【ライブレポート到着】Lienel、Zepp Hanedaで魅せた圧巻のパフォーマンス 新たなステージへ

6人組メインボーカル&ダンスグループLienelが、東阪をめぐる「Lienel 3rd Live Tour 2025「Lienel a go-go!」」を5月6日にZepp Haneda(TOKYO)、5月10日にZepp Namba(OSAKA)で開催した。
4月にリリースした1stアルバム「罪と罰」でオリコン週間ランキング2位を獲得するなど、人気急上昇中の彼らだけに、2都市3公演は立見席まで完全ソールドアウト。“Lien(Lienelファンの呼称)たちに感謝を届ける”というアルバムのテーマにのっとり、歌謡SHOWなどで自らの武器を惜しみなく発揮して、伸び盛りの勢いと進化を証明してみせた。東京夜公演の終演後には9月より東名阪ツアー「Lienel 4th Live Tour 2025「Miracle」」を行うことも発表。会場を埋めつくしたLien(Lienelファンの呼称)を沸騰させたライブのうち、東京での昼夜2公演についてレポートする。
超特急、M!LKら人気若手ボーイズグループが多数所属するアーティスト集団・EBiDANの末っ子として、一昨年の4月にデビューしたLienel。平均年齢17.6歳の彼らは、若さに似合わぬ大人びたラブソングから歌謡ロック、王道アイドル曲、トンチキソングにユーロビートなど幅広いジャンルを歌いこなし、着実に支持を広げてきた。
今年は“全国のLienに会いに行く!”をテーマに「Lienel a go-go!」なる企画を始動させ、年明けにリリースしたシングル「Go Around The World」はオリコン週間ランキング2位に。北は北海道から南は九州まで全34回のリリースイベントを行い、Lienたちと絆を深めていった。
そんな一連の企画の終着点とも言える東阪ツアーは、オープニング映像に続いて「罪と罰」の1曲目でもある「UNKNOWN GROOVE」の初披露で幕開け。
ステージ上に姿を現した6人は、ピンクと白を基調にした王子様スタイルで、満場のLienたちを一目で虜にしてしまう。このツアーのために髪を金色に染めた森田璃空を皮切りに、後方の壇上から飛び出すような躍動的なパフォーマンスは、ひたすら前進する力を感じさせるもの。重低音に乗った各メンバーのラップも力強く、Lienelの歌唱の核を担う武田創世が“No Limit”とささやく通り、まさに限界知らずの未来を予感させていく。そんなポテンシャルを秘めたメンバーの内面を暴くべく、「俺たちの自己紹介曲です! わかるところは声出して一緒に盛り上がっていきましょう!」と高岡ミロが号令をかけてからは、未発表曲の「We are Lienel!!!!!!」を本邦初公開。“なにわの天使”と呼ばれた森田に始まり、高岡は“ミロにメロメロ”、高桑真之は“健康第一”、武田は“ずっと反抗期”、近藤駿太は“未体験イケメン”、そして“あたふたなリーダー”と形容された最年長の芳賀柊斗まで、それぞれの個性がアピールされると、Lienたちはペンライトを振ってコールを入れていく。“楽しんだもの勝ちだよ”というリリックは「UNKNOWN GROOVE」の“楽しんだもの勝ちの人生”というラップ詞とも重なり、さらに“永遠の絆ずっと育んでいたい”と、グループ名の由来である“Lien éternel(=永遠の絆)”もしっかり歌詞に組み込んでいるのがニクい。
そこから定番の歌謡ロック曲「恋は罪ですか」に、アルバム収録の90年代ど真ん中なユーロビート曲「恋のFIRE!FIRE!!FIRE!!!」で場内は沸騰。ちょっぴりレトロな香りは、2000年代生まれの彼らが咀嚼することにより新たな味となり、今やLienelの魅力的な個性として完全に根付いている。さらに「Lienの皆さんと僕たちで、いろんな景色、見ていきましょう!」と芳賀が誘い、四季をたどっていくブロックへ。
まずは、ピアノの音色が導く「花鳥風月」で桜色の和傘をひらめかせ、メロディックに歌い上げて桜舞う春を切なく表現していく。
続く「ギラサマ」ではジャケットを脱ぎ捨て、シックな黒シャツ姿でエキサイティングなラップやダンスパートも交えながら、タイトルの通り灼熱の夏を全開に。一転、ステージの各所に設置されたハイチェアに腰かけ、ハイトーンで静かに歌い継いでいった「kimito」では、最年少の高桑が「ずっと会いたかったよ」(昼公演)、「俺だけ見てろって!」(夜公演)とLienを誘って、涼やかな秋に一滴の熱を落とし込む。
