Tyrkouaz
昨年8月『SONICMANIA』のトップバッターとして出演、さらに今年も『SONICMANIA』オープニングアクトとして異例の2年連続出演を果たした、双子の兄souta(Vo/Gt)と弟rent(Dr/Cho)によるミクスチャーロックデュオ・Tyrkouaz(ティルクアーズ)が、本日・8月20日(水)18時にデジタルシングル「MEIQ」のMVを公開した。
MVは『映像作家100人 2025』にも選出された気鋭の監督・齊藤公太郎が手掛けた。ドローン撮影を駆使しながら、光と影のコントラストを効果的に使った視覚表現が特徴的な作品となっている。同曲は、先日の『SONICMANIA』でも披露され、Spotify公式プレイリスト「キラキラポップジャパン」にもリストインするなど既に各所で話題となっている。
また、今年12月12日(金)は自身初となるワンマンライブを渋谷 TOKIO TOKYOにて開催することも決定している。チケットは現在最速先行を受付中。
さらに、『SONICMANIA』当日のオフィシャルライブレポートとライブ写真も到着している。
オフィシャルライブレポート
昨年8月16日、双子の兄souta[Vo/Gt] と弟rent[Dr/Cho] によるミクスチャーロックデュオTyrkouaz [ティルクアーズ]が初めてSONICMANIAのステージに立った。あいにく嵐の中で迎えた初出演となったが、ロックバンド的なアプローチでドラムンベース/ジャングルを軸にしたサウンドを鳴らすというスタイルは、多くのダンスミュージックラバーに鮮烈なインパクトを残した。
その後も2人は積極的にライブ活動と音源制作を重ねた。まず、2024年11月に自身初となる全国流通盤『turquoise engine +』をリリースし、全国のタワーレコードスタッフがピックアップする、まだ世間で話題になっていないアーティストのセレクション “タワレコメン” に選出され注目を浴びた。2025年入ってからも勢いは止まらなかった。この年の第1弾配信シングルとなる「MEKAKUSHI-ONI」では、ドラムンベースやジャージークラブなどを取り入れたダンサブルなミクスチャーロックを叩きつけ、それに続く第2弾配信シングル「REBOOOOT」は、ロシアンハードベースまで取り入れた作風がSNSでバイラルヒット。リリースごとに着実に結果を残し、ライブにおいても主催イベントを何度も開催するまでになった。
そんな1年の成果を、「SONICMANIA」のOPENING ACTとして見せつけることになったのである。昨年、「出れんの!?サマソニ!?」において応募総数2000組の中からその枠を勝ち取ったTyrkouazだが、今年は正式にオファーを受け、The ProdigyやTHE SPELLBOUND×BOOM BOOM SATELLITESらデジタルロックのレジェンドが集うSONICMANIAのOPENING ACTに抜擢される栄誉を勝ち取った。
去年以上に自身の知名度を高め、ファンの数を増やしたことは、パフォーマンス前から明らかだった。フロアが去年よりも多くのオーディエンスで埋まっていたからである。サウンドチェックの音に惹かれ、MANIAC LAB STAGEへ続々と人がなだれ込んでくる。去年は嵐の中での開催だったため、正しい比較にはならないだろうが、今年は前回の3倍くらいオーディエンスがいる印象だ。そんなふうに早い時間からソニマニに来てくれた人たちの期待に、Tyrkouazの2人はしっかりと応えた。
定刻の20:05からほんの少し過ぎ、オーディエンスがいい具合に焦れたタイミングでオープニングSEが鳴ると、お揃いのビビットな髪色が映える双子の兄弟が登場。そして、短めに挨拶をしたあと、攻撃的なブレイクビーツが幕張メッセに響いた。去年はラストにプレイした「Crush Core」だ。オーセンティックな高速ブレイクビーツに重なるrentの生ドラムや、唐突に心臓をダイレクトに刺激してくるサブベースで強烈に脳みそを揺らし、soutaがギターをかき鳴らしながら歌う中毒性の高いメロディが耳の中を駆け回る。印象的なレゲエパートや中近東風のメロディはAsian Dub Foundationからの影響だろうか。間奏では、soutaが「よろしくお願いしまーす!」と高らかに挨拶をし、rentもその場で立ち上がって「もっともっと」と言わんばかりにオーディエンスを煽る。この1年の間に得た自信が、2人をより前のめりにしていた。
