iPhoneユーザー、外部決済システム導入で大幅割引求める 米調査

iPhoneユーザーの大半は、iOSの決済エコシステムの外に出ることを望んでおらず、外部決済システムを利用する場合には大幅な割引が受けられることを期待しているーー。入手した米金融モルガン・スタンレーの調査結果を元に、アップル関連のニュースサイト「appleinsider」が6月5日伝えた。
米国のiPhoneユーザーに、(App Storeと同価格である場合に)開発者のウェブサイトから直接アプリを購入するかを尋ねたところ、28%のユーザーが「非常に購入する可能性が高い」と回答。20%は「そうする可能性がある」、19%は「極めて低い」答えた。「極めて低い」と答えた割合は、2022年の10%から大きく伸びている。
どの程度の割引があればApp Store以外で購入する気になるかを問うと、約29%という結果となった。これは、アップルがApp Storeでの購入に課している最大30%の手数料(アップル税)の上限額にほぼ相当している。
米裁判所は4月30日、アップルの対エピックゲームズ訴訟において、サードパーティによる支払いオプションを認め、デベロッパーの顧客へのオファーの制限をやめるよう命じた。アップルは控訴する方針で、裁判所命令の一時差し止めを求めたが、6月4日に却下された。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「NetflixやSpotifyなど大手サブスクが30%の”Apple税”を避けてアプリ内課金を使わず、自社サイトでの決済を求めつつも、Appleがアプリから外部課金サイトへのページリンクを認めていなかった件。ブラウザを開き、検索する必要が出て有料会員へのコンバージョン比率を下げていた。しかしそもそも30%が高すぎるというのはアプリ事業者だけでなくインフレでシビアになった一般利用者も感じ始めており、App Store(アプリ内課金)ではなくアプリのウェブから直接決済する場合、Apple税と同じ29%のディスカウントを求めていることがモルガン・スタンレーの調査でわかった。個人的にはApple税はiモードなどがやっていた10%以下でもマージンとして適正であると思う。いずれにせよ今回の米国での裁判の行方は音楽産業の売上に大きく響くので要注目だ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
広告・取材掲載