最後は真っ白な冬の恋を彷彿させるウィンドチャイムの音も交え、ありったけの愛を“君”に贈る「セカイイチ」で6人それぞれのキメポーズを繰り出
し、おとぎ話のようにスイートな冬景色を描き出していった。
春夏秋冬を彩るLienel流のラブソングでLienの胸を鷲摑みにしてからは、メンバーカラーのスパンコール衣装を6人が身にまとう映像が流れ、最後に“Lienel歌謡SHOW”の文字が映し出されると会場を揺るがすほどの大歓声が。それを受けて袖にフリンジのついたスパンコール衣装+羽根付きヘッドバンドを着けた昭和アイドルスタイルの6人が登場し、彼らの大きな武器である“歌謡”を猛烈アピールしていく。まずは、大阪出身の森田が「Lienel歌謡SHOWの始まりやで!」と関西弁で宣言する「妄想劇場」で時代を逆行したシュールな世界観を届け、Lienと共に大きく手を振ったあとは、高岡のシャウトから「じれったいKISS」へ。“えーさえーさえさほいさ”と始まるコミカルなジャズライクのラブソングでは鼓の音も鳴って、Lienelらしいトンチキ歌謡で楽しませていく。
そして曲終わりにヘッドバンドを掴み外すと、今度は天井から下りてきたソフトハットをかぶって「ジュリアの口づけ」を披露。マイクスタンドに手をかけて腰を揺らせば、客席から“ヤバい!”の声が湧き、サンバホイッスルが鳴るなか、巧みにハットを使って情熱の舞を見せていく。軽く半世紀は時代をさかのぼるようなド直球の歌謡曲を照れなく歌い踊り、終盤でハットを投げ捨てると“ジュリアの口づけ”とラストフレーズを歌った武田がニヤリ。今年リリースされた3曲でLienelの新たな“歌謡ワールド”を展開し、そのまま「さぁさぁZepp揺らすぐらい行くで!」(森田)と、Lienelのトンチキ歌謡曲として愛され続けてきた「Mr.Sister」を放って、最後は客席に向かって薔薇の花を投げ入れる。どこまでもコテコテに振り切ったダンスを一切の茶化しなく、純度120%の真剣さで向き合うところから生まれる、このおかしみもまた、彼らの中毒性高い魅力の一因に違いない。だが、アルバムのリード曲「罪と罰」が始まれば空気は一変。日本人が馴染みやすい歌謡調のラインをベースにしながらも、葛藤の中から希望を見出そうとするアッパーチューンは徹頭徹尾シリアスで、ストーリー性の高いダンスにLienの目も釘付けに。最後は上手、下手、中央と三方に礼をして、Lienelならではの“SHOW”は拍手の中で締めくくられた。
ここでキュートなパステル衣装に着替える間を交互にMCでつなぎ、昼公演では「髪をミルクティー色に染めたのに、(森田)璃空が金髪にしたから目立たない!」と、高岡が不満顔に。また、夜公演では近藤が「起きて朝食とお風呂どっちを先にする? 俺はご飯が先」とLienに問いかけ、お風呂が先派の武田とバトルになっていた。
そこからは「まだまだ僕たちと違う景色を見に行きましょう!」と日替わり曲の披露も。東京の昼公演ではレトロなスカ曲「Stay tuned」、夜公演では美しさと爽快感を併せ持つ「Beautiful Music」に、失った恋の切なさをペアダンスでスタイリッシュに表す「フルムーン」と、多彩なパフォーマンスで魅せていく。アルバム収録の高速チューン「アンチハート」では、ゲームをモチーフにしたストーリーを表すダンスでLienの目を奪い、クライマックスではおなじみのライブチューンを連投。Lienのメンバーコールが弾ける情熱の歌謡チューン「純情シンドローム」で、上体をのけぞらせてジャケットを肩からすべらせるフィニッシュからは、ダンスブリッジを挟んでパラパラ曲「Neo ROMANTIC」へとなだれ込む。メンバー同士セクシーに絡みながら“未体験…”とささやいて、場内からあがるLienの“フーッ!”という声は、今や彼らのライブで曲を完成させるために無くてはならないもの。
そのハイテンションのまま「大きい声出してくれないと、僕、3日間寝込んじゃうから!」と高岡が煽った「親指☆Evolution!」では、Lienと一緒に“Oh!Yeah!”と声を出して大きくジャンプし、会場の心をひとつにしていく。
約4ヶ月で全国をめぐったリリースイベントでLienとの絆を深めてきたことをリーダーの芳賀が伝え、最後は年明けにリリースしたシングル「Go Around The World」を投下。世界を見下ろし、さらに高くLienと共に羽ばたいていこうという願いを込めたポジティブなナンバーを爽快に歌い上げ、Lienが照らすペンライトの光と共に感動的な景色を作り上げていく。東京夜公演では、歌いながら高岡の涙腺が崩壊するシーンも。
