アニメのリーチサイトを運営、北海道警が男性を逮捕

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北海道警察本部と札幌方面西警察署は9月29日、違法にアップロードされた侵害コンテンツに公衆を誘導する複数の「リーチサイト」を運営していた男性1名を著作権法違反の疑いで逮捕した。

男性は4月19日、自身が運営するリーチサイトAに、別のサイトに違法アップロードさていた株式会社バンダイナムコフィルムワークスほか7社が著作権を有する「転生したらスライムだった件」第25話「リムルの忙しい日々」へのリンクを提供し公衆を誘導していた。

さらに5月25日には、リーチサイトAへのアクセスを、自身が運営する別のリーチサイトBにリダイレクトさせ、そこから別のサイトに違法にアップロードされていた東宝(株)ほか5社が著作権を有する「SPY×FAMILY」第1話「オペレーション〈梟(ストリクス)〉」へのリンクを提供し、公衆を誘導していた。

男性が運営していたリーチサイトは、いずれも海外の海賊版サイトにアップロードされた約2,000件のアニメ作品のリンクを設置し、クリックでストリーミング再生が可能となっていました。SimilarWebによると、サイトAについては、多い時で1カ月あたり200万を超えるアクセス数を集めており、5月ごろから本格稼働していたと見られるサイトBについても、8月時には、1カ月当たり130万アクセス以上を記録していた。サイトには広告が複数掲載されており、広告費を稼ぐ目的で運営がされていたものとみられる。なお、海外の海賊版サイトにアップロードされていた侵害コンテンツについては、男性自身はアップロードしていないとのこと。

2020年の著作権法改正においてリーチサイトが規制されて以来、日本国内にサーバーを置く複数のリーチサイトが閉鎖するなどの大きな効果が表れているが、今回のように権利侵害を続ける悪質なリーチサイトは引き続き存在しており、さまざまな著作物の違法アップロードへのリンクを掲載することでアクセス数を集め、広告収入を稼ぐリーチサイトは、直接違法アップロードを行う海賊版サイトと同様に悪質であり、権利者にとって看過できない行為となっている。

コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、悪質なリーチサイトが摘発されたことが、同様のサイト運営の抑止につながるものと期待するとともに、海外における悪質な海賊版サイトの運営者の摘発、コンテンツのアップローダーの特定なども視野に、引き続き著作権の適正な保護と健全な正規流通の促進のために努めるとしている。

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