櫻坂46、7thシングル「承認欲求」の“BACKSメンバー”による単独ライブ完遂

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撮影:上山陽介

櫻坂46の7thシングル「承認欲求」の“BACKSメンバー”による単独ライブ「7th Single BACKS LIVE!!」最終公演が1月23日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された。櫻坂46が「BACKS LIVE!!」を実施するのは、2022年1月の「3rd Single BACKS LIVE!!」以来実に2年ぶり。1月15日・16日に東京・豊洲PIT、前日の1月22日にはZepp DiverCity(TOKYO)と計4公演を、三期生を加えた総勢12名で櫻坂46としてもレアなスタンディング会場でのライブを敢行した。また、この日はインターネット生配信も実施され、会場に足を運ぶことができなかった多くのファンも、モニター越しに彼女たちの全力のパフォーマンスを見守った。

「Overture」に導かれ、メンバーがステージの一段高い場所で勢揃いすると、観客のボルテージも急加速。村山美羽の「「BACKS LIVE!!」千秋楽、みんな叫べ!」を合図に、「Dead end」からライブは勢いよくスタートした。フロアが真っ赤なペンライト一色で染まる中、村山をセンターに据えた12人は熱量の高いパフォーマンスでBuddies(櫻坂46ファン)を魅了し続ける。

オープニングからクライマックスのような盛り上がりを見せると、その後メンバー1人ひとりの個性を打ち出したダンストラックに突入。その流れで「半信半疑」へ移行すると、センターの的野美青が憂いを滲ませた大人びた表情で同曲を堂々と表現する。以降も、座長の井上梨名による「Buddies盛り上がっていけ!」の煽りも印象的な「条件反射で泣けて来る」、センター小島凪紗が「もっと私たちに愛を叫べーっ!」と絶叫する「それが愛なのね」とダンサブルな楽曲を連発。向井純葉がセンターを務める「ドローン旋回中」では、彼女が満面の笑みでこの曲を表現することで、会場の盛り上がりも最高潮と呼べるものへ到達し、ライブの盛り上がりはこの日最初の沸点へと到達した。

最初のMCでは、井上が前日の公演を体調不良で欠席した的野が復帰したことに触れると、的野が「昨日は悔しい思いをしてしまって、楽しみにしていた方にご迷惑をおかけしてしまったんですけど、今日は「BACKS LIVE!!」最終日なので全力で楽しんでいきたいです!」と力強く宣言。その後、齋藤冬優花が「結果がすべてって言われるけど、私はそこまでの過程が大事だと思っていて。「BACKS LIVE!!」は未完成かもしれないけど、その過程を見ていただけるところが美しいと思っています」、上村莉菜が「このライブが決まったとき……一期生なのにこんなこというのはあれなんですけど、覚えられるのか不安で」、大沼晶保が「私は弱さを見せられるメンバーがいるってことがすごくうれしくて。この期間でワンチームになれたんだなって感じています」と、それぞれ本公演に向けて感じた本音を口にしていった。

幻想的なSEに続いて、石森璃花をセンターに迎えた「ブルームーンキス」でライブは再開。彼女のアイドル性が全面に打ち出され、サビ前の「あ、キスしちゃった」などのセリフに対し会場は爆発的な盛り上がりを見せるその後、小田倉麗奈が穏やかな曲調にぴったりな表現を見せる「最終の地下鉄に乗って」、遠藤理子のキュートさやふわふわした雰囲気がそのまま楽曲の世界観にも投影された「君と僕と洗濯物」と、それぞれセンターに立つメンバーの個性が活きた楽曲で会場が温かな空気で包まれていく。また、幸阪茉里乃を中心に上村、大沼、遠藤、小田倉、小島、向井の7人でパフォーマンスされた「Microscope」、齋藤や石森、的野、村山で構成された「制服と人魚」といったユニットパートでは、個々の魅力がより映える演出を用意。前者では後輩を迎え頼もしくなった幸阪の堂々とした歌とダンスを目撃することができ、後者では一期生の齋藤が三期生を牽引しながらクオリティの高いダンスで観る者を圧倒する。さらに、井上はギター弾き語りで「On my way」をソロ歌唱。自身にとっても大切な1曲だけに、たっぷり思いを込めながらまっすぐな歌声でメッセージを届け続けた。

