GLAYアプリは何故生まれたのか、リーダーTAKUROが語る「ファンファースト」

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GLAY

2月にGLAYがスタートさせた「GLAYアプリ」。シングル2枚同時リリースやビデオシングル、20万人ライブなど常に時代の新しい事へのチャレンジをするGLAYが、何故「公式アプリ」をスタートさせたのか、その熱い気持ちをリーダーTAKUROが語った。

日本を代表するロックバンド「GLAY」が今、そして次に見据える“音楽”に対する情熱を感じてみよう。
 

TAKURO オフィシャルインタビュー一部抜粋

——自主レーベルで、ここまでのアプリを作るというのは、アーティストとしては、ある意味理想的な形だと思います。

TAKURO:2006年に、GLAYの版権、原盤、映像の権利、そしてファンクラブの運営などを前事務所から僕の個人会社が全ての権利関係を買収できたという事が、一番大きいです。

やっぱりそれまでの業界の形、慣習という人間が作ったシステムを改善、改革していかなければいけないのに、そのスピードの遅さにGLAYは合っていませんでした。テクノロジーの進化に敏感なHISASHIは「メンバーのリクエストに応えられないバンドなんて嫌だ」と当時から言っていて、自分達がいつまでもコンテンツでいてはダメで、コンテンツホルダーないし、今回のアプリのような、プラットホームになるしかないと思っていました。それがメンバーの期待にも応えられて、かつユーザーのためになると思いました。

俺は24時間GLAYの事と、自分の人生をどうデザインするかを考えていて、それは第三者にはわからないし、そこまで考えるように求められないし、無理な事で。

メンバー同士の関係はメンバー同士にしかわからないし、いくら言葉で説明しても100%理解してもらえない。

だから人に任せるのも限界だと思ったし、俺らを取り巻く環境という名の制度も疲弊していたので、自分達で全ての権利を持ち、活動した方が、それが一番ファンの人たちが好きなGLAYの形になると思いました。

その思いの最新形がこのアプリです。やっぱりメンバーが一番大切にしているのは、GLAYとファンの人たちが活発に交流できる場だと思うし、それに対して組織やシステムに望むのは、アーティストとしての自由な発想を遮られることなく、それはお金という意味でも、時間という意味でも、好きなだけGLAYというものを謳歌したいという事です。

——応援してくれている人との距離が縮まって、新しいファンも増えて、来年の25周年が賑やかになりそうですね。

TAKURO:盛大になりそうなんですよ。メンバーともミーティングを重ねていて、ライヴハウスから大きいハコまで、1年半くらいかけて、応援してくれた人たちみんなに届くような、一番ファンの人たちが望んでいるライヴの形を、実現させたいと思っています。

それと10年前くらいから取り組んでいる、コンサートの前後も楽しんでもらえる施策をやりたいです。例えば北海道物産展やイベントがあるとか、どこかでGLAY展があったり。

GLAYの東京でのライヴに行こうって、地方から来た人たちが、旅自体がGLAYを通じて楽しめるようなものにしたい。考え方はこのアプリと一緒ですよね、ひとつのもので色々と楽しめるという部分では。

土、日がライヴなら、金曜日から月曜日までも楽しんでほしい、それでまた気持ちよく日常に戻ってほしい、という事を考えて25周年にやるべき事を練っています。

このアプリの中には2つテーマがあって、まずデビューから応援してくれている人にとって楽しいものである、そして新しくファンになってくれた人たちにとっては、最高の入口である事という、一見矛盾しているかのような2つテーマを、ひとつのアプリにどう落とし込めるかという部分が一番難しかった。

そして大体のサイトはGLAYのある部分しか欲しがらないけど、でもここに来ると、GLAYの、もしかしたら今まで手軽に見せられなかった部分、例えばアコギ一本で作ったデモ音源が聴けたり、GLAYのより深いところを知りたい人たちにとっては、たまらないものにしたかった。

でもライトなファンの人たちにとっても、ここでGLAYの全ての歴史を知る事ができますよという、この二つを一つにするデリケートな作業が大変でした。

つまり、昔からファンでいてくれている人達にとっては、音源、映像ともにすでに持っているものです。

ライフスタイルが変わっていく中、その便利さはさらに進化して、昔のものをどこからか引っ張り出してきて、開けて、プレイヤーに入れて、という行為はしなくなると思いました。さっきも言いました、その便利さに人は勝てないと思い、映像も音源も全てここに詰め込みました。

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