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Face Records、2025年版「現地で今、売れている邦楽レコード」ランキング公開

ビジネス 音楽業界

アナログレコード専門店「Face Records(フェイスレコード)」を展開するFTFは、米国ニューヨーク・ブルックリンに構える直営店「Face Records NYC」における販売データをもとに、2025年上半期の「今、売れている邦楽レコードランキング(2025年版)」を発表した。

10代〜30代を中心とした若い世代のアメリカ人リスナーの間で、日本のフュージョン/インストゥルメンタル作品が注目を集めている最新のトレンドを、実店舗のリアルな販売状況を通して公開している。

2025年版 Face Records NYC 人気邦楽レコードランキング

1.CASIOPEA「MINT JAMS」
2.高中正義「SEYCHELLES」
3.高中正義「ブラジリアン・スカイズ」
4.高中正義「虹伝説」
5.CASIOPEA「カシオペア」

2024年版 Face Records NYC店 人気邦楽レコードランキング

1.山下達郎「FOR YOU」
2.杏里「Timely!!」
3.竹内まりや「VARIETY(ヴァラエティ)」
4.松原みき「POCKET PARK」
5.CASIOPEA「MINT JAMS」

※Face Records発表のデータ

背景と考察

日本のシティポップやフュージョンが海外で注目されるようになった背景には、2000年代後半以降の動画共有サイトの普及が大きく関係しています。

YouTubeなどを通じて偶然“和モノ”に出会った海外の音楽ファンの間で、その独特なグルーヴ感やサウンドが評価されるようになりました。

日本では1980年代の一過性の音楽スタイルとして登場し、その後一部のファンを除いて忘れられていたシティポップの魅力が、2010年代に入ると海外の音楽マニアによって再発見されます。

こうして、日本では顧みられていなかった音楽が、むしろ海を越えた場所で新たな文脈を得て、再評価される現象が生まれました。

2024年まではシティポップ作品の人気が中心でした。山下達郎、竹内まりや、松原みきなど、シティポップを代表するアーティストたちの音楽は、洋楽のポップス、ロック、ソウル、ジャズなどをルーツに持ちつつ、それらを日本人ならではの感性で洗練させ、独自のスタイルへと昇華させたものでした。

その音楽性と独自の魅力に、海外のリスナーたちがいち早く共鳴し、特にアメリカやイギリスを中心とした若い世代に受け入れられてきたのです。

2025年に入ってからは、そうしたシティポップに通底する「邦楽特有のグルーヴ感」に魅力を感じていたリスナーたちが、また違ったアプローチが楽しめる邦楽フュージョン作品へと自然に関心を広げている印象です。
彼らが求めているのは、必ずしも高度なテクニックや複雑な構成ではなく、リズムで自然と体が揺れるようなノリが楽しめる音楽です。日本人にも気づきにくかった邦楽独特のグルーヴや空気感が、国や言語を超えて感覚的に響いているのかもしれません。

さらに、「音楽に没入したい」というポスト・パンデミック以降の価値観の変化も、邦楽フュージョンのような、これまで耳にする機会の少なかった新しい音楽との出会いを楽しむ背景のひとつと考えられます。