続くパンドラ株価の下落、一時急騰も15.57ドルで取引終了

コラム 高橋裕二の洋楽天国

続くパンドラ株価の下落、一時急騰も15.57ドルで取引終了

先週の金曜日(3月13日)、13日の金曜日かどうかは定かでは無いが、ニューヨーク証券取引所のパンドラ株が11%も急騰した。前週はおおよそ14ドル台だった。理由はパンドラが買収されるのではないかという噂が流れたからだ。

パンドラの株価 グラフ1
パンドラの株価 グラフ1

しかし1年程のスパンでみると、インターネット・ラジオのパンドラの株価は下落し続けている。下のグラフで見ると、昨年8月には少し持ち直した。この時はグーグル、アマゾン、ヤフー他による買収の噂が流れたからだ。

パンドラの株価 グラフ2
パンドラの株価 グラフ2

ではパンドラはそんなに魅力がない会社なのか。そんな事はない。
今年の3月4日、メディア調査や市場調査等を行っている調査会社エディソン・リサーチが、1月と2月、12歳以上のアメリカ人2002人に電話で行った音楽接触調査等の結果を発表した。普段良く聴いている音楽ストリーミング・サービス。調査対象者の何パーセントが聴いているかだ。

1位)パンドラ(Pandora) インターネット・ラジオ 45% 独立系

2位)iHeartRadio インターネット・ラジオ 17% 米ラジオ最大手のiHeartMedia傘下

3位)iTunes Radio インターネット・ラジオ 16% アップル傘下

4位)スポティファイ(Spotify) 定額制音楽ストリーミング・サービス 13% 独立系

5位)アマゾン・ミュージック(Amazon Music) 定額制音楽ストリーミング・サービス 7% アマゾン傘下

これを見る限り、ストリーミングでビジネスをやっている企業ではパンドラが圧勝。しかし株価は、金曜日だけは良かったが、昨日(月曜日)は5.29%ダウンして、15.57ドルで引けた。噂は噂でしかなかったようだが。簡単な話、パンドラはまだ赤字の会社なのだ。黒字になった事がない。だから株価は普通上がらない。

アップルが、ヘッドフォン事業を込みとは言え、ビーツ・ミュージックを3000億円で買収した。定額制音楽ストリーミング・サービスのビーツ・ミュージックをアップル・ブランドで立て直す。音楽ダウンロードの売り上げが落ちているとはいえ、iTunesストアーはレコード音楽の小売業としては圧倒的なトップだ。そしてパンドラを買収したら。iTunesRadioと組み合わせて、インターネット・ラジオの王者になる。そして定額制音楽ストリーミング・サービスのスポティファイを囲い込み、ダウンロードの弊害になっていると言われる、無料サービスを含む「フリーミアム」のビジネス・モデルを駆逐する。ありえない話ではなさそうだ。

記事提供元:洋楽天国


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