また、昼公演ではアンコールの1曲目「No Limit, No Rules」を終えて「今、踊ったときマジで涙出そうで……感動しちゃって。日頃からLienのみんなに感謝しかない。ありがとうございます」と涙する高桑に、高岡が駆け寄って抱きしめる一幕もあった。武田がたくましい歌声でLienelの未来を明るく照らしていった「No Limit, No Rules」の後半では客席にサインボールも投げ込み、盛り上がりは最高潮へ。昼公演のMCでは1stワンマンから1年4ヶ月ぶりにZepp Haneda(TOKYO)のステージに立ったことに触れ、高岡は「前回ソールドアウトできなかったが今回はできた」と喜び、近藤も「前回は自分に集中してLienの顔が見えていなかったけれど、今回は1人ひとりの顔を見て楽しむことができた」と成長を語った。
夜公演では、まず高岡が支えてくれるメンバーとLienへの愛を爆発させて「LienがあるからLienelがある。1stワンマンでも言ったんですけど、マジでリスペクトです!」と明言。「僕たち、まだまだ大きくなるので……日本語難しい!」と言葉に迷った武田は「I love you、I need you」と告げて“かわいい!”の声を呼び、「どこまでも僕たちについてきてくれたら、もっと今よりも楽しい景色を見せられる自信があるので!」と力を込めた。森田は「僕たちの始まりの場所に立てたことが何よりも嬉しいです。前回はメチャクチャ緊張してたのを覚えてるんですけど、今日はLienの皆さんの想いが1つひとつ僕の胸にしっかり届きました」と告げ、「僕はライブが一番大好きで、今日もたくさんの幸せを感じることができました。これからもLienelでいて良かったなって思いたいし、Lienのみなさんにも応援できて良かったと思ってもらえるように、これからも頑張っていきます!」と誠実に表明。最後に、リーダーの芳賀は来場したLienに感謝して「1人ひとりの顔が見えるんですよ。僕たちのこと、ちゃんと見てくれてるのがすごく嬉しくて。今回、歌謡SHOWなんて面白かったですよね? こんな面白くて見ごたえのあるライブをたくさんやってますので、ぜひ、また来て、一緒に時間を過ごせたらなと思います」と頭を下げた。
そして「まだまだ楽しんでいきましょう!」とラストソングの「Hop Step Jump!」が始まれば、場内はペンライトの光とLienの声でいっぱいになる。タイトルの通り飛び跳ねながら“僕らの時代が到来”と未来への希望を元気いっぱいに歌い上げ、曲中、高桑や高岡が投げキスをしたり、武田がぶりっ子ポーズをしたり、近藤と森田が熱烈にハグし合って客席を沸かせる場面も。最後はLienと共に大きく手を振って、熱いステージの幕を閉じた。
夜公演では、高岡の号令で突如ステージの真ん中で腕立て伏せを始めた武田が「追い込んだぜ! それでは、また!」と立ち去るや否や、モニターに“Lienel 4th Live Tour 2025開催決定!”の文字が映し出されてLienから大歓声が。
「Miracle」と名付けられたツアーは9月13日の大阪・NHK大阪ホール、9月27・28日の愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、10月13日の東京・LINE CUBE SHIBUYAと東名阪3都市を回るもので、名古屋でLienelがワンマンを行うのは、これが初めてとなる。3年目に突入して、着実な成長と飛躍を遂げる6人が繰り広げていく世界に、今後も期待はふくらむばかりだ。
セットリスト
M1:UNKNOWN GROOVE
M2:We are Lienel!!!!!!(未発表曲)
M3:恋は罪ですか?
M4:恋のFIRE! FIRE!! FIRE!!!
M5:花鳥風月
M6:ギラサマ
M7:kimito
M8:セカイイチ
M9:妄想劇場
M10:じれったいKISS
M11:ジュリアの口づけ
M12:Mr.Sister
M13:罪と罰
M14:Beautiful Music(2部公演のみ)
M15:Stay tuned(1部公演のみ)
M15:フルムーン(2部公演のみ)
M16:アンチハート
M17:純情シンドローム
M18:Neo ROMANTIC
M19:親指☆Evolution!
M20:Go Around The World
EN1:No Limit No Rules
EN2:Hop Step Jump!
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