定額制音楽ストリーミング「ビーツ・ミュージック」スタートから3ヶ月、米音楽業界紙の評価は

コラム 高橋裕二の洋楽天国

ビーツ・ミュージック(Beats Music)オフィシャルサイト
▲ビーツ・ミュージック(Beats Music)オフィシャルサイト

今年1月21日にスタートした、定額制音楽ストリーミング・サービスのビーツ・ミュージック(Beats Music)。音楽業界誌ビルボードは、「始まって3ヶ月だが初動は期待外れ」と書いた。ビーツ・ミュージックと契約した会員は6桁の下の方の数字だそうだ。50万よりは少ない、10万よりは多いという事か。ビーツ・ミュージックは会員数を発表していない。

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月額10ドルで音楽をスマートフォン他で、ダウンロードではなくオンデマンドでのストリーミングで無制限に聴く事が出来る。

ビーツ・ミュージックはヘッドフォン「Beats by Dr.Dre」で大成功を収めているビーツ・エレクトロニクス社(Beats Electronics)が運営する。ビーツ・エレクトロニクス社はヒップ・ホップ系のプロデューサー、ドクター・ドレー(49歳)のアイデアで生まれた高級ヘッドフォンを製造販売する。日本でも愛用者が多い。ヘッドフォンに小文字のbのデザインがある。ドクター・ドレーのアイデアに乗ったのがインタースコープ・レコードのジミー・アイオヴィン会長。エミネムやレディー・ガガを大スターにした立役者 。オーデション番組「アメリカン・アイドル」のコーチ役も務めていた。またワーナーミュージックを買収したウクライナ系ロシア人のレン・ブラヴァトニクはビーツ・ミュージックに60億円(1$100円換算)を投資した。

定額制音楽ストリーミング・サービスでオンデマンドの最大手はスポティファイだ。ビルボード誌によると、アメリカで会員は200万を超えたという。そのスポティファイはソフトバンクが買収した米携帯電話3位のスプリントが近々「フラミリー(Framily)」というプランに組み込むという。業界関係者はビーツ・ミュージックの立ち上がりが上手くいかないのは、この商売は時間がかかると見ている。お金を払って音楽を聴くというビジネスは簡単ではないという事だ。実際スポティファイはアメリカでサービスを開始して2年半になる。

有料や無料のストリーミングによる音楽配信。無料の最大手はインターネット・ラジオのパンドラとアメリカ・ラジオ業界最大手のクリアー・チャンネルが運営するiHeartRadio。昨年暮れにはアップルがiTunesRadioで参入した。無料だが広告が入る。ビルボード誌によると今年(2014年)の第一四半期(1月〜3月)で、ストリーミングによる売り上げは33%伸びて171億円の売り上げ。iTunes他のダウンロードの売り上げは13%ダウンして473億円だった。

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