1曲目の心地よさを途切れさせないように、シームレスに次の曲に入ったことで、フロアの興奮はさらに高まった。あちこちから歓声が上がっているのが聞こえるだけでなく、さっきよりも大きくフロアが波打っている。先に述べた2025年第一弾配信SG「MEKAKUSHI-ONI」だ。ここでさらに勢いをつけてから投げ込まれたのは、まさかのDAFTPUNKカバー。「One More Time」のドラムンベースバージョンだ。反則スレスレの大ネタをピックアップした上に、これをドラムンベースにしてしまうんだから楽しくないはずがない。2人は去年以上にフロアの空気が読めている。
ちなみに、この日のライブは最初から最後まで曲をつなげていくことで、かなり踊りやすいセットになっていた。そのお陰で、各曲の魅力がうまくブーストされていたと思う。それが最も顕著に現れていたのは「MEIQ」。Co-produce, Mixにphirtz [PAS TASTA]を迎えたことによってさらにサウンドの質が上がり、大きな成長を感じさせたが、ライブでは大幅に快楽指数が上がっていた。特に、スネアのアタックが気持ちよく鼓膜を刺激してくる。
そんなrentによるドラムソロから、「Windy Surf」へ。オープニングアクトの時間帯ということで、アルコールが入ってる観客はまだ少なかっただろうが、ほどよく酩酊してるときにこれを喰らったらさらに快感だったはず。最も気持ちよかったのは、ドラムとギターソロが重なった瞬間。ダンスミュージックでありながら、ギターの気持ちよさに狂えるところにロックバンドとしての魅力も感じる。
ラストに鳴らしたのは、「REBOOOOT」だ。Tyrkouazらしい独特なメロディがキャッチーで、音数が少ないところから徐々に幾重にも音が重なっていき、中盤で唐突に始まるロシアンハードベースでさらにグルーヴを高めていく。現時点では、「MEIQ」とともにTyrkouazの最高到達点だと言ってもいい。この場所に集まったオーディエンスもこの曲を待っていたはずだ。この日のピークタイムは間違いなくここだった。改めて思った、デカい会場で聴くTyrkouazはなんて気持ちがいいんだろうか。そんなことを再確認するパフォーマンスだった。
すべての演奏を終えたあと、soutaはオーディエンスに向かって高らかに宣言した、「12月12日、初ワンマンやります!」と。場所は、渋谷にあるTOKIO TOKYO。鮮烈なパフォーマンスを見せつけられた今、ワンマンへの期待値はかなり上がった。
Tyrkouazを取り巻く熱量はこの1年で着実に高まっている。ソニマニの翌日、TyrkouazのオフィシャルXアカウントに投稿された写真を見た人はいるだろうか。なんと2人は、SONIC STAGEのトリを務めたTHE SPELLBOUND × BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之と小林祐介との記念写真を撮っていたのだ。小林は以前、自身のXでもTyrkouazに言及していた。憧れの存在から届いたその言葉を胸に、Tyrkouazは次のステージへと歩みを進めている。
前述のように、今年のソニマニにはTHE SPELLBOUND × BOOM BOOM SATELLITESだけでなく、The Prodigyも登場し、90年代と変わらぬ熱量でオーディエンスをロックした。そんな1日のOPENING ACTを若手のTyrkouazが務めたという事実に、胸が震える。Tyrkouazは彼らからバトンを奪い取る貪欲さで、日本のシーンを駆け上がり、世界へと飛び出していくのだ。近い将来、そんなsoutaとrentの姿を我々は目撃することになるだろう。
文=阿刀“DA”大志
撮影=Victor Nomoto
また、現在SpotifyやApple MusicではTyrkouazのSONICMANIA当日のセットリストが期間限定で公開されている。
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