MCを挟んでライブが後半戦に突入すると、上村の持つ儚さやしなやかさが全面に打ち出された「無言の宇宙」、齋藤の表現者としての魅力が随所に散りばめられた「僕のジレンマ」と、一期生がセンターに立つ感傷的な楽曲が続く。そんな空気を一変させるように、大沼がセンターを務める「Buddies」ではダイナミックなパフォーマンスで会場を多幸感いっぱいの空気で包み込んだ。

メンバー間の絆、ファンとの絆を表す1曲を終えると、続くMCでは本ライブの制作期間や本番期間中に感じたメンバーとの仲の深まりが語られている。井上は「櫻坂は本当に素直な子ばかり。私は今回引っ張っていく立場になったので、練習でまだまだだなと感じるところを伝えると、みんな嫌な顔ひとつせずに頑張ってくれて、そのぶん自分ももっと頑張ろうと奮い立たされた。そういうところが本当にいいなと思いました」と、この期間を振り返るコメントを寄せた。

7thシングルに収録されたBACKS楽曲「確信的クロワッサン」でライブもいよいよ佳境に突入すると、フロアの熱量も再び上昇し始める。その傾向は続く「ソニア」へも引き継がれ、会場のBuddiesはスケールの大きなサウンドに大きな声援を乗せていく。そして、最後の曲に入る前に井上が「2年ぶりの「BACKS LIVE!!」開催、初めて参加するメンバーもいれば3回目のメンバーもいて、それぞれ立場や状況、思うことは違うけど、「BACKS LIVE!!」にかける熱い思いはみんな一緒です。ここで得た熱い思いは、私たちが櫻坂46にいる限り忘れることはありません。次の曲では、私たちが絶やさず持ち続けてきた思いで、最大限にパフォーマンスしたいと思います」と力強く宣言し、代表曲のひとつ「BAN」へ突入。

「BACKS LIVE??」のために新たな解釈が加えられた振り付けで、先日のスタジアムライブ「3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE」にて披露した、ダンストラックも入ったスペシャルな「BAN」を、BACKSメンバーによる気迫のパフォーマンスで届ける。息も絶え絶えで「BAN」を踊り切ると、フロアからは12人に向けて惜しみない拍手が送られ、ライブ本編は終了した。

この日のアンコールでは、Zepp DiverCity(TOKYO)公演から追加になった「なぜ 恋をしてこなかったんだろう?」をBuddiesへプレゼント。井上を中心に、糸を使った演出とともに見応えのあるパフォーマンスが展開された。その後のMCでは、井上が「「7枚目シングルはBACKSメンバーです」と言われたとき、悔しい気持ちのほうが大きくネガティブな気持ちもあったんですけど、この「BACKS LIVE!!」って本当に1人ひとりにとってチャンスで、そのチャンスを絶対に逃したくなくて」と本音を吐露。その上で「絶対に自分を変えてやる」と思い、メンバーやスタッフ、Buddiesを信じてここまで頑張り続けたという。さらに彼女が「私の中でこの「BACKS LIVE!!」を絶対に成功させないと前に進めないし、絶対に成功させてやると思っていたので、今日皆さんにしっかり思いが伝わっていたらうれしいです」と語ると、周りのメンバーも涙ながらに頷いてみせた。そんな12人の熱い思いが込めながらも、満面の笑みを浮かべながら「I’m in」で、「7th Single BACKS LIVE!!」千秋楽は締めくくられた。

本来ならここでライブは終了する予定だったが、フロアからのアンコールを求める声が止まることはなく、それに応えるようにメンバーが再登場。最後にこの12人のための楽曲「確信的クロワッサン」をもう一度披露して、会場中が最高の笑顔に包まれライブは幕を下ろした。

セットリスト

00. Overture
01. Dead end
02. 半信半疑
03. 条件反射で泣けてくる
04. それが愛なのね
05. ドローン旋回中
06. ブルームーンキス
07. 最終の地下鉄に乗って
08. 君と僕の洗濯物
09. Microscope
10. 制服の人魚
11. On my way
12. 無言の宇宙
13. 僕のジレンマ
14. Buddies
15. 確信的クロワッサン
16. ソニア
17. BAN

アンコール
EN1. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
EC2. I’m in

ダブルアンコール
W-EN. 確信的クロワッサン

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