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「仲良くなって、また一緒にやりたい」indigo la End × Omoinotake、夏夜の大阪城野音で迎えた最高の結末『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』

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『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』2025.7.4(FRI)大阪・大阪城音楽堂

indigo la End、Omoinotakeが出演したライブイベント『SOUND CONNECTION -SUNSET PARTY-』が7月4日(土)、大阪・大阪城音楽堂で開催された。『サウコネ』こと『SOUND CONNECTION』は、MBSテレビと在版のコンサートイベンター、さらにはエンターテインメント業界が、関西からアーティストやオーディエンスはもちろん、シーン全体をつなげることをコンセプトに2022年にスタート。

同イベントに向け、indigo la Endの川谷絵音(Vo.Gt)× Omoinotakeの藤井怜央(Vo.Key)のスペシャル対談(https://spice.eplus.jp/articles/337783)が事前に実施され、ライブ当日のバックヤードには兵庫県に住んだことがあるという藤井の思い出の味、ラーメン神戸たろうの「たろうの白菜キムチ」がケータリングで用意されるなど、おもてなしの姿勢もバッチリで初対バンの2組をお出迎え。イベントオリジナルのタオルやクリアステッカー(現在はGREENS公式オンラインショップで購入可)はもちろん、限定ドリンク「サンセットカクテル」や「サンセットサイダー」も販売され、ひと足早い常夏ムードが訪れるなか、年に一度の祝祭が幕を開けた。

Omoinotake

SEが流れるや場内総立ちの手拍子で歓迎された先攻のOmoinotakeは、アイドリングなくしてあっという間にピークへ到達するスピード感と熱量で、1曲目の「EVERBLUE」から満場の観客がサビで一斉に手を振る仕上がりぶり。冨田洋之進(Dr)と時にシンセベースも操る福島智朗(Ba)、最強の助っ人・ぬましょう(Perc)による三つ巴のマッシブな躍動感が楽曲のドラマをより際立たせた「蕾」に続き、藤井がハンドマイクでステージを横断し沸かせた「アイオライト」では、サポートの後藤天太(Sax.Fl)のサックスも華やかな彩りを添える。

「今日はindigo la Endとのツーマンライブということで、すごく楽しみにしていました。今日に向けて川谷絵音さんと対談させてもらったんですけど、僕も絵音さんも人見知りで、「本当の人見知りは2度目が大事」という話になって。今日はまだそんなに話せていないので(笑)、皆さん力を貸してください! 対談でインディゴはめちゃめちゃ攻めたセットリストにすると言っていましたけど、僕らは僕らなりにお互いの音楽の共通点を見せられたらと思っています」(藤井)

そう告げて一度は滞りなく始まった「空蝉」であったが、「ごめんごめん!」と藤井から突如ストップの声が(笑)。改めて歌詞を反芻して仕切り直したことが、結果的に場の空気をほぐすことになったのはライブならでは。後藤のフルートも抜群のスパイスとなっており、その後は、ひときわハイトーンなボーカルがダークなメロディと絡み合う「ラストノート」、切なき旋律が大空に響き渡った「ひとりごと」とディープなミドルチューンが続き、エキゾチックで神秘的な「夏の幻」が、そこから緩やかに浮上するアウトロのように優しく奏でられる。

MCでは、あまりの暑さに汗だくの福島が、「インディゴさんとは現状あいさつしかできていません(笑)。伝えたい思いは抱えてきたので、まずは会場から一体感を出して、終演後に僕らとインディゴさんがギュッと近づけるようにお願いします!」と呼び掛け、「ここで初めてライブでやる曲をお届けしたいと思います。「ひとりごと」のカップリングで、今のOmoinotakeの思いが詰まりに詰まった曲です」(藤井、以下同)と、メンバー3人だけで「在りか」を初披露。

