているかもわからないのにだ。だがそれが魔法だ。魔法の瞬間なんだ」

高橋裕二の洋楽天国記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
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