グラミー賞「最優秀ロック・アルバム賞」ノミネートに疑問の声

コラム 高橋裕二の洋楽天国

先週5日に発表されたグラミー賞のノミネーション。アメリカの音楽業界でおかしいんじゃないかと疑問の声が上がっている。部門は「最優秀ロック・アルバム賞」だ。以下がノミネートされた5作品。

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U2「ソングス・オブ・イノセンス」

トム・ペティ「ヒプノティック・アイ」

ベック「モーニング・フェイズ」

ブラック・キーズ「ターン・ブルー」

ライアン・アダムス「ライアン・アダムス」

グラミー賞にはルールがある。新人賞を除き、作品は9月末日までに発売されていなければならない。U2はソングス・オブ・イノセンスを、9月のアップルのiphoneキャンペーンに合わせて、5億人のiTunesユーザーに無償配布した。そして実物のCDやダウンロードは10月14日発売で、グラミー賞に間に合わない為、限定版のアナログLPを対象ぎりぎりの9月30日に販売した。グラミー賞事務局は、「対象になります」とコメントしていた。

音楽業界誌ビルボードは先週、「ソングス・オブ・イノセンス」は何故グラミー賞に値しないのかという記事を書いた。根幹の部分は大半がタダのアルバムが対象になるのかと、グラミー賞の選考委員はタダのアルバムに対して正当な評価を下せるのかという点だという。U2は「ソングス・オブ・イノセンス」をアップルからの「贈りもの」と主張し、業界関係者はタダの「景品」と評した。音楽誌ローリング・ストーンは5星満点の5星を与えた。

ところであざといのかどうか。自転車事故で大けがをしたボノのライブ復帰がグラミー賞のステージになるという噂がある。

第57回グラミー賞 ノミネート
http://www.grammy.com/nominees

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