「shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆」最終公演のオフィシャルライブレポートが到着

自ら作詞・作曲を手掛けるボーカル・liaによるバンドプロジェクト「shallm」(しゃるむ)。2025年7月より自身初となるツアー「shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆」の7月5日北海道・SPiCEと7月19日大阪・梅田Shangri-Laで初ライブ披露している新曲「ゾンビ」が、8月11日にデジタルリリース。リリース当日に開催された「shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆」最終公演(東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO)のオフィシャルライブレポートが公開となった。
作詞作曲を自ら行うliaによるバンドプロジェクト、shallm(しゃるむ)の初となるライブツアー「shallm 1st LIVE TOUR 2025 一揆」の最終公演が8月11日に東京・SHIBUYA CLUB QUATTROにて開催された。
2023年9月にドラマ「女子高生、僧になる」のOP主題歌「センチメンタル☆ラッキーガール」でメジャーデビューを果たし、TVアニメ「姫様“拷問”の時間です」のOP曲「まっさかさマジック!」やドラマ「私をもらって〜追憶編〜」の主題歌「へミニス」などで話題を集めてきたshallm。昨年10月には1stアルバム「charme」をリリースし、今年3月に3度目のワンマンライブ「決起集会」を開催。自身初となった本ツアーは7月5日の北海道公演を皮切りに、7月19日の大阪公演を経て、東京・SHIBUYA CLUB QUATTROでファイナルを迎えた。
開演時間になると、ギター、ベース、ドラム、キーボードからなるバンドメンバーに続き、金髪を三つ編みツインテールでまとめたliaがステージに姿を表した。彼女の代名詞である白のストラトキャスターを持ってスタンドマイクに向かった彼女はライブの鉄板曲となっている攻撃的なロックナンバー「G2G」で勢いよくライブをスタートさせ、早くも拳を声を上げて盛り上がる満員の観客に向けて<退屈じゃないよな? 東京>と呼びかけた。指占いをモチーフにした「アイ・ラブ・ジェー・ケー・キス・デート」では高揚感にあふれたバンドアンサンブルと、信号機のように赤色と青色が交互に訪れる照明の演出によって揺れ動く恋心を表現。さらにソリッドでエッジーなロックナンバー「stardust」でステージ上を激しく動きながらギターを弾きまくるliaのパフォーマンスによって、観客のテンションを一気に引き上げていった。
「北海道と大阪でたくさんの熱気をもらいました。その熱気をどっかーんと爆発させて、クアトロを揺らしましょう」と呼びかけたliaは、「大切な人に向けて書いた曲です。心を込めて届けます」と語ったあと、バラードソング「花便り」では、もう会えない“貴方”を追想するように目を閉じて歌唱。さらに、「ハイドレンジアブルー」「ヘミニス」と<もう一度会えますように>という願いや祈りを込めたバラードを続け、切なくも伸びやかでエモーショナルな歌声を響かせた。shallmはliaのバンドプロジェクトであるが、彼女のグッと胸に刺さるボーカル表現をじっくりと味わえる時間となっていた。
MCでは、「場所が変われば人も違うなって、このツアーを通して初めて分かりました。即興でライブが作られていく感じがライブの面白いところだなと思いました」と自身初の3都市ツアーを振り、「ライブも含めた人生の話なんですけど、ここにいる全員が演者だし、主役だし、台本なんてない自由なんだってことを感じたツアーでした。次の曲も自分らしく自由に“今”を奏でるように聞いてください」と続け、「白魔」ではバンドが鳴らす有機的なヒップホップのビートでオーディエンスの身体を揺らし、インディーズ時代のピアノバラード「短夜の星」では心の声が漏れたような囁きから熱くエモーショナルなボーカルへとダイナミックに展開。和メロのイントロから観客が盛大なクラップを鳴らした「if 1/2」から蝉の鳴き声や風鈴の音が追加された「閃光バード」と切ない夏の風景を引き連れてくる楽曲を連発し、観客一人一人の胸に“今、この瞬間”である今年の夏の思い出を刻みつけた。
そして、ドラマ「恋愛禁止」のOP曲として「人には言えない心の傷や過去も含めて愛してほしいというジレンマ」をテーマに書き下ろしたという新曲「虚飾のキス」では、「誰にでも人に言えないことが一つはあると思いますが、音楽を通して触れ合えたらいい」という思いを込めてパフォーマンス。違う個のまま通じ合いたいというメッセージを込めたストレートなロックナンバー「境界戦」では観客のジャンプによってフロアが揺れるほどの盛り上がりを見せると、TVアニメ「阿波連さんははかれない season2」のEDテーマ「トワイライト」ではシンガロングが発生。さらに、「センチメンタル☆ラッキーガール」で完璧なコールが湧き上がり、イントロで歓声が上がった「まっさかさマジック!」でフロアのボルテージが最高潮に到達する中で<忘れられない思い出でお腹いっぱいにしていよう>というフレーズを観客と共有。「脳内ディストーション」ではお立ち台に乗ってプレイし、オーディエンスのハートを撃ち抜くように歌いながら、心地よい一体感を生み出していった。
