ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』いよいよ初日! 浦井健治「公演一回一回が、かけがえのない瞬間の輝き」

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ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

 

2020年8月11日(火)東京・日比谷シアタークリエにてミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』が初日を迎える(8月30日(日)まで上演)。韓国で産声を上げた本作は、人間よりも人間らしい、愛すべきヘルパーロボットたちを描き、本国のミュージカル賞を総なめにした話題作。日本人キャストによって初上演される今回、旧型のヘルパーロボット・オリバー役を浦井健治が、オリバーとは型式が異なるロボット・クレア役を中川翔子花澤香菜が、オリバーの元の持ち主・ジェームズ役ほか多数を坂元健児斉藤慎二(ジャングルポケット)がWキャストで務める。
このゲネプロの模様をレポートする。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

浦井健治

浦井健治

まず視界に入ってきたのはオリバーの部屋。自分の充電が終わり目覚めた旧型ヘルパーロボットのオリバーは大事にしている植木に朝の挨拶をし、レコードで好きな曲を聴き、定時に届く郵便物を配達員から受け取る。そんなルーティンで穏やかに暮らしていた。浦井はヘルパーロボットらしい相手との対話を大事にするような、それでいてどこか“プログラミングされた”感のある言葉を発し、またロボットらしい動きを自然に見せていた。

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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中川翔子

中川翔子

花澤香菜

花澤香菜

そこに現れたのは向かいの部屋に住む同じく旧型のヘルパーロボット・クレア。自分の充電が切れてしまうので充電ケーブルを貸して欲しい、とオリバーにお願いするが、突然の訪問者であり、自分とは正反対の考えで接してくるクレアに困惑するオリバー。クレア役を演じる中川と花澤はそれぞれ少しずつ異なる表現でクレアを演じていた。中川のクレアはちょっと勝気で強気、花澤のクレアは愛くるしさの裏に女子ならではのちょっとしたしたたかさが垣間見えるようだった。

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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オリバーとクレアは充電ケーブルを貸し借りしているうちに少しずつ心を通わせる。ひょんな事からオリバーが自分の元持ち主であるジェームズに再会したいという願いを持っていることを知ったクレアは、一緒に旅に出る提案をする。オリバーはもちろんジェームズに会うため、クレアは大好きな蛍を見るために。この時代、ヘルパーロボットが家から離れる事が禁じられていたため、人間の恋人同士に偽装して珍道中を展開する二人。ジェームズが昨年亡くなっていた事を知ったオリバーは悲しみに暮れるが、旅の間に本来プログラミングされていない“愛情”をいつしか持ち始める二人だった。

中川翔子

中川翔子

花澤香菜

花澤香菜

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

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浦井健治

浦井健治

浦井と中川、浦井と花澤のコンビは芝居も歌もいい塩梅。中川演じるクレアが心に芽生えた新しい感情を歌で語る様は切なく、花澤演じるクレアが徐々にオリバーの心を開こうと歌う様もまた愛おしさを感じさせた。またクレアに反発し振り回され、やがて少しずつ心を開いていくオリバー・浦井が見せるピュアな姿はおそらく浦井ファンの心をキュンとさせるに違いない。

坂元健児

坂元健児

坂元健児

坂元健児

斉藤慎二

斉藤慎二

斉藤慎二

斉藤慎二

物語の中で、様々な役に扮して登場する坂元と斉藤の存在もこの物語にいいスパイスと微笑みを与えていた。ジェームズ役だけでなく、時にはオリバーが聴いているレコードの歌手として、またクレアの友人たち、郵便配達員、旅の途中で宿泊するモーテルの受付など一瞬で次の役に早変わりしてまたステージに登場する二人に思わず笑いが沸き起こったり、セクシーな声で歌い上げて観客を魅了していた。

全編を通して奏でられる生演奏の音楽はどれも美しいものだった。韓国ミュージカルならではの独特なハーモニーもあり、音程を合わせるのが難しそうな旋律もたびたびあったが、キャストたちはそんな不安も難なくクリアし、美声を響かせていた。

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』

初日前にキャストからコメントが届いたので紹介しよう。

■浦井健治(オリバー役)
いよいよお客様が入っての上演ということで、稽古場から皆で和気あいあいとやってきたものがようやく花開く、と言いますか。
ほっこりしていただくような時間を皆さんと一緒に過ごせるということで、本当にハッピーな気持ちでいっぱいでございます。
このメンバーならではの日本版になるんじゃないかなと思っています。

