工藤静香、30周年東名阪ツアー東京公演オフィシャルライブレポート

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工藤静香が、9月16日に東京・Zepp DiverCity(Tokyo)にて「Shizuka Kudo 30th Anniversary Live 凛」を開催した。

工藤静香は、1987年に「禁断のテレパシー」でデビュー。今年8月にソロデビュー30周年を迎えた。その節目にリリースされたのが、17枚目のオリジナルアルバム「凛」である。2005年の「月影」以来12年ぶりとなる本作は、既発曲は一切収録せず書き下ろし楽曲のみで構成。玉置浩二、松本孝弘、岸谷香など、豪華アーティストが工藤の30周年に花を添えるべく、楽曲提供に参加している。

「30周年」「凛」の2つが冠された今回のツアーは、東名阪を巡る全3公演。ライブの幕を切ったのは“愛絵理”の名義で工藤が作詞を手がけ、「NHK紅白歌合戦」のステージでも披露した「Blue Rose」。ライブ冒頭では、アルバム「凛」から「どうせなら」「蜜と棘」の2曲もパフォーマンスされた。「蜜と棘」は、作詞に伊集院静、作曲に松本孝弘を迎えた激しいギターサウンドが会場に響き渡る楽曲。“とろけ出す蜜を/今あげる/HONEY TIME”の歌詞では、工藤が目元にピースサインをかざし、愛らしい仕草を見せる一幕もあった。

「やっと会えましたね!」と工藤が笑顔で会場のファンに挨拶すると、「FU-JI-TSU」の後に「夏がくれたミラクル」「くちびるから媚薬」の後に「セレナーデ」を披露するという、シングル曲の後にカップリングを披露するというセットリストで歌を届けていく。右腕を突き出す振り付けが印象的な「くちびるから媚薬」では、マイクを客席に預けるという一幕も見られた。

「中島みゆきさんの詞を集めた曲を」と歌い出したのは、中島みゆきが作詞を手がけた「MUGO・ん…色っぽい」。その後に披露された「黄砂に吹かれて」、工藤の最大のヒット曲である「慟哭」も中島作詞の楽曲であり、その数は20曲を超える。

ライブ中盤には、紫から赤のドレスに衣装チェンジし、デビューアルバム「ミステリアス」から「哀しみのエトランゼ」を歌唱。デビュー曲「禁断のテレパシー」や「嵐の夜のセレナーデ」など初期から歌い継いできた楽曲、さらには松井五郎による作詞の「恋一夜」やアルバム「凛」からの楽曲を中心としたパフォーマンスが続く。公私共に親交のある岸谷香の提供曲「Junk」では、右拳を突き出してシャウト。吉田山田が手がけた切なく壮大なバラード「針」やニコニコ動画を中心に活動する若きクリエイター・まふまふが手がけた「禁忌と月明かり」では、新たな工藤の一面を垣間見ることができた。工藤が作詞を担当し、“この身を焦がして君を照らすよ”と歌われる「鋼の森」では、30年の貫禄と今も第一線で活躍するアーティストとしての実力を証明した。

ツアーTシャツにGパンといったラフな格好で再び姿を見せた工藤は、「嵐の素顔」でアンコールをスタート。大サビでは、顔の前で手首を縦横に動かすお馴染みの振りを見せ、ファンを喜ばせる。「永遠の防波堤」「Blue Velvet」では、タンバリンを演奏しながら妖艶なオーラを放ち、ファンを魅了。バンドメンバーからキーボードの澤近泰輔を残し、ライブの最後を飾ったのは「声を聴かせて」だった。

「自分の声と、みんなの声とで思いを伝えたいと思って、最後にこの歌にしました。30年って本当にあっという間のような、とても長かったようにも思います。みなさんのおかげで歌えてます。これからもよろしくお願いします。また会える日を楽しみにしてます!」。時代を彩った彼女の代表曲はもちろん、最新アルバムの楽曲も随所で披露した充実の2時間。30周年の輝かしいキャリアと31年目に向かっていく“31曲”が披露され、アニバーサリーライブの幕を閉じた。なお、今回のライブを収録したDVDは2017年12月に発売することが決定している。

セットリスト
1.Blue Rose
2.Jaguar Line
3.どうせなら
4.蜜と棘
5.FU-JI-TSU
6.夏がくれたミラクル
7.パッセージ
8.証拠をみせて
9.くちびるから媚薬
10.セレナーデ
11.MUGO・ん…色っぽい
12.群衆
13.黄砂に吹かれて
14.雪・月・花
15.慟哭
16.哀しみのエトランゼ
17.禁断のテレパシー
18.愛が痛い夜
19.震える1秒
20.嵐の夜のセレナーデ
21.かすみ草
22.恋一夜
23.メタモルフォーゼ
24.Junk
25.禁忌と月明かり
26.針
27.鋼の森
EC1.嵐の素顔
EC2.永遠の防波堤
EC3.Blue Velvet
EC4.声を聴かせて

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