トム・ペティの親族、ドナルド・トランプを激しく非難

コラム 高橋裕二の洋楽天国

6月20日にオクラホマ州タルサで行われた共和党大統領選挙の集会。トム・ペティの「アイ・ウォント・バック・ダウン」がキャンペーン・ソングに無断で使われたとして、トム・ペティの親族がドナルド・トランプを激しく非難した。

2016年の大統領選挙では以下の出来事があった。

ローリング・ストーンズがドナルド・トランプに、選挙キャンペーンでの「スタート・ミー・アップ」他の楽曲使用を止めるよう抗議した。それに対してトランプは、「法律上問題ない。私はミック・ジャガーが好きだ」と答えた。

ドナルド・トランプ側の主張は、「共和党はASCAPやBMIと包括契約を結んでいる」だ。音楽著作権者はASCAPやBMIといった非営利団体に、主にラジオ局での使用について、著作権使用料の徴収を任せている。ラジオ局も数多くの著作権者と使用料の契約を結ぶのは大変なので、これらの団体と契約する事で全ての曲が使用できる。トランプ側の主張なら、彼はビートルズからボブ・ディランといったあらゆる音楽著作権者の曲を使う事ができる。しかし例えばBMIの契約では、「著作権者が曲を使わせたくないなら包括契約から外す事ができる」となっている。ミック・ジャガーが好きだから使えるという事にはならない。あまりにもお粗末な人物。

スティーヴン・タイラー(エアロスミス)の代理人がドナルド・トランプに書簡を送った。エアロスミスの「ドリーム・オン」を選挙のキャンペーンで使用するなという内容だ。

ドナルド・トランプと取り巻きは著作権侵害の常習者。ニール・ヤングの「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」を無断使用し、ニール・ヤングから抗議を受けた。R.E.M.は「世界が終わる日」を無断使用されたとして抗議した。

それにしてもドナルド・トランプは多分全く懲りない。また誰かの曲を無断で使用する。共和党支持者は著作権法や無断使用を知るべくもないだろうが、しかしこの程度の大統領候補者を応援する。

高橋裕二の洋楽天国記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
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