CISAC総会が35年ぶりに東京で開催、開会挨拶に安倍首相が登壇

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CISAC総会、安倍晋三総理

著作権協会国際連合(CISAC)および日本音楽著作権協会(JASRAC)は、5月30日に東京では35年ぶりとなるCISAC総会を開催。また、翌5月31日に合同記者会見を行った。

CISAC総会の開会式には、CISAC会長のジャン・ミシェル・ジャール氏、同事務局長のガディ・オロン氏、同理事会副議長でありJASRAC理事長の浅石道夫氏、JASRAC会長のいで はく氏らの他、安倍晋三首相が登壇し挨拶を述べた。

安倍首相は、総会の出席者に対し「我が国にとっての懸案である戦時加算に関し、現実的な問題解消に向けてご協力いただいていることに感謝申し上げます。現在音楽をはじめとする著作物の世界もデジタル化の波が押し寄せております。ネットワーク化により、時を超えて世界中の人々が容易に著作物を楽しむことができるようになりました。クリエイターの皆さんには、常に新しい時代の潮流を先取りし、ますます創造的で多様な活動を展開することが求められるようになっています。世界中のクリエイターの創作活動を支える基盤であるCISACの役割に今後とも大いに期待しています」と語り、CISACの活動への期待と感謝を述べた。
 

CISACとJASRACの合同記者会見

5月31日に行われた、CISACとJASRACの合同記者会見では、ジャン・ミシェル・ジャール氏、ガディ・オロン氏、浅石道夫氏が登壇。

前日の総会において、ジャン・ミシェル・ジャール氏の任期1年延長と、浅石道夫氏の再任(任期3年)が決議されたことに加え、日本における「私的複製補償金制度」「美術創作者の追及権」「日本映画監督家協会への支援」について決議したことを発表。

浅石氏は、「私的複製補償金制度」についての現状と海外の状況について、「日本での私的複製補償金制度については、保証対象機器が旧態依然となっています。世界における管理団体の徴収額に占める保証金の割合も、ヨーロッパの7%、フランスの9%、ドイツの10%に比べ、日本は0.013%という状況です。こういった状況を日本だけではなく、アジア太平洋地域と共に訴えていき、機能的で公平な制度を新たに構築することを強く求めていきたい。また世界の著作権の問題について諸外国と協調して前進させたい」と語った。

また、ジャール氏は、ストリーミングにおける私的複製補金の考え方について、「EUではデバイスを使うとき、複製するときにに私的複製補金が関わるわけです。デバイスを介してインターネットによって配信をしている以上、私的複製という原則をデバイスに拡大することができる」とし、日本での法改正についても後押ししていくと語った。

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