LM.C、ベストツアー的企画『LM.C Club Circuit ’24 -Spring-』ファイナル公演の公式レポート到着

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LM.Cが4月25日に恵比寿リキッドルームで開催した、ベストツアー的企画『LM.C Club Circuit '24 -Spring-』ファイナル公演のオフィシャルレポートが到着した。


「ライブやれるって、幸せだなぁぁ!!」(maya)

今宵、mayaがステージ上で発したこの大きな叫びにはまさに万感の想いが凝縮されていたに違いない。というのも、今年2月から始まった[LM.C Club Circuit '24 -Spring-]は、約2ヶ月半をかけてLM.Cが初めて上陸することになった佐賀・長崎・松阪・出雲での公演や、5年ぶりでの台北(台湾)公演を含んだコロナ禍以降としては初のロングツアーであり、このたび恵比寿・LIQUID ROOMにて行われたツアーファイナルはそれを盛大に締めくくるものであったからだ。しかも、今回のツアーでは道中で予想だにしていなかったことが起きていたのだという。この件については、mayaがMCにて語ってくれた以下の内容から概況を察していただきたい。

「今回のツアーは初めてライブをやった街もいくつかあったし、ほんとにいろんな出来事があってほんと楽しかったんですよ。(中略)ただ、出雲公演からわたしの喉がちょっと凄いことになりまして、次の大阪公演も含めて今までになかった経験をすることになりました」(maya)

なんでも、mayaは出雲公演のリハーサル中に喉の異変を感じたらしく、すぐに病院にも行ったというのだがなんと原因は不明だったのだとか。

「風邪とかでもないし、ツアー中だったとはいえ歌い過ぎによる炎症でもないっていうんですよ。お医者さんは「黄砂とかの影響があるかもしれない」とは言ってましたけど、自分としてはもっと明確な理由が欲しかったです(苦笑)」(maya)

そうした中、mayaは喉のコンディションという面では決して最良とはいえない状態のまま出雲および大阪での公演に望んで行くことになったそう。

「いきなり声がガラガラになっちゃったのは予期せぬことではあったけど、おかげさまで出雲もそうだったし、集まってくれたみんなが一緒に歌ってくれたりして、このあいだの大阪もファイナルか?!っていうくらいに盛り上がっちゃったわけ。演出とかじゃなく、ライブハウスで起きるそういうミラクルって、ちょっと卑怯じゃん(笑)。そのくらい今回のツアーはほんとに素敵だったんです。今回のツアーではみんなにたくさん助けられました」(maya)

むろん、このツアーファイナルでもLM.Cとオーディエンス側の繰り広げた連係プレイにはまるで隙がなく、しょっぱなの「PUNKY♡HEART」「DOUBLE DRAGON」「OH MY JULIET.」からフロアではいずれの曲でもサビ部分でシンガロングが展開されていくことに。また、Aijiの切れ味鋭いカッティングが映えた「レインメーカー」や、アグレッシヴチューン「Z-MAN」では多くの観客がヘッドバンギングや“折りたたみ”に興じる姿までもが見受けられたのだった。

「声を思うように出せるって、こんなに幸せなことなのか!と今日はリハをやってる段階から思いましたけど、思い返すとLM.Cの場合はなんかあってもライブを中止するっていうことは基本的になかったんですよね。ただ、2年前には我々が体調を崩したりしてライブをやむを得なく中止・延期にしたこともあったし、さらにさかのぼるとアジアツアーの時に嵐が来て飛行機飛ばなくて出来そうにないとか、そのあとも海外で火山が噴火して飛行機飛ばないっていうこともありました。そういういろんな経験をしてきた中で、いつも思ってたのは“ライブはなんとしてもやりたい”っていう気持ちなんですよ。
今回の出雲のライブが終わった時にも、あらためてLM.Cとしては“いかなる時にもやるっていう可能性を探していきたいな”と思いました」(maya)

mayaというヴォーカリストはもともと饒舌なタイプで、初期のライブでは30分くらいMCで話し続けることがむしろ普通だった。近年そこまで長くしゃべることはなくなっていたものの、やはり今回のツアーは彼にとって相当に感慨深く想い出深いものとなったのだろう。実は、ここに書き連ねていないこと以外にも“大阪エレベーター事件”や“整体院でカップルにはさまれながら施術された事件”など、さまざまなツアー期間中のエピソードが語られることになったほか、今のmayaが感じているリアルな気持ちについても語られることになった点が実に印象的だったと言える。

