第54回グラミー賞、最優秀新人賞のノミネーションに疑問符

コラム 高橋裕二の洋楽天国

【グラミー賞ノミネーション決定に業界の反応】

今週11月30日、来年の第54回グラミー賞のノミネーションが発表されたが、アメリカの音楽業界誌はどう見ているのか。昨年の最優秀新人賞にエスペランサ・スポルディングがノミネートされた時も、「エスペランサ、フー?」だったが、彼女が最優秀新人賞を取ると賛否両論が巻き起こった。

グラミー賞のノミネーションと受賞者は、作詞作曲家、ミュージシャン、プロデューサー、レコーディング・エンジニア達が会員の「ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス」(会員は1万数千人といわれている)のメンバーによって選考される。

今年の最優秀新人賞のノミネーションで、DJのスクリレックスに疑問符がついた。スクリレックスは本名ソニー・ムーア(23歳)のステージ名。実績はレディー・ガガの「バッド・ロマンス」のリミックスぐらい。スクリレックス名のデビュー・ミニ・アルバムはビルボード・アルバム・チャートの最高位69位。アメリカのレコード業界人はスクリレックスをアーティストやミュージシャンというよりはDJとしての認識程度。

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最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされたマムフォード&サンズの「ザ・ケイヴ」。アルバム「サイ・ノー・モア」は批評家の評価も高く、ビルボード・アルバム・チャートの最高位2位になったが、シングルの「ザ・ケイヴ」はビルボード・シングル・チャートの最高位27位。それに加え、今年(2011年)2月のグラミー賞でこの曲を演奏している。音楽のクリエイター達は評価するのだろうが、レコード業界人達は、何をいまさらという感じでとらえている。

同じ事はボン・イヴェールについても指摘されていて、アルバム「ボン・イヴェール」はビルボード・アルバム・チャートの最高位2位だったが、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされたシングル「ホロシーン」はビルボード・シングル・チャートの100位にも入っていない。

反対にどうしてノミネートされなかったのかと業界誌が指摘しているのはポール・サイモンのアルバム「ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット」だ。様々な媒体で高い評価を得たし、ビルボード・アルバム・チャートの最高位4位の実績もある。

また映画「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞作曲賞を受賞したトレント・レズナーとアッティカス・ロスが選考に漏れたのはおかしいとビルボード誌は書いた。映画は大ヒットし、若いファンを魅了し、映画業界以外からのミュージシャンとしての成功を考えたらどこかの部門にノミネートされてもいいのではないかと。

賞の選考には様々な意見がある。第54回のグラミー賞は2012年2月12日に開催される。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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