世界の音楽ソフト売上、2025年は初の300億ドル突破 IFPI
国際レコード産業連盟(IFPI)は3月18日、「Global Music Report 2026」を公表。世界の録音原盤収入は2025年に317億ドル(約5兆308億円)と過去最高を記録した。前年比で6.4%拡大。伸びは2024年の4.7%から加速し、11年連続でプラスとなった。
売上高は全地域で増加し、特に中南米(17.1%増)、中東・北アフリカ(15.2%増)、サブサハラアフリカ(15.2%増)、アジア(10.9%増)の4地域では2桁の成長を記録した。
ストリーミング収入は7.7%伸び、初めて220億ドルを突破。売り上げ全体に占める割合は69.6%となった。
このうち、サブスクリプション(有料ストリーミング)は8.8%拡大。録音原盤売り上げ全体の52.4%を占めた。有料ユーザー数は8億3,700万人に上る。 広告付き(無料ストリーミング)は4.3%伸びた。
フィジカルは53億ドルと8.0%拡大。売り上げ全体に占めるシェアは16.6%となった。内訳を見ると、アナログレコードは13.7%増で19年連続のプラス。CDは3.7%、音楽ビデオは10.8%それぞれ伸びた。
演奏権は29億ドルと0.3%増と5年連続のプラスを確保。売り上げ全体に占めるシェアは9.3%だった。 シンクは6億4,100万ドルと2%縮小した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
音楽の売上は、世界の文化経済の成長地図でもある。2025年の地域別成長率を並べると、中南米17.1%増>中東・北アフリカ15.2%増>サブサハラアフリカ15.2%増>アジア10.9%増——という順になる。かつて「アジアの時代」と言われた文脈で語られてきた音楽市場の成長が、今や中南米・北アフリカ・アフリカへと広がっている。ラテン音楽、アフロビーツ、アラビック・ポップ——これらのジャンルが世界市場で存在感を増してきた流れと、この地図は重なっている。人口が若く、スマートフォンの普及が加速するこれらの地域では、音楽消費と文化的な自己表現が同時に花開きつつある。世界の有料ストリーミングユーザーが8億3,700万人に達し、サブスクが録音原盤売上の52.4%を初めて超えた2025年は、その転換が数字になった年だ。IFPIのグローバルレポートは毎年「音楽業界の健康診断」として読まれるが、地域別の成長率は「次の文化・経済の震源地はどこか」という問いへの答えとしても読める。ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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