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ユニバーサル ミュージック、「物言う株主」が10兆円超で買収提案

ビジネス 海外

富豪ビル・アックマン氏が率いる投資会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは4月7日、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)に約558億ユーロ(約10兆4,000億円)規模の買収提案を行なったと発表した。

取引が成立すれば、音楽業界の歴史上でも最大規模の案件の一つとなる。提案額は1株当たり30.4ユーロと、直近の終値に78%のプレミアムを上乗せした水準。

パーシングは長年にわたりUMGの株価低迷を批判してきた「物言う株主」で、株の保有比率は5%。米ネバダ州に設立する会社とUMGを統合し、ニューヨーク証券取引所に上場させるほか、ハリウッドの代理人として名高いマイケル・オーヴィッツ氏らを取締役会に送り込む計画だ。

アックマン氏は同日に開いた投資家説明会で、UMG株主から「圧倒的な支持」が得られると見込みだと自信を示した。提案前に、UMG筆頭株主の仏複合企業ボロレ・グループ(保有比率は直接・間接で計28%)に概要を話したところ、好感触だったとしている。

取引には、UMGの取締役会の支持と、臨時株主総会に出席した株主の3分の2以上の賛成票が必要となる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

音楽業界最大規模の買収提案が飛び出した。パーシング・スクエアがUMGに約10兆4,000億円の買収提案——直近株価に78%のプレミアムを乗せた数字だ。アックマン氏が「UMGの株価低迷は音楽ビジネスの問題ではなく、上場先・資本政策・IR戦略の問題」と指摘する論点は鋭い。ボロレ・グループの28%という集中した大株主構造、米国上場の先送り、Spotify持ち分2,700億円の未活用——これらは確かに経営判断の問題だ。ただし成立には株主の3分の2以上の賛成が必要で、ボロレなしでは不可能とアックマン氏自身が認めている。UMG取締役会は「グレンジCEOへの完全な信頼」を表明しつつ慎重に審査する姿勢で、歓迎ムードとは言い難い。アーティスト向けにSpotify持ち分から7億5,000万ユーロを拠出する提案は、クリエイターの取り込みを狙う巧みな設計だ。音楽業界の地図を塗り替えるかもしれない提案の行方は、ボロレの判断にかかっている。

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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