米ビルボードのシングル・チャートにYouTubeのデータが加算

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アメリカでどんな曲が流行っているかという指針になるビルボード・シングル・チャート(正確にはビルボード・ホット・100 Billboard Hot 100)。今週のチャートからYouTubeの視聴回数がチャート作成のデータに加えられた。調査会社ニールセンとビルボード誌が発表した。

1958年にスタートしたビルボード・シングル・チャートは、時と共にチャートを作成する上でのデータが変遷している。長い間シングル盤の売り上げだけでチャートが作られた。レコードがCD時代になるとアメリカでシングル盤が発売にならないケースが増えた(CDシングルだと赤字になる為だ)。その為1999年からはシングル盤が発売されていなくても、ラジオでのエアプレイがあればシングル・チャートに入る事が出来るようになった。この時点でシングル・チャートでなく、「ヒット曲」のチャートになった。

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現在シングル・チャート(ヒット曲チャート)は調査会社ニールセンのサウンドスキャンによる実売データ(殆どがダウンロードによるもの)とラジオのエアプレイ・データ(ブロードキャスト・データ・システムズ)に加え、昨年3月からスポティファイ等のオン・デマンド・サービスによる聴取回数もチャート作成上のデータに加えられた。またインターネット・ラジオでの聴取回数も加えられたが、インターネット・ラジオ最大手のパンドラがニールセンにデータを提供しない為、ビルボード誌はチャート作成に使っていない。

YouTubeの視聴回数をチャート作成上のデータとして使う事に、ビルボード誌の解説委員ビル・ベルデは、「ビルボードのチャートは何が音楽で成功しているかの究極の基準。常に新しい音楽の買われ方や聴かれ方を取り入れていく」と答えた。とはいえチャートを作成する上で、どのデータをどのくらいの比率で使うのかは明らかにされていない。

このチャート作成変更で今週のシングル・チャート(ヒット曲チャート)は23歳のプロデューサー、バウアー(Baauer)によるエレクトロ・ダンス曲「ハーレム・シェイク」が初登場1位になった。この曲を使った様々な踊りのビデオがやたらに受けている。PSYの「江南スタイル」もYouTubeが加えられていたら1位になっていたかもしれない。バウアーのレコード会社はインディーズの「Mad Decent」。ラジオでかからなくても1位になる事が出来る時代になった。いいか悪いかは別として。

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