NexTone、22年4月~23年3月期は大幅な増収増益 売上高は同社発足時から7期連続増収・営業利益は6期連続増益

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NexTone

NexToneは5月12日、2023年3月期の連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表した。

主力の「著作権等管理事業(著作権管理業務及びデジタルコンテンツディストリビューション業務)」はリリースの復調、配信市場の伸長、管理作品と取扱原盤の増加、営業活動の強化等を背景に順調に進展しており、「キャスティング事業」は感染症の影響から徐々に持ち直し、増収となった。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は88億1,467万円(前年同期比117.7%)、営業利益は8億4,019万円(前年同期比118.6%)、経常利益は8億4,146万円(前年同期比118.0%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は税効果会計における繰延税金資産の回収可能性を見直した影響により6億3,126万円(前年同期比130.8%)と大きく増加した。

著作権等管理事業の著作権管理業務においては、音楽著作物の利用時期と同社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2022年1月~12月となる。当該期間のCD/映像ソフトのリリース状況は感染症の影響が落ち着き、録音権にかかる著作権使用料徴収額は徐々に回復し前年同期比117%となり、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの伸長や動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等によりインタラクティブ配信徴収額も順調に増加し前年同期比124%、放送・有線放送徴収額は同社管理作品のCM利用の減少はあったものの、管理作品の順調な増加等により前年同期比109%となった。以上の結果、著作権徴収額全体で前年同期比121%となり、同社設立以降7期連続の増加となった。

また、委託権利者や管理作品が順調に増加し、他管理事業者から11,187作品(うち、新規移管による純増6,049作品、委託範囲拡大5,138作品)の移管も実施した。移管作品の中には当期に同社が管理を開始した演奏権の一部を管理する作品も多く含まれている。これらの作品は今後の同社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれる。

同事業のデジタルコンテンツディストリビューション(DD)業務においては、ストリーミング市場伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、動画配信サイトとの取り組みや動画投稿サービスにおける収益化業務の拡大、原盤売上最大化のための様々な販促活動の強化、精緻なマーケティングデータの提供等権利者向けサービスの拡充等により、売上高は前年同期比117%の増収となった。

以上の結果、著作権等管理事業の売上高は80億7,244万円(前年同期比117.3%)、セグメント利益は14億8,825万円(前年同期比118.3%)となった。

キャスティング事業においては、感染症による影響のため、上半期においては予定していたライブビューイング等一部の案件において見送りや延期を余儀なくされたが、徐々にリアルイベントが活性化し、ミュージカルや音楽コンサートのライブビューイングの他、お笑いや歌い手ライブ等取扱いジャンルを広げた家庭向け動画配信コーディネート、楽曲や映像コンテンツの利用促進コーディネート、他社との共催イベントだけでなく新たに同社自主興行を開催する等、With/Afterコロナにおける様々なサービスの開発提供に取り組んだ結果、売上高は6億6,682万円(前年同期比126.2%)、サービス構成の変化や人件費増による利益率低下によりセグメント利益は2,400万円(前年同期比57.9%)となった。

2024年3月期の通期連結業績予想については売上高101億円(前年同期比114.6%)、営業利益10億円(前年同期比119.0%)、経常利益10億円(前年同期比118.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益7億円(前年同期比110.9%)を見込む。

新型コロナウイルス感染症の同社グループ事業への影響については、一部事業において2024年3月期中も続く可能性があるものの、限定的と考えているという。「著作権等管理事業においては、音楽・動画配信市場は引き続きの伸長を想定しているが、その成長率に変化の兆しが見られており、注視が必要であると認識している。また、放送分野においては管理作品が順調に増加しており、今後徐々に徴収額に反映されることを見込んでいる。なお、音楽著作物の利用時期と同社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じる。キャスティング事業においては、イベント等での関係者感染による延期や中止等の影響を受ける可能性があるものの、Afterコロナにおいてライブビューイング等のリアルイベントが活性化することを想定している」と説明している。

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