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Spotify、欧州の有料会員1億人突破 欧州版ロイヤリティー支払いデータ公開

ビジネス 海外

Spotifyのダニエル・エクCEOは、欧州全体(英国を含む)の有料会員数が1億人に達したと明らかにした。5月28日には、ロイヤリティー支払いに関する年次レポート「Loud & Clear」の欧州に焦点を当てたデータを公開。欧州アーティストがSpotifyで得たロイヤリティー総額は2024年に17億ユーロ(約2,800億円)以上と前年比15%増え、2020年比で2倍近く、2017年比では3倍超に拡大した。 

2024年に欧州アーティストがSpotifyのリスナーによって初めて発見された回数は 

約280億回。編集プレイリストに追加されたEU(欧州連合)アーティストは5万2,000組超で4%伸びた。 

欧州リスナーによる域内アーティストの再生回数は3,516億6,000万回。一方、米国では8億3,000万回近くのユーザー作成プレイリストに欧州アーティストが組み込まれた。 

EU出身者のうち、同プラットフォームから年間1万ユーロ以上の収入を得たのは1万7,000組、5,000万ユーロ以上は2万7,000組だった。 

EUで発生したロイヤリティーの44%が域内アーティストによるもので、統計を開始した2017年以降で最高水準を維持。このうち57%は、英語以外の言語で演奏するアーティストによるものだった。 

域外への音楽輸出の年平均成長率(過去10年)は32%となっている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「Spotifyの有料会員が欧州(EU+UK)で1億人突破。生産性年齢人口(16〜64歳)の3人に1人がSpotifyの有料会員ということになる。Apple Musicなども含めると2人に1人が音楽サブスクの有料会員と予測され、成長率が止まるのも無理がないが、ここまでは普及できたのはmp3時代を考えると純粋に素晴らしい。日本の生産年齢人口は7450万人なので、音楽サブスクの有料会員は3700万人まで伸ばせる余地があるとも見て取れる。日本の現状はその3分の1もおそらく行っておらず、CDが強いのもあるがそれよりも大きいのが音楽離れ。レコ協によると音楽の無関心層は2010年の16.2%から2024年の46.2%と急増。社会人デビュー、結婚で起こる音楽離れの傾向が変わらないなか少子高齢化が進行した他、高校生・大学生の音楽離れが急増しており、ゲームや動画などに年々負けているのが主因ではないだろうか。朗報なのは中学生では音楽の無関心層が年々減っていることで、しっかりこれを高校・大学につなげていく施策が日本の音楽産業としては課題となる」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。