シーンの最前線で必死に戦いながら己の音楽を鳴らし続けたOmoinotakeの信念を存分に感じさせ、「インディゴのファンの皆さんも知ってくれているといいな……!」と、昨年ドラマ主題歌として大ヒットした「幾億光年」へ! Omoinotakeの音楽人生に転機をもたらした一曲に反応し、客席の最後方までびっしり挙がった手が、ポップソングの真価を証明していた。

ラストは、ライブには欠かせない「トニカ」でシンガロングが巻き起こる壮大なエンディング。多幸感で満たされたままindigo la Endへとバトンを手渡した。

indigo la End

いつの間にか日が落ちた大阪城音楽堂に赤と青の照明が交差した「夜漁り」から、光と音で一気にトリップさせた後攻のindigo la End。続く「夜汽車は走る」でも、少年性をはらんだ歌声と重たいオルタナサウンドで、没頭している感覚すらないまま非日常へと引きずり込まれていく。

「僕らは夜にやるのは久しぶりだし、皆さんも周りに見えてはいないから好きに踊ってください」(川谷、以下同)といざない、アーバンなシンセとファルセットボイスが機能した「夜風とハヤブサ」ではマイクを片手に気持ち良さそうに歌い上げ、「ハルの言う通り」では再び激情のギターをかき鳴らす川谷。事前の対談でもレア曲満載のドープなメニューで挑むと公言していたが、佐々木みお(Cho)とDADARAY/katyushaのえつこ(Cho.Key)を加えた6人編成で矢継ぎ早に繰り出されていくどの曲もアートとポップのバランスが絶妙で、憂いと疾走感漂う「はにかんでしまった夏」といい、エッジの効いたアンサンブルでオーディエンスをじわじわ盛り上げていく。

フレーズの端々から美学を感じる「たまゆら」でもはかなき轟音で見る者を圧倒し、浮遊感のある女性コーラスと後鳥亮介(Ba)のうねるベースラインが導いた「魅せ者」では、長田カーティス(Gt)の流麗かつ不穏なギターや佐藤栄太郎(Dr)のカオティックなドラムでも独自の雰囲気を醸し出す。「さざなみ様」で青く光るリストバンドが真っ暗闇の野音でゆらめく光景も、何とも幻想的だった。

「“人見知りは2回目が重要”というか、仲良くなるか/ならないかの指標になるんですけど、まだふた言しか話してない(笑)。今日はあんまりキャッチーな曲を選ばないようにしていたんだけど、この曲だけはやらないとなと思って」

夜の野外で聴く「夏夜のマジック」は極上のバイブレ―ションで、この時間にこの曲、このシチュエーションで歌ってくれて大感謝。とろけるようにメロウな余韻にいつまでも包まれる。

「僕らは結成15年、Omoinotakeも13年で長いし、年の近いバンドとツーマンができて良かった。Omoinotakeのファンの方は「夏夜のマジック」まではさぞ苦しかったでしょうけど(笑)、今日みたいな機会があるとうれしいし、このまま仲良くなって、また一緒にやりたいなと思っています。そのときはぜひ見に来てください! 僕らはツーマンライブの最後はこの曲と決めていて、一番デカい音を出して長々と演奏しますので、帰るか耳をふさいでもらえれば(笑)」

有言実行のすさまじい音像を轟かせた「晩生」では、のたうち回りながらギターをかきむしった川谷が、最終的には舞台から降りて弾きまくる壮絶な幕引き……と思いきや、「アンコールありがとうございまーす! 今年一番汗かいてるかも」と一旦はけることもなく話し出し、『サウコネ』のスタッフをねぎらう一幕も。そして、「また会いましょう」と捧げた「盲目だった」の耳をつんざくディストーションと胸を貫くメランコリーが、美しいエンドロールを作り出す……。

終演後の『SOUND CONNECTION』の公式SNSには、肩を組んだ2組の最高の笑顔の写真が。“人見知りは2回目が重要”、その結末は言うまでもない。

なお、この日の模様は後日、MBSテレビ『よんタメ』でダイジェストライブ映像を放送予定。

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=渡邉一生
ケータリング協力=ラーメン神戸たろう

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