米国の有料音楽配信、近く飽和状態に? 有料会員の純増数わずか2.7%増

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米国の有料音楽配信契約者が最大数に達しつつあるーー。同国の国勢調査と全米レコード協会(RIAA)のデータを基に、 Music Business Worldwide(MBW)が8月29日伝えた。 

国勢調査によると、2023年の米国の世帯数は1億3143万世帯。一方、RIAAの発表では2024年上半期(1〜6月)の音楽ストリーミング配信における有料アカウント数は9,900万件だった。 

有料アカウントの純増数は、前年同期比でわずか250万件(2.7%増)。伸びは近年、縮小傾向にある(2023年同期は790万件増、2022年同期は940万件増、2021年同期は1,440万件増)。 

米国は依然として世界最大の音楽市場だが、国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した録音原盤市場の卸売売上高に占める同国の割合は2023年時点で38%にとどまる。MBWは、音楽ストリーミングのサブスクが今後も複数の主要市場で成長する可能性が十分にあると分析している。 

なお、RIAAの数字は、プレミアム有料サブスクリプションアカウントの件数を示している。Amazon Primeなど制約のある「限定ティア」のサブスクは含まれず、ファミリープランのように複数ユーザーが利用できるものは個人アカウントとみなしている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「アメリカの有料音楽配信が飽和状態。有料アカウントは前年比2.7%増に留まった。ここ数年話しているがサブスクとライブに支えられた音楽景気は終了し、拙著で強く語ったポスト・サブスクがいよいよ現実的な目標となってきた。残念ながら日本は周回遅れだが、だからこそリープフロッグを仕掛けられる位置にある。業界の気概に期待したい」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。