KKBOX、シンガポール政府系投資ファンド(GIC)より100億円超の大型資金調達

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28日、日本でもサービスを展開している台湾発のアジア最大級音楽ストリーミングサービスKKBOX本体が、シンガポール政府投資公社(GIC)から104百万ドル(100億円超)の大型出資を受けたことが分かった。

ソブリン・ウエルス・ファンド(政府系ファンド)で世界最大規模の投資会社の一つであるGIC。KKBOXの共同ファウンダーでCEOのクリス・リン氏は

“今回のGICからの出資費用は、KKBOXの海外展開をより確かにするために、またKKBOXのテクノロジーおよびサービスの改善・向上に使われることになるでしょう”

とコメント。現在展開している台湾、日本、香港、シンガポール、マレーシア、タイの各エリアおいての地位を確固たるものにすることへ意欲を見せた。

GICは、KKBOXのユニークなサービス内容やアジア市場に根付いたローカルな展開、及びサービス提供国での強い存在感を高く評価しており、今後の長期的な成長に期待し出資にいたった。これにより経営陣以外のKKBOXの株主はKDDI、GIC、HTC中華電信(台湾最大の通信キャリア)という構成になる。

SpotifyやDEEZER、Beats、Googleの新サービスをはじめとする海外プレイヤー、そして国産のコンペティターが鎬を削るこれからの国内音楽デジタルサービス市場において、KKBOXはKDDIをはじめアジアの大企業をバックグランドに着実に資金力を強めている。日本でKKBOX JAPANを子会社とするKDDIは、先日音楽ニュースサイト”ナタリー”を運営するナターシャの株式の90%を取得。「日本を代表する音楽Webメディアとの相乗効果でデジタル市場のプライオリティ把握を目指すのでは」と予想する業界関係者もいるようだ。

広告の導入で世間を賑わしているSoundCloudが、これまで調達した資金額が約100百万ドル超と言われているので、アジア発のデジタル音楽サービスも額面規模では欧米のそれに見劣らない状況になりはじめているといえるだろう。
(JIro Honda)

KKBOX CEO Chris Lin(クリス・リン)インタビュー -Musicman-NET
KKBOX JAPAN 合同会社 松山泰士 インタビュー -Musicman-NET

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