JASRAC、2020年度上半期事業報告および第7回JASRAC音楽文化賞を発表

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左よりJASRAC いではく会長、浅石道夫理事長

日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月18日、2020年度上半期事業報告および第7回JASRAC音楽文化賞発表に伴う記者会見を東京・けやきホールにて開催した。

新体制の報告から、いではく会長の挨拶、そして10月20日に発表された2020年度上半期事業報告について、改めて各担当役員から説明があった。

総括説明を行った浅石道夫理事長は「コロナ禍という困難な時代に秘策はない。コロナ禍におけるJASRACの経営指針は『ただひたすら許諾・徴収・分配という本来業務に邁進すること』。現在の困難な状況においても改革と挑戦を継続していく」と語り、その第一歩として役員の若返りと、企業内起業家の育成を目指した「Grow J」の取り組みを報告。「Grow J」に関しては、すでに31件の新規事業案応募があり、プレゼン等を経て年度内あるいは次年度の事業化を目指すとのこと。

また、2020年度年間徴収見込額にも言及し、下半期は新型コロナウイルスの影響を特に受けるため、前年比7.6%減の1,087億円を見込むとした。

続いて、第7回JASRAC音楽文化賞が発表され、瀧井敬子氏(音楽学者、音楽プロデューサー)、西脇義訓氏(音楽プロデューサー、指揮者)、山本宣夫氏(ピアノ修復家)の3名が受賞した。

JASRAC音楽文化賞は、売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人・団体・作品等に光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰するため2014年11月に創設。受賞者には表彰盾と副賞(30万円)が贈られる。

第7回 JASRAC 音楽文化賞受賞者コメント

瀧井敬子氏(音楽学者、音楽プロデューサー)

私は日本近代洋楽史の原点を厳密に研究し、その結果を著作だけでなく舞台公演によっても発表するなど、特異な活動を粛々と行って参りました。このような地味な仕事を評価していただき、望外の喜びです。

西脇義訓氏(音楽プロデューサー、指揮者)

思いがけない受賞、うれしい限りです。オーケストラの常識への幾多の疑問がオーケストラ創設の動機です。アンサンブルの原点に帰り、演奏者と聴衆が共に幸せになる演奏を目指し、さらなる精進を重ねます。

山本宣夫氏(ピアノ修復家)

この様な賞を戴き光栄です。ピアノは時代と共に変遷をしてきました。今、ベートーベン達の時代のフォルテピアノの音が新鮮な感じを、また感激を与え現代に受け入れられています。これからも多くの人々に感動を与えられるよう頑張りたく思います。

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