本編の最後の曲を前に、ツアータイトルの「一揆」について、「仮で「世界を救うツアー」というタイトルでした。音楽で世界を変えることはできないという人もいるけど、私はほんのちょっとのきっかけくらいにはなれるんじゃないかと思っています。音楽やライブを通して、明日ちょっと頑張ろうってプラスの感情が——そんな衝動が起こせた人たちが集まって、“決起集会”を開いて、仲間がこんなに増えて。そしたら、結果的に“一揆”が起きて、少しずつでも、世界が変わっていくんじゃないかなと、本当に思ってます」と解説。「私がたくさんの人からもらった“衝動”を、今度は誰かに渡せるように。衝動の連鎖がこれから続いていくことを願ってます」と声をあげ、1stフルアルバムのラストナンバー「暴動」で<いつまでも狭い掌の上じゃ>の後の歌詞を<夢が見れないよな!>と観客の衝動を呼び起こすかのように歌い、熱狂の渦の中でライブは締め括られた。
アンコールでは、本ツアーのために書き下ろした新曲「ゾンビ」を披露。オイ!オイ!という声とクラップが上がるフロアに向けて<ノイズに消された衝動に噛みついてまた蘇らせる>とパンキッシュに歌う楽曲は、革命前夜を綴ったリード「暴動」から3rdライブ「決起集会」、そして、本ツアー「一揆」に至る「1年間をかけたツアー」であったことが明かされた。「なんで音楽をしたいのかを考え続けた1年間で。私は音楽でみんなの傷や孤独に寄り添いたいって思うけど、代弁者になりたいわけじゃなくて。明日も頑張ろうっていう衝動に少し噛みついて、蘇らせるようなアーティストになりたい。そんな音楽をし続けたい。それが1年かけて出した答えでした」とアーティストとしての決意と覚悟を表明。
続いて、本ツアーのお楽しみとして各地で夏曲カバーをしてきた彼女は、東京公演では神聖かまってちゃんの楽曲「フロントメモリー」の鈴木瑛美子×⻲田誠治バージョンをカバー。エレキを置き、ハンドマイクで歌い上げたあと、活動当初から二人三脚でやってきたマネージャーが本ツアーを持って現場を離れることを報告。「私にとってこの3年間、誰よりも長く一緒の時間を過ごした、姉妹のような、友達のような、大切な存在です。聞いたときはすごく落ち込んでたんですけど、今まで落ち込んだり、挫けたり、たくさん泣いた3年間を、まだ立ち上がって歩き出せてる。それは多くの人からたくさんの衝動をもらってるから。その衝動をみんなに届けたいって思うようになったからです。そう思わせてくれたのは、私と愛情深く関わってくれた全ての人のおかげです」と感謝の気持ちを伝え、涙を堪えながら、高校3年生の時に作り、shallmとして2023年3月に初めて出したオリジナル曲「夢幻ホログラム」に魂を込めて熱唱。迷ったり、つまずいたりしながらも、<今進むから限りない未来へ>というメッセージをまっすぐに伝え、<ありがとう!><忘れんなよ!!>と絶叫。圧倒的な解放感を生み出し、「またライブハウスで必ず会いましょう」と声をあげてツアーはエンディングを迎えた。
バンドメンバーとラインナップをして終了かと思いきや、liaにサプライズで赤い手紙が渡された。封を開けた彼女は「私がいつでも頑張りたいと思えたのは紛れもなく、あなたのまっすぐさがあったからです。私は歌が好き、音楽が好きと語ってくれた澄んだ瞳を今でもはっきりと覚えています」と涙を流しながらマネージャーからの手紙を朗読。「たとえ、一番近くにいられない存在になったとしても、まっすぐに奏でた音楽があなたの歩く道を開いていきますように。これからもずっと光の元を歩けるように、いつまでもshallmの幸せを願っています」と読み上げると、会場からは温かく大きな拍手が送られた。「私から離れたら、shallmの曲は寂してくなって聴けなくなると言ってましたが、聴きたくなくても聴こえるくらい届けていきます!」と改めて未来に対する決意とマネージャーへの恩返しを誓った。涙を流しながらも前を向いた彼女の晴れやかな表情からはライブアーティストとして突き進んでいく覚悟と自信が伝わる、新たなスタートに向けて意義の深いツアーとなった。
なお、アンコールでは、オリジナルキャラクター“リアゴ”の着ぐるみが登場。ファンクラブの開設やファンクラブ限定ライブの開催に加え、2026年2月14日に東京・Spotify O-EASTで「shallm ONEMAN LIVE ~ No Sweetness Within ~」の開催が発表された。
文:永堀アツオ
さらに、オフィシャルサイトならびにファンクラブ「sh/room(シャルーム)」を開設し、デビューから現在まで、未公開だった写真や動画、liaによるブログなど、様々なコンテンツを公開予定となっている。
そして、FC会員限定ミニライブ「扉の向こうにいるのは」を東京都民教会にて実施することが決定した。教会で演奏はピアノとボーカルのみ。普段は観ることのできないライブとなる予定なので、この機会にぜひご入会くださいとのこと。
最終公演の「ゾンビ」ライブ映像がMusic Videoになることも決定し、初となるライブ映像のMusic Video公開は後日公開となるとのこと。
セットリスト
1. G2G
2. アイ・ラブ・ジェー・ケー・キス・デート
3. stardust
4. 花便り
5. ハイドレンジアブルー
6. ヘミニス
7. 白魔
8. 短夜の星
9. if 1/2
10. 閃光バード
11. 虚飾のキス
12. 境界戦
13. トワイライト
14. センチメンタル☆ラッキーガール
15. まっさかさマジック!
16. 脳内ディストーション
17. 暴動
アンコール
1. ゾンビ
2. フロントメモリー / 鈴⽊瑛美⼦×⻲⽥誠治(cover)
3. 夢幻ホログラム
カメラマン:飛鳥井里奈
広告・取材掲載