YUTORI-SEDAI
『one man live “Order made”』2026.01.30(fri) 渋谷WWW
2023年2月のリリース以来、MVの再生回数を伸ばし続けている「すき。」、SNSで様々な人気インフルエンサーが使用してバイラルヒットした「ぎゅっとして、」など、主に恋愛をテーマとする歌詞がZ世代を中心とした層の共感を呼んでいる西東京発の3ピースロックバンド・YUTORI-SEDAI。メジャーデビューした昨年を経てさらなる飛躍を遂げようとしている姿を、大阪と東京で開催された『one man live “Order made”2026』は印象づけてくれた。1⽉30⽇(⾦)・東京・渋谷WWW公演の模様をレポートする。
YUTORI-SEDAI
「史上最高に楽しむ準備はできてるかい? 今日は何も我慢しなくていいから、アゲアゲでいこうぜ!」――金原遼希(Vo/Gt)が観客に呼びかけて「恋しちゃったんだ」がスタート。加わった手拍子がビートを彩り、明るい昂揚感で満たされた会場内。金原のギターソロに続いて上原駿(Ba)のベースソロもばっちり決まり、フロアにいる人々のダンスはますますの熱を帯びた。続いて、「ぎゅっとして、」と「YURU FUWA」も披露されてから迎えた最初のMC。「人生という長い道のりにおいては、今日という1日は1ページ未満なのかな? そんな1日かもしれないけれど、それでも決して忘れることのないような、そんなすてきな1ページをあなたと一緒に作りに来たので、最後までよろしくお願いします!」と金原が言い、「ベストシーン」「鏡よ鏡」、新曲の「嫌になっちゃうよ、」も届けられた。キャッチーなメロディとダンサブルなビートの融合が心地よい。ステージ中央に躍り出た金原のギターソロで盛り上げる場面も度々交えつつ、華やかな3ピースロックを全開で放っていた。
金原遼希(Vo/Gt)
1年2ヶ月ぶりに東京でワンマンライブができることを喜び合ったメンバーたち。「みんなで最後まで楽しんでいきましょう!」(上原)。「今日のこの空間を最高にハッピーにしましょう! 普段我慢していることがたくさんあると思うけど、そういうことも全部解放できるような時間にできたらなと思っています」(金原)――2人の言葉も届けられた後、演奏が再開された。「去年の4月に出したEPの中から、しんどかったなあという片思いを思い出しながら書いた曲を」と金原が言い、歌い始めたのは「私だって、」。女性目線で描かれた歌詞が、届かない恋心を浮き彫りにしていた。続いて披露された「もう一度好きになって」も歌声が切ない。美メロにもじっくり浸れる2曲であった。
上原駿(Ba)
軽快なビートと歌詞に刻まれた心の揺らぎのコントラストが独特な味わいだった「新宿ロマンス」。満たされることのない想いを描いたこの曲が、“泣き踊り”とでも表現すべき盛り上がりを生んだ後、「ここから後半戦だけど、ついてこられるか? YUTORI-SEDAIのロックをお見せします!」と観客を煽った金原。3人のダイナミックなソロ回しを経て雪崩れ込んだ「ロックンロール」が、観客の興奮をどんどん高めていく。夏を先取りするかのようだった「サマートリガー」は、人々の手拍子がステージから届けられるサウンドに爽やかな熱を添えていた。
櫻井直道(Dr)
「今回のワンマンライブ、”Order made”というタイトルは、物理的には不可能だけど、心の中では1人1人と向き合いたいというバンドとしての想いを乗せました。今日も『俺ら対みんな』じゃなくて、『俺らとあなた』みたいな、そういう気持ちでやってます」――ライブのタイトルに込めた想いを説明した後、「自分たちのライブにお客さんが来てくれて、ワンマンライブもできるって、バンドを始めた頃からの大きな夢の1つだったわけよ。あなたは俺らにとって夢そのもの」と語る声は、穏やかなトーンでありつつも熱を帯びていた。「あなたには俺らを突き動かすパワーと価値があるっていうことを忘れないでほしい。俺にとって一番の憧れは、あなたが来てくれることなんです。俺らは無条件であなたの味方。そういう気持ちで曲を作っていきますので。自信のなかった俺らに勇気をくれてありがとうございます」――YUTORI-SEDAIの音楽の核にある想いに触れた気がするMCであった。そして、「そんなあなたに向けて、あなたのことだけを考えて作った曲があるので、それをやります」という言葉が添えられた「ずっとそばに」がスタート。温もりに満ちた歌声と演奏が、ステージを見つめる人々を包んだ。
YUTORI-SEDAI
観客の明るい歌声が加わった「すき。」。掲げられたたくさんの拳が激しく揺らいだ「アイラブユーベイビー」。飛び跳ねた人々のエネルギーがフロア揺らし、《LOVE LOVE LOVE LOVEいつまでも》《LOVE LOVE LOVE LOVE YUTORI-SEDAI》というコール&レスポンスも繰り広げられた「足りないくらいがちょうどいい」……強力な3連発で本編は締めくくられた。が、アンコールを求める手拍子に応えて、すぐにステージに戻ってきたメンバーたち。着用しているツアーグッズのシャツをアピールした上原と櫻井が「かわいいー!」という声を浴びた後、金原が想いを語った。「世の中、理不尽なこと多いじゃないですか? それに対して常に先頭に立って戦ってあげられる人間でありたいなとすごく思っていて。無条件で味方でいられるようなそんな人、バンドでいたいなと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。俺らには夢がたくさんある。もっと大きな会場でできるように音楽をやっていくので」――そして届けられた未発表曲の「yume」は、夢に向かって進む中で重ねる出会いの喜びが滲んでいた。エンディングを迎えてからステージの前方に集合。肩を組んで「ありがとうございました!」と挨拶をした金原、上原、櫻井を観客の拍手が讃えていた。
取材・文=田中大 撮影=Ayaka.

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