テイラー・スウィフト、自身の過去作品について番組で歌うことを妨害されているとSNSで呼びかけ

コラム 高橋裕二の洋楽天国

テイラー・スウィフトは先週の木曜日(11月14日)、テイラー・スウィフトの過去の原盤権を保有する音楽マネージャーのスクーター・ブラウンが、過去の作品を番組で歌うことを妨害しているとして非難した。

スウィフトは11月24日に開催されるABCテレビの特番「アメリカン・ミュージック・アワード」で、過去のヒット曲をメドレーで歌う予定だったという。しかし、ブラウンと彼女が以前所属していたビッグ・マシーン・レコードのスコット・ボルチェッタ会長が、最新アルバムの「ラヴァー」以前に発売した全ての楽曲を番組で歌うことを阻止しようとしているとSNSを通じてファンに訴えた。

ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデのマネージャーであるスクーター・ブラウンは自身のファンド、イサカ・ホールディングスを通じて、ビッグ・マシーン・レコードから今年6月、テイラー・スウィフトの過去の6枚のアルバムの原盤権を獲得した。買収金額は330億円(1$110円換算)だった。これに対してテイラー・スウィフトは、自分が買うつもりだったと言い、「最悪なシナリオ」と吠えた。そして6枚のアルバムを全て再レコーディングすると宣言した。

歌手がいる。レコード会社と契約をする。CDが1枚売れたらアーティスト印税がいくら貰えるかを決める。レコードの権利である原盤(マスター)の権利は当然レコード会社が持つ。そうでなかったらレコード会社は成り立たない。

アメリカのレコード業界で、アーティストとレコード会社が結ぶ契約書には必ず、「再レコーディングの制限」という項目がある。皮肉にもテイラー・スウィフトの弁護士ドナルド・パスマンが書いた音楽ビジネスのハウツー本である「音楽ビジネス成功の條件」にこう書いてある。

「どの契約書にも、契約期間中にレコーディングした曲は契約が切れた後しばらくは再レコーディングが出来ない。これは「再レコーディングの制限」とよばれるものだ。よく考えてみれば全く論理的な規定だ。もしこれがないと、契約が終わった後、アーティストは別のレコード会社で前と全く同じアルバムを作ることができる。最低期限として契約終了から3年から5年は禁止される」

この条項で、テイラー・スウィフトは再レコーディングがすぐには出来なくなった。

しかし特例があって、ドナルド・パスマン曰く、この条項は「番組のレコーディングを規制するものではない」という。ならばABCテレビの「アメリカン・ミュージック・アワード」で歌ってレコーディングしたらまずいのかと。

金曜日、スクーター・ブラウンとスコット・ボルチェッタ会長は声明を出した。「私達にはテイラー・スウィフトが番組で歌う事を止めさせる権利なんてあるわけが無い」

テイラー・スウィフトはSNS(彼女の場合はタンブラー)を使って、音楽ビジネスの仕組みをしらない一般ファンに呼びかけ、あおる。音楽業界関係者には、テイラー・スウィフトが一人で犠牲者ぶっているとみる人達もいる。

高橋裕二の洋楽天国

記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
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