「そうだな…これはとらえようによっては、ちょっとさみしい話になっちゃうかもしれないけど。あらためてほんとに何があるかわかんないな、と思ったんですよ。もし、LM.Cにこの先なんかあったとしても、みんなには「もっとライブ行っとけばよかったな」とかはあんまり考えないで欲しい感じです。これは何が起こるかわかんないからこそ、先に伝えておきたいなって思います」(maya)

mayaがここで伝えたかったのは、つまり「あのライブは最高だった」とか「あのライブに行けていて良かった」「あのライブでは全力で楽しめたな」という素晴らしい想い出をたくさん作っていくことにこそ意味がある、ということだったのではなかろうか?当然、それには“今その瞬間を堪能し尽くす”ことが何より重要となるわけで、この言葉のあとに歌われたのが〈もう大丈夫 迷いはないよ 僕らの未来を迎えに行こう〉という歌詞を持つ「LET ME’ CRAZY!!」であったことにも大きな意味があったはず。

そして、ライブの最後に「The BUDDHA」で聴衆の響かせたコールとともに〈山あり谷ありの紆余曲折ばかりの人生 心電図と同じさ生きてるって証拠だろ〉と歌い上げてみせたmayaは、こう場内へ語りかけることにもなった。

「そのみんなの声が、どれだけ我々の力になっているかというのをみなさんそろそろわかっていただきたいです。LM.Cって海外でしか基本的にアンコールやんないんですけど、今日はセルフアンコール的にもう1曲やっていいですか??今までみたいに、これからもいろんなことがきっとあるんですよ。絶対に。でも、みんなとはそうなった時に一緒に乗り越えていける仲間でありたいなと思います。このツアーの最後を締めくくるのにぴったりだと思う、大切な曲をもう1曲やらせていただきます」(maya)

ちなみに、これまでの例でいくとmayaがライヴで予定外に曲を追加するときにチョイスする曲はいわゆるアッパーチューンが多かったのだが、今回のツアーを総括することになったのはシリアスかつ壮大なバラード「DREAMscape」。Aijiの紡ぎ出すドラマティックなギターサウンドと、mayaが願いと誓いを込めるように歌ったこの曲には、LM.Cの示す意思というものが濃厚に託されていたように思えてならない。

「いやー、今日のmayaは炸裂してたねぇ。多分30分以上しゃべってましたよ?最近のLM.Cはちょっとオトナになっちゃって、けっこうコンパクトにいくライブが多かったんですけど、今日は15年くらい前のニュアンスを思い出しました(笑)。今回のツアーではLM.Cとして初めて行く場所もありましたが、2月から始まって一歩一歩着実に良いライブを更新し続けて来られたなと感じてます。結成して17年半とかになってもまだ初めてが経験出来るっていうのも、とても幸せだなと思います。ほんと、みんなありがとう。この先のライブも決まってるんで、また会いましょう!!」(Aiji)

「ほんとにありがとうございました。いろんな話をしましたけど、大丈夫だよ。いろいろあるけどハッピーにやっていきましょう!これからもよろしくね!!」(maya)

というわけで。mayaの誕生日=7月30日にはZepp Shinjukuでのライブが決定しているだけでなく、11月にはAijiのバースデーライブ(11月17日・横浜1000 CLUB公演)を含むツアーも決定しているLM.C。これからも彼らと「ライブって、幸せだなぁぁ!!」という気持ちを、そのつど目一杯に共有していこうではないか。やりたいこと、やれることを、やれるときに全力でやる。それこそが幸せへとつながる王道だと信じたい。

Text:Yuki Sugie
Photo:Mirai Yamashita (Progress-M)

 

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