■中川翔子(クレア役・Wキャスト)
本当に全身がフワフワしていて夢なんじゃないかなって思ってしまうくらい、シアタークリエに立てるという事が、本当に人生において特別なことです。
物語もとっても幸せな気持ちになれて毎日笑顔いっぱいで稽古に励んでまいりましたので、全身全霊でクレアを楽しみたいと思います。

■花澤香菜(クレア役・Wキャスト)
(劇場に入って)舞台を見た時に本当に素敵で、一目見た瞬間に『メイビー、ハッピーエンディング』の世界に入れるような感じの作りになっていてとってもワクワクしました。クレアを演じられるのを楽しみにしております。

■坂元健児(ジェームズ役・Wキャスト)
約一か月間稽古してきて、すごく面白い作品になったと思ってます。
初日が迎えられる喜びを味わいたいですね。
今はとにかく気を引き締めて、初日を迎えることを願っております。

■斉藤慎二(ジェームズ役・Wキャスト)
素晴らしい方々と共演できることを本当に嬉しく思っています。
新宿の「ルミネ」というところでは何度も立たせていただいたんですけども、全く緊張感が違うなと言うか(笑)。
皆さんと一つの素晴らしい作品を作れることを本当に誇りに思っていますので、一生懸命頑張りたいと思います。

――注目してほしいシーンは?

浦井:本当に心温まるストーリーです。そのピュアさと言いますか、“ピュアピュア”な感じが一番出ているのが、蛍を見に行くシーンだと思います。蛍の幻想的な輝き、一瞬のきらめきなのかもしれないですけれど、それが永遠の愛と言いますか。幸せな瞬間として心の中に残る、そんなシーンじゃないかなと。
オリバーとクレアを通して、演劇って消えちゃうものだけど、きっと一生心に残るんじゃないかな、というところがリンクしているような気がするので、その素晴らしさを体感していただけたらなと思います。

中川:この作品は音楽が本当に素晴らしくて、もう一日中胸の中に音楽がぐるぐる回ってしまうぐらいです。なのでオリバーとクレアは最初対立をしているのですけれど、音楽でどんどんとお互いの気持ちが出ていって、そして稲妻に打たれたみたいにハーモニーが重なり合っていく。本当に素敵で、ミュージカルってなんて美しい世界なんだろうって、演じながら本当に幸せを感じております。

花澤:心の触れ合いが一番見所かなと思います。ジェームズとオリバー、そしてクレアとオリバーの関わりがどうなっていくのか注目してほしいのと、坂元さんと斉藤さんがいろんな形で舞台に出てくるのがすごく楽しみで(笑)。
いつも笑いをこらえるのが大変なんですけど、そこも注目していただきたいなと思います。

坂元:個人的なことで言わせていただきますと、ジェームズという役はいくつかキャラクターを演じさせていただいております。
たった5秒しか出ない役もありまして、そのたった5秒のために早替えを5秒でやるという、そんなシーンがありますので、注目していただけたら嬉しいです(笑)

斉藤:(オリバーとクレアの)ドライブのシーンですね。音楽が本当に素晴らしいんですよね。リズムを取りたくなるような、本当に二人の雰囲気が素晴らしくて、そこはいつも見ていてなんかワクワクするシーンというか。注目してもらいたいなと思ってます。

――斉藤さんはミュージカル初出演ですが。

斉藤:出演者の皆さんやスタッフさんにもたくさん迷惑を掛けたり、色々と分からない部分が本当にたくさんあって、それを修正していくことで精一杯な毎日だったんですけど、一つずつ形ができていく中で、自分も皆さんの一員になれたことを本当に幸せに思っています。
でも自分が初めてだからというのは何の言い訳にもならないですし、お客様はやっぱり、ひとつのミュージカルを見に来てるわけですから、そこで自分がやることを精一杯やって皆さんの印象に残るような素敵なミュージカルにしたいと思っています。一生懸命頑張たいと思います。はい!

――最後に浦井さん、代表で意気込みをお願いします。

浦井:メンバー、スタッフ全員が、またお稽古ができるという喜びからスタートしました。意気込みとしてはもちろん完走! 一回一回が、本当にキラキラ光っているようなかけがえのない瞬間瞬間の輝きだと思っているので、それを目撃していただくというのが最終的な目標かなと思っております。
あとはもう、お客様に楽しんでいただけるように我々みんなも楽しんでいけたらな、と思っております。

(左から)斉藤慎二、花澤香菜、浦井健治、中川翔子、坂元健児

(左から)斉藤慎二、花澤香菜、浦井健治、中川翔子、坂元健児

取材・文・撮影=こむらさき
会見写真=オフィシャル提供

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