第一興商、23年4月~24年3月期の売上高が過去最高に 利益面も大幅改善

ビジネス 音楽業界

第一興商

第一興商は5月13日、2024年3月期の個別業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。

当連結会計年度のカラオケ業界は、主力市場であるナイト市場・カラオケボックス市場を中心に、全体として回復傾向で推移した。当期の業績は、売上高は過去最高となる1,467億4,600万円(前期比14.5%増)となった。利益面においては、営業利益は186億100万円(同43.6%増)、経常利益は195億6,100万円(同43.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は125億6,800万円(同51.0%増)となった。

業務用カラオケ事業は、商品の好調な出荷とともに、機器賃貸件数及びDAM稼働台数が堅調に増加したことにより、売上高は前期比5.8%の増収となった。営業利益については、将来のストック収入の基盤となる賃貸機器やコンテンツへの投資を行った影響などにより、前期比8.9%の減益となった。

カラオケ・飲食店舗事業は、カラオケ10店舗、飲食11店舗の出店を行い、カラオケ12店舗の閉店と、飲食において複合業態の統合などに143店舗の閉店を行ったことにより、当期末の店舗数はカラオケ506店舗、飲食159店舗となった。5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが引き下げられたことなどにより、店舗の集客は期初から回復傾向で推移した。最大の繁忙期である12月には、カラオケ店舗における二次会利用に回復が見えたほか、飲食店舗の予約受注が好調に推移し、当期の既存店売上高はコロナ禍以前に比べカラオケ店舗で8%減、飲食店舗で12%増の水準まで回復し、前期比ではカラオケ店舗で22%増、飲食店舗で29%増となった。売上高は前期比25.5%の増収となり、71億円の営業利益となった。

音楽ソフト事業は、イベント・コンサート等が再開され、音楽業界にも活気が戻りつつあるなかで、CD・DVD等の商品販売及びテレビ番組制作事業が概ね計画水準で推移した。以上の結果、売上高は前期比4.7%の増収となり、営業利益は前期比63.6%の増益となった。

その他事業は、新たな収益の柱とするべく「ザ・パーク」ブランドで展開するパーキング事業が堅調に推移し、当期末時点で2,500施設、30,000車室を超える規模に拡大した。また、土地オーナー様に向けたテレビCMなどを通じて「ザ・パーク」ブランドの認知拡大に努めた。以上の結果、売上高はパーキング事業収入の増加などの影響により前期比14.4%の増収となり、営業利益はパーキング事業に係る広告宣伝費などの販管費が増加した影響により、前期比7.0%の減益となった。なお、東京・大阪・沖縄等で「ブレイクパーキング」700施設・6,000車室を運営するクレストの全株式を2月に取得しているが、当事業の売上・利益に寄与するのは来期(2025年3月期)からとなる。

2025年3月期の業績は、売上高が4.1%増の1,527億円、営業利益が1.1%増の188億円、経常利益が0.2%増の196億円、親会社株主に帰属する当期純利益が4.2%増の131億円を見込んでいる。

関連タグ

オススメ