オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート発表、市場規模は前年比100.8%の1460億円

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オリコンは、「2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」(対象期間:2014年12月29日~2015年6月28日)を発表した。

※売上金額は売上枚数に定価・希望小売価格(税込)を乗じて算出。
 

1.音楽ソフト市場全体動向

音楽ソフトの2015年上半期市場規模は1460.0億円で、前年同期⽐を100.8%とした。アルバムが上半期実績を791.7億円とし、前年同期⽐で101.5%とわずかに増加。上半期実績としては、8年ぶりに前年を上回った2014年上半期に続き、2年連続で前年⽐増を⽰した。

⼀⽅、シングルの売上額は289.4億円となり、前年同期⽐は99.9%とほぼ前年並となったが、昨年同期に続いて2年連続で300億円を割り込む結果となった。

「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【図1】音楽ソフトの半期毎売上推移
「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【図2】音楽ソフト 盤種別売上構成(⾦額)
「音楽」映像ソフトでは、音楽DVDの実績が233.9億円で前年同期⽐は93.2%と、4年連続となる前年⽐減を⽰したのに対し、音楽BDの実績は145.1億円で、前年同期⽐は112.7%となった。08年のBD市場規模調査開始以降では、下半期を含めて過去最高の半期実績となったが、「音楽」映像ソフト全体では、378.9億円で前年同期⽐は99.8%と、市場規模は若⼲の減少を⽰した。

また、ジャンル別で⾒ると、アルバム、音楽BDの好調を受けてJPOPは、1176.7億円で、前年同期⽐は106.8%とシェアを伸ばしている。

「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【表1】2015年上半期 音楽ソフト総売上表
「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【表2】音楽ソフト総売上額におけるジャンル構成
アルバム市場は、2014年上半期や年末商戦期を含む2014年下半期も上回り、前年同期⽐で101.5%と堅調だった。

期間内に42.7億円を売り上げた、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「PLANET SEVEN」を筆頭に、Mr.Children「REFLECTION」(27.4億円)、サザンオールスターズ「葡萄」(22.6億円)、AKB48「ここがロドスだ、ここで跳べ!」(20.1億円)と、20億円以上を売り上げた作品が4作となり、2014年上半期の2作(AKB48「次の足音」、V.A.「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック」)から倍増して、市場を牽引した。

シングル市場では、ミリオンセールスを上げたのは「僕たちは戦わない」(21.4億円)、「Green Flash」(12.1億円)と、2014年上半期同様 にAKB48の2作だった。50万枚以上100万枚未満のセールスを上げた作品数は前年同様5作であったが、10万枚以上50万枚未満の作品は前年20作→24作に増加し、中間層のセールスが下⽀えしたことで、前年同期⽐99.9%と、ほぼ前年と同等の⽔準を保った。

「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【表3】2015年上半期 音楽ソフト売上額上位作品 期間:2015年1月12日付〜7月6日付(2014年12月29⽇〜2015年6月28⽇)
音楽BD市場は、2015年も過去最高の上半期市場規模となった。DVD「ARASHI BLAST in Hawaii」で22.0億円を売り上げ、2015年上半期DVD売上1位となった嵐は、BD「ARASHI BLAST in Hawaii」でも18.7億円を売り上げ、2015年上半期BD売上1位となった。嵐は2014年上半期も音楽BD「ARASHI アラフェスʼ13 NATIONAL STUDIUM 2013」(7.6億円)を発売しているが、倍以上にセールスを伸ばし、BD市場を牽引した。DVDでは10万枚を売り上げた作品が前年同様に5作あったが、市場規模の縮小は4年連続となった。
 

2.音楽ソフト市場 メーカー別シェア

エイベックス・グループを筆頭にソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル ミュージックと上位3社の顔ぶれは、2014年上半期と大きな変化はない。

2015年4月の月間メーカー(発売元)別セールスで首位となったジェイ・ストームは、「音楽」映像ソフトの売上が前年同期⽐128.4%と伸⻑し、前年の5位から1ランク上昇した。また、トイズファクトリーは前年の売上規模から倍以上の伸びを記録して6位になった。Mr.Children「REFLECTION」やSEKAI NOOWARI「Tree」といったアルバムによって、売上規模が拡大したことがその要因となっている。

「オリコン2015年上半期音楽ソフトマーケットレポート」【表4】音楽ソフト売上額上位メーカー10
 

3.そのほかのトピック

Mr.Children「REFLECTION」(2015年6月発売)の初動売上は35.5万枚/21.9億円で、前作「[(an imitation)bloodorange]」(2012年11月)の同53.0万枚/16.2億円と⽐較すると、枚数が下がった⼀⽅で、売上⾦額は増加していることに象徴されるように、特にヒット作品に関しては、高付加価値化によって1作あたりの高額化傾向が進んでいる。ところが、音楽BDはこれとは対照的に、価格は低下に転じている。

カタログ作品等を中⼼に、アルバムのリリースタイトル数はここ数年、増加傾向にあったが、2015年上半期は減少に転じており、前年同期⽐で97.3%となった。

オリコン調べ(oricon.co.jp

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